馬車郎の私邸

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、将棋、プロレス観戦記など「趣味に係るエッセイ・感想・レビュー記事」をお届けします!ある市場関係者のWeb上の私邸

2011-01-01から1年間の記事一覧

「釘宮病とは何か―日本を襲う新たな病理」 日野聡 著、エア新書

釘宮病は不治の病とされており、患者数は日本国内だけでも100万人いると言われ、加速度的に増加している。本書は、いまや日本4大疾病の1つになった感がある釘宮病について、釘宮病に造形の深い声優である日野聡氏が書いた話題作である。 日野聡氏は、釘宮…

『「それはどうかな?」と言えるデュエル哲学』 エド・フェニックス著、エア新書

「それはどうかな?」とは、相手の企む思惑にたいして自身が懐疑的であることを示し、動揺を誘う言葉であり、この言葉を発することにより、心理的に優位に立つことができる。また、この言葉を発する状況とは、相手の思惑の裏をかく対策を行う事ができる状況…

江戸時代の重農主義者、重商主義者

江戸の三大改革といえば、徳川吉宗による享保の改革、松平定信による寛政の改革、水野忠邦による天保の改革である。いずれの改革も、幕府財政の安定のために、とりわけ米に大きな関心を寄せていることに共通点がみられる。たしかに、武士の収入も幕府の財政…

衆愚の選択は常に増税を忌避し、財政の悪化は雪だるまのごとく膨らんできたこと

議会政治の本場、英国議会の権力伸長は、国王が議会による承認なしに新たな課税はできないとするマグナ・カルタの承認に端を発する。国家予算策定には財源が必要であり、財源とは税収である。課税の方法は議会政治の重要なテーマである。 現代の日本において…

増税論議と老人主権

「政治に関与するものにとって、目の前のことに対応することこそがいつも最優先の課題である。財政収入を債務の重荷から解放する課題は、後世に任せる。」アダム・スミスの言うとおりに、日本の歴代政権は、国債の問題を先送りにしてきた。スミスは、国が借…

ミクロ経済学と恋愛のアナロジー

ミクロ経済学の知見に、恋愛とのアナロジーを見出すことが本稿の目的である。まずは、サンクコストと機会費用について考えてみよう。 埋没費用ないしサンクコスト(sunk cost)とは、「事業に投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収でき…

「シュリーマン旅行記 清国・日本 」講談社学術文庫、ハインリッヒ・シュリーマン

シュリーマンが幕末の日本に来ていたとは驚いた。ビジネスの成功譚や語学の学習法が面白い「古代への情熱」は良く読まれていると思うが、こちらの旅行記は意外と知られてないのではなかろうか。興味深い記述を抜粋しながら紹介しようと思う。 江戸上陸編: …

国債に疎い首相と、マックス・ヴェーバー「職業としての政治」

マスコミによるネタ作りのための粗さがしや揚げ足取りではない、本格派の失言が菅直人首相の口から飛び出した。それは、国債格下げの件についてである。 菅直人首相は27日夕、首相官邸で記者団から、米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が日本の国…

過去の歴史を振り返ることについて

過去の歴史を振り返る時は、どうしても"今"の常識、考え方で過去の歴史の出来事や人物の行動を判断しがちである。だから、過去の世界で生きていた人々の思考や感性、常識の体系は現在とは異なっているという前提を念頭に、理解しようとつとめなければならな…

"可愛い声"について 2:佐藤聡美さん編

先日は鈴木真仁さんを取り上げたが、今回は佐藤聡美さんについて。 この人のことは『けいおん!』で田井中律の役を演じたことでお馴染であろう。律はいつも元気なムードメーカーでありつつも、部員への目配りを欠かさない軽音部の部長である。表題は"可愛い声…

"可愛い声"について 1:鈴木真仁さん編

遊戯王5D'sが面白い。突っ込みが追い付かないセンス・オブ・ワンダーがあるので、毎週楽しみにみている。ところがその遊戯王5D'Sも春には終わってしまうようだ。そこで、遊戯王GXの再放送が今ちょうど128話なので、追いつくため1話から順に見ているところで…