旧親会社のリデットエンターテインメント、新親会社のサイバーエージェントには改めて感謝したい。NOAHがサイバーエージェントの傘下に入っていなかったら、コロナ禍による興行停止でキャッシュフローが途絶え、倒産していたかもしれないと思うと背筋が凍る。「ABEMA 
」、「DDTUNIVERSE」といった配信インフラも大きい。興行停止後もテレビマッチで、既存・新規のファンにアプローチできたからだ。苦境の中でも次の仕掛けに期待しつつ、NOAH子会社化後初の四半期決算のポイントを見てみよう。
20/9期上半期：「ABEMA」への投資をしつつ、ゲームやネット広告好調
20/9期第2四半期累計における売上高は2448億円（前年同期比7％増）、営業利益は202億円（前年同期比45％増）となった。9-3月の期間という点に留意する必要はあるものの、底堅い業績と言えよう。「ABEMA」への投資をしつつ、ゲームやネット広告などが好調だった。
第2四半期（1-3月）に限ると、売上高は過去最高だった。
第2四半期の営業利益は、前年同期比45%増の124億円と、力強い伸びだ。
ネット広告事業：好調"だった"が割り引いて考える必要あり
2Q 売上高は727億円（前年同期比9%増）2Q 営業利益は67.2億円（前年同期比24%増）。顧客開拓が順調に進み、2Q途中までは広告需要を取り込み好調に推移した（もともと1-3月広告の需要期だそうだ）。しかし、緊急事態宣言等により、キャンペーンの手控えが広がり、広告出稿の需要が足元は減少している。リモート体制を構築し、営業活動を継続している模様だが、しばらくは逆風が続きそうだ。アルファベット（グーグル）の決算動向にも注目したい。
ゲーム事業：「このすば」が加わり、好調が継続
ゲーム事業の2Q売上高は 448億円（前年同期比12%増）、2Q 104億円（前年同期比40%増）。グランブルーファンタジー、プリンセス・コネクト！ Re:Diveなど看板タイトルは好調で、周年記念効果の恩恵もあった。2/27に投入した「この素晴らしい世界に祝福を！ファンタスティックデイズ」は １ヶ月半でプレイヤー数150万人突破。好調な出足となった。かく言う私もその一人だ（注：無課金）。モバイルゲーム嫌いの私ですらFate/Grand Orderを差し置いてプレイしている。（累計課金額はFate/Grand Orderは通算9万円、将棋ウォーズは600円/月）。妻もかなり気に入っていて、先日1期
・名曲紹介20：ナイス爆裂！120点 :Machico /「1ミリ Symphony」(「映画 この素晴らしい世界に祝福を！紅伝説」テーマソング)
メディア事業：アマプラを猛追！意外とすごいぞABEMA！
引き続き先行投資期間につき、1四半期あたり30億円台～50億円台の営業赤字が続いている構図に代わりはない。しかしながら、ABEMAの有料会員数は前年同期比1.7倍の67.6万人。順調に会員を獲得しており、視聴ニーズに合わせた「テレビ」×「ビデオ」のハイブリッドサービスとしてユニークな立ち位置を築いているようだ。外部調査機関のデータによると、マンスリー・アクティブ・ユーザーは、Amazonプライム・ビデオに次ぐ2位である。業界のパイが拡大している中、競争が激化しつつあるなか、健闘している。特に、10～20代にしっかりリーチしており、抜きつ抜かれつながらも、Amazonプライム・ビデオに再び肩を並べている。
以上で、取り急ぎポイントをまとめてきたが、NOAHの立場からすると親会社サイバーエージェントの看板、資金、マーケティングチャネルをフル活用することが最優先事項である。同業他社がなかなか興行をできない中で、カメラスタッフに防護服を着せてでもテレビマッチを放映している意義は大きい。
ABEMAの10～20代へのリーチ力の強さも見逃せない材料だ。プロレス観戦未体験の層も大きいと見られ、高齢者層に対する相対的な人数の少なさや購買力の低さはあるものの、将来的な顧客基盤として重要と言える。
プロレス以外の私の趣味の一つは将棋なのだが、3対3の超早指し戦「第3回AbemaTVトーナメント」は楽しませてもらった。プロレスファンで知られる郷田真隆九段、最新の棋書で見出しにプロレス技の名前を多数使用した藤森哲也五段と何かコラボ企画があっても面白いかもしれない。DDTUNIVERSEは入会したんだけど、私もABEMAプレミアムに入会してみようかな。1ヶ月間無料だし、解約も好きな時にできるみたいだしね。
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