バイオリズムとユニ・チャームについて

女の子と付き合い始めたとき、荒れ模様の株式市場のごとき気分の浮き沈みに困惑した男性諸兄は多いのではなかろうか。体の仕組みが違えば、心の仕組みもまた異なるのは当然のことだ。バイオリズムは相手の気持ちを推し量り、どのように接するかを考えるとき重要である。

生理などの女性のバイオリズムについて世の男性諸兄は理解を深める必要がある。その理由は私的な領域において人生をともに歩むパートナー、すなわち恋人や妻をサポートするためだ。デートの最中や月間スケジュールにおける配慮に加え、結婚してからは子孫を残す上で避けては通れないからである。

また、公的な領域、たとえば職場においては、女性の社会進出が加速し15－64歳の生産年齢人口に占める女性の割合が高まるなか、この種のバイオリズムへの無理解はビジネスにおけるパフォーマンスなどにも影響しよう。

さて、同人誌でありながら厳格な査読を経て、本邦の最高学府の学生の手によりSNSを用いたある特定の個人の整理周期予測に関する論文が発表されるという聞けば眉を思わずひそめてしまうような事象があったと伝え聞く。

だが、この種の手合いは下世話で尾篭な興味を昇華し、その熱意と科学的知見を生かして社会貢献のために日用品メーカーに就職すべきだ。たとえば、ユニチャームは「女性の生理の"不快"を"快"に変えるという」価値創造モデルを標榜している。独自の不織布技術を活かした高付加価値商品の提案を通じて、女性の体と心の仕組みを科学的に捉えながら、女性の物理的・精神的な束縛からの解放に努めることで業績を伸ばしているのである。

ユニチャームの18/12期第1四半期(1-3月期)の売上高は1609億円（前年同四半期比10.0％増）、税引前四半期利益は218億円（前年同四半期比21.3％増）と上々の滑り出しを見せた。国内外の政治情勢に不透明感が高まるなか、2015年3月につけた上場来高値に迫るなど、株価も堅調だ。

生理用品を扱うフェミニンケア部門は、海外においてもその技術力とマーケティングにより高い評価を得ており好業績につながったことが窺われる。中国において、若年層から品質の高さとデザインのかわいらしさに対して引き続き高い支持を得ているほか、インドネシアやタイ、ベトナム、インドといった新興国でも消費者ニーズに合わせた商品で販売エリアとシェアを拡大している。

国内では、仕事やプライベートで活動的に過ごす女性が増えるなか、敏感肌にやさしい『ソフィはだおもい』シリーズや、つけていないような心地よさを実現した『ソフィエアfitスリム』シリーズ、360°全方位伝いモレを防いでモレ安心を実現した『ソフィ超熟睡』シリーズ、スタイリッシュな『センターイン』ブランドなどが好評だった。

また、健康管理の観点からは米ウエアラブル端末大手フィットビットが女性の健康管理に役立つ腕時計型端末「ヴァーサ」を日本で６月15日に発売するという動きもある。生理周期など女性の健康状態を管理する機能を搭載し、女性ユーザーの取り込みを狙っている。アプリの追加が可能な高機能モデルで価格は２万8490円という話だ。

世界の半分は男性であり、女性である。古代ギリシアにおいて言及されるアンドロギュヌスには戻れない以上、男女間における完全な理解は難しい。少なくとも一億総活躍社会を目指すならば、男女ともに互いの心身について健全な理解を深めることで生活や仕事の質を向上させる取り組みは、もっと意識されるべきであろう。