馬車郎の私邸

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NOAH・DDT・このすば・NieRファンのためのサイバーエージェント20/9期第3四半期決算のポイント

NOAHが「ABEMA 」、「DDTUNIVERSE」といった配信インフラでTVマッチを放映する意義は、改めて非常に大きいと感じている。サイバーエージェント傘下に入ったのは良い決断だった。興行停止後も既存・新規のファンにアプローチできたからだ。なお、この間ブシロード傘下の新日本プロレスはTVマッチは見送り、じっと耐えていた(ちなみにEVIL推しの私としては、過程はどうあれニュージャパンカップ制覇と2冠戴冠は嬉しい)。

株式市場は米欧日の中銀のなりふり構わない強力な金融政策のなか、低金利を背景にウィズ・コロナ、アフター・コロナ時代に活躍するであろうIT・ハイテク株の独壇場となっている。米ナスダック総合指数は10680ポイント(7/21時点)と史上最高値圏にある。このような環境で、第2四半期までの堅調な業績を背景に、サイバーエージェントの株価も力強い上昇を示した。NOAH子会社化後2度目となる第3四半期決算のポイントを見てみよう(短信説明会資料)。

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20/9期第3四半期:ゲームやネット広告底堅し、「ABEMA」は投資局面継続

20/9期第3四半期累計における売上高は3577億円(前年同期比5%増)、営業利益は285億円(前年同期比22%増)となった。通期営業利益計画280~320億円のレンジ下限を、3Q時点で達成した格好だ。第2四半期まで(9-3月)の貯金が寄与しており、第3四半期(4-6月)のみでは売上高は1128億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は82億円(前年同期比12%減)となった。一見すると振るわないように見えるが、コロナ禍の状況にしては収益の落ち込みは限定的で、底堅い業績と言えよう。「ABEMA」への投資局面は変わらず、ゲームやネット広告などは粘りを見せた。

ネット広告事業:コロナ禍で大健闘。粘りを見せた。

2Q 売上高は643億円(前年同期比0.01%増)2Q 営業利益は43億円(前年同期比6%減)。前回の決算説明会で、藤田社長は緊急事態宣言等により、キャンペーンの手控えが広がり、広告出稿の急減速を示唆していたが、意外にも売上高前年同期比横ばいだった。巣ごもり需要のある広告主への営業強化が奏効した。4-6月を底に、増収を目指す模様で、安心感のある内容と評価できるだろう。

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ゲーム事業:周年イベント反動で前四半期比スローダウンだが底堅い

ゲーム事業の3Q売上高は 367億円(前年同期比4%減)、3Q営業利益 75億円(前年同期比9.5%減)。2Qにおける周年記念効果の反動があったが、高水準な収益を確保した。「NieR」シリーズ最新作のスマートフォン向けタイトル『NieR Re[in]carnation』の7/29投入に先立ち、事前の評判は上々であるとのコメントがあった。

2/27に投入した「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」は好調が続いている模様だ。モバイルゲーム嫌いの私ですらFate/Grand Orderを差し置いてプレイを継続しており、ユーザーインターフェースが洗練されている点に驚いている(注:無課金、累計課金額はFate/Grand Orderは通算9万円、将棋ウォーズは600円/月)。前回、先日1期2期劇場版DVDを見返した話をしたが、小説最終巻も素晴らしい内容だった、また別の機会に書くとしよう。関連記事↓

「このすば」―魅力的な声優陣が織りなす四重奏会話劇の魅力

名曲紹介20:ナイス爆裂!120点 :Machico /「1ミリ Symphony」(「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」テーマソング)

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メディア事業:1000~1500万人/週のアクティブユーザー!

3Q売上高は133億円(前年同期比19%増)、営業赤字40億円引き続き先行投資期間につき、1四半期あたり30億円台~50億円台の営業赤字が続いている構図に代わりはない。しかしながら、週あたりのアクティブユーザーは1000万人~1500万人のレンジで推移しており、緊急事態宣言解除後も活発な利用がなされている。話題にも事欠かないようで、先日17歳のうちに初タイトルを獲得した藤井聡太棋聖の対局、3対3の超早指し戦「第3回AbemaTVトーナメント」は私も大いに楽しませてもらったが、将棋もキラーコンテンツとなっている。NOAH中継もメディア事業を賑わすコンテンツとして定着するよう、引き続き願っている。

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7/18にはNOAH後楽園・有観客大会、「第3回AbemaTVトーナメント チーム渡辺vs糸谷」を、テレビと並行して、妻のテレワーク用モニターも活用し、2窓で堪能させてもらった。「ABEMA」は視聴ニーズに合わせた「テレビ」×「ビデオ」のハイブリッドサービスとしてユニークな立ち位置を築いているようだ。国内では少なくともアマプラやネットフリックスに対抗しうるプレイヤーになっている。NOAHからすると、TVマッチで間口を広げて露出を増やし、有観客興行で先行投資の回収を図りたいところだが、収容人数3分の1の興行継続をしばらく余儀なくされるだろう(同業も同じだ)。引き続き「ABEMA」のコンテンツとしての貢献を図るとともに、認知度向上に力を尽くす局面であると考える次第だ。

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