馬車郎の私邸

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NOAH・NieRファンのための、サイバーエージェント、21/9期第1四半期決算のポイント【子会社化1年】

2020年のサイバーエージェントの株価は力強い右肩上がりで推移した。しかも、NOAH子会社化以来、米国のナスダック指数(テクノロジー企業が多い)をアウトパフォームしている。大規模な金融緩和のもと、米実質金利(名目金利ー期待インフレ率)がマイナスの環境下で、成長性が高くwithコロナに対応できるITテクノロジー企業への物色が盛んだが、ひときわ投資家に選好されている模様だ。
皆さん、もう慣れてきたと思うので、本日発表の21/9期第1四半期決算についてポイントをかいつまんで、わかりやすく解説していこう(過去記事:サイバーエージェントってどんな会社?講座、20/9期第1四半期及び買収記者会見第2四半期第3四半期第4四半期

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サイバーエージェントの21/9期第1四半期は前年同期比13%の増収、同9%営業減益になった。売上は過去最高を記録したが、ABEMAへの先行投資期ゆえ減益という構図である。ネット広告は増益を確保したが、ゲームが減益に沈んだ。ただし、ゲームは例年第1四半期は低調なことも多く、タイトルの端境期ということもあるようだ。新作ゲームでは、2/18の「 NieR Re[in]carnation」、2/24の「ウマ娘 プリティーダービー」に期待を寄せている模様である。

ABEMAが属すメディア事業の売上高は前年同期比1.6倍の204億円と力強い伸びが続いている。一方でQ1の営業損失は39億円と、いつもどおりの先行投資期の構図に変化なし。メディア事業の主なポイントは3点である。

✅有料会員数92.1万人(ただし20年末100万人目標に未達)
✅ウィークリー・アクティブ・ユーザー数1200万人程度
✅組織再編の実施

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NOAHやDDTにとって気になる点は、ABEMAが属すメディア事業の組織再編である。これは、無料会員と有料会員向けに組織を分けるというものだ。つまりテレビのビジネスモデル、VOD(動画配信サービス)のビジネスモデルに分けて、ビジネスを展開するのである。たしかに渾然一体となってビジネスをやるよりは、ターゲット・セグメント、戦略や目的をしっかり峻別して展開するのは妥当だ。

さて、戦線を再構築するのはいいが、NOAHやDDTがどちらに振り分けられているのかはわからない。PPVはサザン、福山雅治、ポルノグラフィテイなどのオンラインライブが大いに貢献したようだが、杉浦軍興行も幾分寄与したことだろう。
プロレス・コンテンツがABEMAに人を集める点で寄与するのか、PPVで追加的な売上に貢献するのか、プレミアム入会でベースの売上に寄与するのか、具体的にどのくらいなのかは開示がないのでわからない。サイバーエージェントがどれに重きをおいているかは不明だが、子会社化から1年、社内ではNOAHのコンテンツとしての価値に対する吟味が行われていることだろう。ここからが正念場だ。私はプレミアムに入会もしたし、PPVも買ってみた。日本武道館興行復活も喜ばしいが、再度の緊急事態宣言下、おうち観戦スタイルもなかなかに心地よいものだ。これからもしっかり応援し続けていきたい。

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(ABEMAプレミアムは1ヶ月間無料、解約も好きな時に可能)

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