馬車郎の私邸

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、将棋、プロレス観戦記など「趣味に係るエッセイ・感想・レビュー記事」をお届けします!ある市場関係者のWeb上の私邸

コツコツ節約のコツについて―3つの浪費パターンと対策・具体例

あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。新年は生活の上で実用的な記事から始めよう。コツコツ節約のコツだ。

米国の年末商戦における旺盛な消費は、世界の株式市場にとって望ましい。暫定データによれば、実店舗に足を運ぶ代わりにネット通販を選ぶ消費者が増加傾向にあり、19年11月3日~12月21日では、来客数が昨年の同じ期間より7.7%減少した。11月1日~12月19日のネット通販売上高は1256億ドル(約13兆7000億円)に達し、13.6%増加した。うち35%をスマートフォン経由の購入が占めたそうだ。

世界の人々は、デジタル化・自動化によって、紙で請求書を受け取っていたときのように、毎月何を購入したかを見直す必要がなくなった。出費が徐々に増えがちだ。マクルーハンが言うようにテクノロジーやメディア(媒体)は身体の特定の部分を「拡張」する。お金を支払うフィジカルな動作は、認識を伴わない継続システム、あるいは便利で軽快な動作にとって代わられている。無数の映像・音楽・書籍コンテンツを提供するストリーミングサービスが隆盛し、スマホでポチッ、店頭でもキャッシュレスでピッと支払うのが当たり前になった以上、人々のお金の使い方が弛緩するのはある意味で当然のことなのだ。

したがって、理性・知識、仕組み・工夫による情動の制御により、今日の消費形態に対して立ち向かう必要がある。WSJ紙の「専門家に聞く節約のコツ」の要点をまとめ、大幅に加筆したうえで「3つの浪費パターン・3つの対策」に組み替えたうえで、自分自身の具体的な施策とも照らし合わせながら述べてみたい。


①デジタル含む定額サービス(固定費)

ネットフリックスやスポティファイ、アップル、アマゾン、グーグルなどストリーミングサービスの隆盛の時代、知らず知らずデジタル課金の月次固定費は増え続けている。再考が必要だ。

・対策と具体例
既に加入した月額制のサービスを見直す、あるいは逆に変動費を抑えるために固定費化する。

わかりやすい例では、行く頻度が落ちたスポーツジムの定額利用料金だ。私は妻と合わせて二人分のエニタイムフィットネスの利用料金をを解約した。月額約7000円×2人分となると年間では約30万円と、相当な額だ。スクワットなど自重トレーニングやダンベルに専念することで対処しよう。

変動費で警戒しなくてはいけないのは、デジタル含む都度課金であり、これは定額固定費化することもできる。音楽と読書が趣味の私は、iTunesで楽曲を、Amazon(kindle)で紙・デジタルともに安易に買ってしまいがちである。素晴らしい音楽と本が世に溢れているのがいけないのだが、抑制に取り組む必要がある。額サービスによって固定費化することで軽減できるメリットが私の場合かなり大きい。

サービスとしては、Amazonに一括するのが自分の場合合理的だろう。Amazonプライムは年4,900円。Kindle Unlimited 読み放題サービスは月額980円。安い本1冊分だ。また、Amazon Music Unlimitedは6,500万曲以上聞き放題で月額780円。iTunesの購入楽曲3曲分だ。

週刊東洋経済の3年定期購読サービス(6万3千円、41%引きになる)は解約しよう。楽天マガジンなら月額380円で250誌以上がPC・アプリで読み放題。東洋経済に加え、ダイヤモンドなどの経済誌面もあり、愛読している週刊プロレスや月間将棋世界も読めるし、週刊誌のお気に入りコラムもコンビニで立ち読みする必要がなくなる。ついでに月額1200円の会社四季報ONLINEもこの際カットしよう。

新聞は、ウォール・ストリート・ジャーナル(月額2800円)は継続しておくとして、問題は日経新聞だ。日経Wプランは月額5,900円だが、電子版オンリーにすれば月額4,277円であり。1600×12で約2万円近い節約になる。

インターネット環境はモバイルWi-Fiをいまだに使っているが、これは携帯キャリアとの一括化を図るのが合理的だろう。約4000円/月のWiMAXを結婚前からそのまま惰性で使っているため、au乗り換えでお得なプランにするか、現状のソフトバンクに合わせるかだ。SoftBank 光は集合住宅の場合、1年目3800円/月、2年目はキャンペーン割引により1800円/月。さらにおうち割により、家族の携帯料金を1人当たり毎月最大で1000円・。コンセントにつなぐだけでよいので簡単そうだ。

将棋ウォーズ:月額600円、ニコニコ動画:月額500円、dアニメストア:月額400円については、リアルに対局する、あるいはTSUTAYAであれこれと借りることを考えれば、十分に割安なので継続しよう。上記3つをまとめれば、新作DVDを毎月3本借りている程度の金額なのだから。その他では、水道光熱費や保険料の類も現状妥当と見られる。

②日常の習慣的な少額の買い物(固定費かつ変動費)

・対策と具体例
必ず消費するものは割安な一括購入を検討する。スーパーやコンビニに行くペースや月当たりの行く回数を限定する。家計簿アプリをつける。

コーヒーやボトルに入った水などの少額の買い物が代表例である。いわゆる「ラテマネー」は典型だ。もし仮にスタバで朝ラテを買う習慣があるのだとして、1日500円で200営業日とすると、年間10万円であり、侮れない金額になる。自分の場合はペットボトルなどの飲み物を1日2、3本は買っている。わかりやすく1日300円使うと仮定しよう。スタバのラテほどではないが、200営業日で6万円分だ。たとえば、クリスタルガイザー 500ml×48本 はAmazonで2260円なので、1本約50円ほどだ。すでに一部置き換えてはいるが、ヤマトの配達員さんに申し訳なくて発注に感覚が空いている。今年はこちらになるべく一括したいところだ。

日用雑貨と無計画なスーパー・コンビニでの買い物も警戒すべき対象だ。計画していないと、1個か2個の品物を買うためにスーパーに立ち寄ることになり、結局、あれこれと使ってしまうことになる。これはアメリカ人にありがちなパターンだそうだ。基本的に我が家は週に1度土日に買い物に行くが、平日に行くのは豆乳のストックが切れているときくらいなので、あまり警戒しなくても良さそうだ。

上記記事によれば、やはり無駄遣いの対象はすぐに消費可能な商品、主に口に入れるモノであることが多いだそうだ。すなわち、インスタント食品、甘い食べ物、飲み物などである。これらはすぐに消費できるため、すぐに見返りを得られる。また、その消費が自分の懐具合だけでなく、長期的な価値、すなわち自分の生き方にも悪影響を及ぼす可能性について長い目で見ていないということになる。食生活や習慣の見直しは重要な意義を持つ。

また、家計簿アプリも有用だ。支出の把握という面よりも、支出を入力するという習慣によって、日々の細々とした支出を抑制するという効果が大きいように思える。また、飲み会の誘いや外食については見直しの余地がありそうだ。

③補整的購入(Compensatory purchases)。

補整的購入というのはずいぶんとテクニカルな言い方だが、実際には自分がさほど成功しているとは感じていないため、一部の分野では成功していると他人に思わせるために使用するものは補整商品と言える。つまり、お金や社会的ステータスがあることを示すための、大きな目立つロゴの入った高級品やアクセサリーなどの人目を引くアイテムだ。高所得者は経験を買うことに満足を感じる傾向があるのに対して、低所得者はもっと具体的な長持ちするモノを買うことに満足を感じる傾向がある。

・対策と具体例
「しばし待て」

上記記事のお勧めのやり方はこうだ。何かを買いたい衝動に駆られたら30秒時間を取り、「これをやり過ごせるか」と自問する。5分待てれば、衝動が消えていることに気づく可能性が非常に高いというものだ。これはアンガーマネジメントにおける「6秒待つ」、に通じるものがある。私の場合、Amazonで本を衝動的に買うのではなく、「ほしいものリスト」に入れて寝かせておいて、その後再判断する。

昨今においてはコト消費に対する向き合い方が重要だろう。ソニーはモノ作りの注力分野を絞り込み、コト消費のコンテンツビジネスの分野で成功を収めており、モノ売りだけでなく、コト売りが重要性を増している。

ゲームのあり方も変わった。「ゲームは1日何時間?時間や課金との向き合い方について」で書いたように、ゲームは買い切り型ではなく、(スマートフォンのものは特に)課金型のビジネスになっている。ソニーの場合は「Fate/Grand Order」がドル箱で、営業利益は推定約400億円ソニー全体の営業利益は8000億円台だから、そう大きくないように見えるが、日本最大級のドラッグストアチェーンであるツルハHD営業利益に匹敵するといえば、相当なものだ。

さて、このFGOではサーヴァント(英霊)の召喚という名目のもとガチャ課金が行われている。これこそまさに、コト消費だ。私の場合、サーヴァントでは特にアストルフォがお気に入りなのだが、基本的には、福袋や、アストルフォのピックアップが行われている時や贔屓の声優さんの出演があった時くらいだったので、これまでトータルで9万円といったところだ。はたして、これは払い過ぎなのだろうか。

しかし、FGOのみならず「Fate」の物語世界(とそのテキスト)、ラジオやイベントの出演声優陣の楽しそうな様子を見ることや、そうしたことを通じて妻や友人、Twitterのフォロワーさんたちとの交流には無形の価値がある。しかも自分の場合、今やソニー株を業界動向や個別レポートにして推奨することが生業であり、クラスはセールスからリサーチャーに変われど、成果が上がっており、ソニーには大変感謝している。動くお金からすれば、9万円というのはソニーへのお布施としてはむしろ少ないもしれない。

とはいえ、こうしたコト消費の価値は、上記のようにどうとでも言えるもので、プライスレスなものだ。何が自分にとって大切なのか、その意義を見つめ直すことが肝要と言えよう。そうすれば、分野ごとに使っても良い金額が見えてくるだろう。実践的に考えると、安易なコト消費への対策としてはやはり「しばし待て」が重要なのだろう。宝具を重ねなきゃいかん文明滅ぶべし!と思い直すかもしれない。

ここで、「待て、しかして希望せよ」を思い出すわけだが、召喚に必要な聖晶石の値段と優れた名作文学の値段に思いを馳せれば、得られるコト消費の質・量はどちらが割安かは自明なのかもしれない。だが、簡単にはそうさせてくれないのが、FGOの見えざる魅力なのだろう。

MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実
クラウディア・ハモンド
あさ出版 (2017-06-22)
売り上げランキング: 3,923
1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました
トマス・J・スタンリー
文響社
売り上げランキング: 2,662
Fate/complete material I・II・III

KADOKAWA (2018-03-30)
売り上げランキング: 18,922