馬車郎の私邸

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日経調査 給与が増えた企業ランキングについて

本日の日経電子版より「給与増えた企業ランキング 首位は浪速の実力企業」から3社ほど優良企業を紹介したい。

過去5年の増加額トップのキーエンスは、2017年3月期までに給与が540万円増え、平均給与は1860万円と金額自体も約1000社のうち最も高かった。しかし、この会社は給料が高いにもかかわらず、かれこれ10年以上も売上高営業利益率50%を超える恐るべき会社だ。つまり、高給の営業部隊がまずは会社の売上を稼ぎに稼ぎまくっているのである。
キーエンス
キーエンスは、FAセンサーなど検出・計測制御機器大手として知られており、生産設備を持たず、開発と販売に注力するファブレス経営だ。工場自動化の潮流を捉えて、北米においても営業人員を拡充したことが奏功し足元の決算も好調。今や時価総額は10位内に入るほどだ。

オーナー系企業ということで浮動株比率はわずか2.6%、概ね信用倍率は好需給のことが多い。有利子負債0で自己資本率94.7%という脅威の財務体質でもあり、増配・自社株買いへの期待が常にくすぶっている点も株価としては注目だ。足元の北朝鮮を売りの口実にした調整局面では、押し目買いで狙っておきたい株の筆頭であろう。
ミスミ
3位のミスミグループ本社は270万円増の690万円となった。主力はFA部品、金型用部品など。短納期の小ロット発注対応、通販による低コスト運営が最大の強みだ。自動車や電機業界で広がる自動化の需要を取り込み、業績は右肩上がりで推移。好調の生産材Web販売VONAは、海外展開本格化でさらに拡大している。また、V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)でも有名な、コンサルタント出身の三枝匡氏が辣腕を奮ったことでも知られている。
ディスコ
13位のディスコも大きく増加したとあるが、同社は半導体の製造工程で「切る・削る・磨く」装置で世界シェア70%と、世界の半導体生産で欠かせない枠割を演じている企業だ。。直近の18/3期第1四半期では、過去最高の売上高、営業利益を記録した。また粗利率は58.9%とこれまた過去最高水準。カンファレンスコールをyoutubeで聞くとどうやらディスコの営業マンは採算の高い案件や、呉などフル稼働中の工場に負担がかかりにくいものから優先して選別受注を行っている模様である。半導体メーカーの生産活況を受けて、好採算の消耗品(ダイシングホイールグラインディングホイールドライポリッシングホイールなど。それぞれ、切る、削る、磨くに相当する消耗品)の需要も旺盛。広島・桑畑工場のライン増設や長野・茅野工場の子会社社員転籍など需要対応も図っている。

上記3社はいずれもBtoBの会社のため、株式投資に関心のある方以外には、一般にはあまり知られていないかもしれない。しかし、優れたビジネスモデや技術力を持ち、給料も良くて稼いでいる会社は実はBtoBに多いのである。投資家のみならず、就職・転職を考える方は、こうしたBtoBの会社にも是非目を向けてみて欲しい。

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