馬車郎の私邸

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「The Imperial Presence 氷帝 feat. 比嘉」 感想レポ 7/30

テニミュドリライ5(生で見た)
テニミュ ドリライ1
テニミュ ドリライ2
テニミュ ドリライ3


テニミュを生で見るのは3回目です!!
見てきた以上は、ネタバレありでいきます。
ちなみに、自分は腐女子でもなければ女性でもないので、萌えだとかそのへんの感性はありません。
役者の誰それが可愛い、萌えるという発想は基本的にはないので。
あくまでも、原作ファンの男の視点だということをご了解ください。
(でもそれって、テニミュの8割くらい損してるってことだよね)

2回目の氷帝戦を復習したい方はこちらのレビューサイトへどうぞ。

では感想行きます!

夕方、千駄ヶ谷駅で真夜さんとにじのさんと待ち合わせ。
真夜さん、チケットの手配、今回もありがとう。
にじのさんは今回がテニミュデビュー。
真夜さんの友達と合流後、物販を見て、席に着く。
一階の一番後ろの席でした。

ややこしいですが、キャストはダブルキャストです。
今回見たのは、青学は4代目キャスト、氷帝はAキャスト、日替わりメンバーは木手と田仁志の二人。
4代目青学(せいがく)
越前リョーマ役/阪本奨悟 手塚国光役/渡辺大輔 
大石秀一郎役/豊田裕也 不二周助役/古川雄大 
菊丸英二役/浜尾京介 乾 貞治役/高橋優太 
河村 隆役/コン・テユ 桃城 武役/牧田哲也 海堂 薫役/平田裕一郎
堀尾役/山田 諒 カチロー役/伊藤 翼 カツオ役/江口紘一

氷帝Aキャスト
跡部景吾役/久保田悠来 忍足侑士役/秋山真太郎 向日岳人役/青柳塁斗
宍戸 亮役/鎌苅健太 芥川慈郎役/Takuya 樺地崇弘役/鷲見 亮
鳳 長太郎役/瀬戸祐介 日吉 若役/河合龍之介


う~む、全員覚えてる人たちは神。
これでテニミュキャストって、今まで全部あわせれば100人越えてるんじゃなかろうか。

第一幕オープニングは氷帝から始まる。
「氷のエンペラー」のニューバージョンだろうか。
全員の動きも歌もなかなかかっこいいんだけど、ソロの部分のニュー跡部様がやや緊張気味。
曲が終わったあとに、木手と田仁志の二人が登場。
二人の会話を一年トリオ3人が、薄幕の向こうで盗み聞き。
田仁志に愉快なアクションで威嚇される。
木手は引き上げようとするのだが、田仁志は帰ろうとしない。
「……田仁志くん、お弁当ですよー」の一言で、のっけから会場爆笑。やっぱりね。

1年生トリオは、自己紹介+状況説明曲を歌ったが、この3人なかなか上手い。
気恥ずかしくなることも無く、安心して見れる。
そのまま青学の曲に入る。
「昨日よりは今日、今日よりは明日、明日よりは未来」というサビで、ハルヒOPの「明日過去になった今日の今が奇跡」に通じるものがある。
なかなかいい曲でした。
4代目青学は、前よりも安定感が出てきたような気が。(当然だが)
そして青学×氷帝×比嘉で「バーサス...バーサス...バーサス」な曲で、試合開始。

忍足vs桃城戦
心を閉ざす、千の技を持つ天才vs自然を味方につけた曲者。
部長「ポーカーフェイスのうまい奴だな」
全員(一斉に手塚のほうを見る)
不二「誰かさんみたいにね」
のやり取りは吹かざるを得ない。
新しい忍足役の人はなかなかよかった。
けっこうな美声だったね。「ポーカーフェイスファイター」の曲(正確な曲名は当然知らない)は意外といい雰囲気だった。期待大。
桃城役の人もがんばってて、激しく動きながらもなんとか歌っていた。さっきのポーカーフェイスファイターもそうだけど、「俺は噴火寸前の火山~ アクティブ・ボルケーノ~」と歌っていたので、英語に言い換えて歌うのが、三ツ矢さんのブームなんだろうか。
試合は忍足が勝利。
桃城の「すまねぇ、みんな!負けちまいましたっ!!!」はとってもいい演技だったと思う。


日吉・向日vs乾・海堂
フィジカルな強さを持つ乾・海堂ペアに対し、超短期決戦を日吉・向日ペアは敢行。
歌は「俺たちはせっかちなんだ」ということを叫んでて、なんかほほえましい^^
...で、問題は乾の超高速サーブ「ウォーターフォール」。
jm11-7
原作では、とってもかめはめ波でした(笑)
舞台では、青い光を使って滝を演出。小奇麗な感じで迫力はいまひとつ。

jm12-1
ウォーターフォールの球速は樺地が計測。滝はミュにはいないので。
それにしても212キロとは恐ろしい。
テレビ見て思うんだけど、テニスの試合はサーブで決まっちゃうよね。
200キロ以上のサーブをフォルトなしで決められたら、プロ級では?

ここで、公演がはじまってまだ2日目なのに、早くもアドリブ。
乾が「ウォ↑ーター↓ フォ↑ール?」と外人風に発音し、場内爆笑。
帰りにも、みんな「ウォ↑ーター↓ フォ↑ール?」を口真似する人が多数いました。

試合は日吉・向日がマッチポイントまで追い込むも、全ての体力を使い果たす。
ボールを追って倒れた海堂が腕立て伏せで、体力アピールする姿には、やはり笑いが起きる。
この後の乾・海堂の歌が結構ダークでしたf^^;
「しくじったな」「データテニスがお前を滅ぼす」など、いかにも罠にかけた、術中にはめたという感じで、持久戦を曲で表現していた。
「・・・の確率100%」のセリフとともに背景に「100%」と表示される演習も粋だった。
敗れた、日吉・向日も演舞とムーンサルトの動きで最後まで楽しませてくれました。

樺地vs手塚戦
何でも相手の技をコピーしてしまう樺地の能力により、「手塚ゾーン」「百錬自得の極み」が吸収され試合は長期戦に.....
と書くと、本当にテニスの試合をしているのかどうか、初見の人には疑われそうですね(笑)
「百錬自得の極み」については下の動画の最後のほうをご覧ください。
説明してくれてます。


唐突に手塚の回想が始まる。
原作知らないと、これはお手上げかも。
腕の怪我を克服するまでの自問が曲になっているのだが、滑舌のせいで、いまひとつ何を言ってるかさっぱり。
声はいいのにね。
音と後ろの暗幕で雨を再現。
降りしきる雨の中、手塚の腕を心配し、「もう試合を棄ててくれ~♪」青学メンバーが歌う。
「でも部長はあきらめたりしないよね」の流れになり、結局は手塚が勝利。

雨で試合は順延となり、皆が退場した後、舞台には不二と跡部が残る。
「この雨が恵みの雨なのか、それとも…」といった内容なのだが、これまた歌詞がうまく聞き取れず。
上の動画ともども、「テニスとは…」をニコニコにうpしてしまうほどすきなのだが、期待していただけに残念。


雨音の中、幕が上がると、菊丸と共に練習する大石の姿が....
って、本当に雨!!!
上から大量の水が降り注いでいた(マジです)。
やりやがった....!
ここで第一幕が終了し、15分の休憩。
いかにシートが敷いてあったとはいえ、15分で雑巾がけでもしてるのだろうか....

宍戸・鳳vs大石・菊丸戦
ゴールデンペアのオーストラリアンフォーメーションを破るのに、鳳が宍戸のすぐ真後ろに立つ、アッー!なフォーメーション。
観客席からはやはりクスクス笑い。
宍戸・鳳の歌の後、マッチポイントになると、唐突にゴールデンの回想が始まる。
暗転し、ステージ奥のコンテナに2人が座っている。ちょっとびっくり。
原作知らないと、「試合中に何やってんだお前ら?」ってことになりかねない。

問題は、あれです、シンクロです(笑)
これどうやってミュージカルで再現するんだ。
jm14-4
jump_tennis_synchro1
jm15-6
jm16-1
























どうでしょうか?
テニプリ史上もっともカオスなシーンのひとつです。
全国大会編はいろいろと無茶をやってますが、その中でも最たるものの一例だね。
宍戸の恐怖に引きつった顔がなんとも.....
「何なんだよ お前ら!?」
...ごもっともですf^^;

これを舞台の上で再現するわけです。並大抵のことではない。

が、しかし、ゴールデン・ペアはやってくれました。
マンガに描かれるようなものではありませんでしたが(笑)

ちゃんと舞台の上でシンクロした動きをしたのです。
直前までまったく同じ動きでどちらがボールを打つかわからない....
実にすばらしい演技をしてくれました。
これは単純にほめていい、実に良かった!

シンクロを前に「あれは何なんだ」的な歌を歌った後、結局宍戸・鳳の勝利で決着。
ここで青学が負けないと跡部まで回らないからねf^^;
宍戸・鳳ペア、ゴールデンペア、乾・海堂ペア、この先の話ではもうあんまり見れないのは残念。好きなんだけどな。
宍戸・鳳は試合自体無い。
ゴールデンペアは四天宝寺戦出ないし、決勝ではひどいカットをされたので。
乾・海堂ペアはここまでの活躍はどこへやら、決勝では悲惨な目に....(いや、面白かったけどさf^^;)


跡部vsリョーマ戦
KYなジローがなんともいい。これ以前の場面でもちょこちょこセリフやムーブがあったけど。
試合がない分このくらいはやっぱりね。目立ってほしいね。
タカさんは残念でしたが...

そして二人して高笑いの跡部とリョーマでしたが、無難でした。
もっとはっちゃけた感じでやっちゃってもいいんじゃないかって気はするけどね、まあ、しょうがないか。
「無我の境地」で繰り出す技は背景の暗幕にいろいろ映し出されて演出されていました。ビッグバンとかバイキングホーンとか風林火山の「火」とか。
また、初見の方は本当にテニスをしているのかと思うでしょうから、説明しますと、「無我の境地」とは「脳裏に焼き付いた様々な選手のプレーを身体が直接反応し ランダムに放出する事で 予測不能な動きを実現している」ことだそうです。
原作ではオーラが出るのですが、ミュージカルでは上手か下手に立って、煙と効果音で表現されます。

...で結局問題は跡部の「氷の世界」
jm20-3
jm20-4









「ほうら 凍れ」
「その氷柱(つらら) 一つ一つがテメーの弱点だ!」
これまたテニスの試合とは思いがたいセリフが出てくるのです。


だが、それでも!!
演出と照明さんががんばってくれた!
跡部の「氷の世界」は、音と照明で表現。
効果音はガラスや氷が割れるような音。
氷柱=越前の死角は、青のスポットライトをそのつど使うことで。
良かったです。ここまで再現してくれるとは。
「氷の世界」の歌も、寒々とした感じ、鋭利な氷柱の雰囲気が出てました。
新しい跡部役の人も、なかなか良かったです。少々堅かったけど。

....でさらに、問題があるんです。
この試合、照明灯が突然落ちてきます(笑)
jm25-2

ですが、これも再現してくれました。

つまり、本当に照明を落下させたのです。
上に吊り下げた照明(らしきもの、というか模型)を落とし、その途中で照明を落とす(電気を消す的な意味で)という方法を使いました。
ここまで忠実にやってくれるとは、実に心にくい。スタッフの方々お疲れ様です。

果てしなく続くタイブレークが続くのですが(久々にテニス用語が出てきた気がする)、「果てしなき戦い」を歌った歌も良かった。
「あいつこそがテニスの王子様」のような、集大成的できれいな盛り上がり方ではないけれども、果てしない死闘という感じが表現されてて、なかなかいい盛り上がりでした。
リョーマの「俺は燃えるぜ」を繰り返す歌もありました。
試合の無いタカさんの歌いそうな歌ではありましたがf^^;
4代目リョーマは可愛いらしいです。
リョーマというキャラは、傍若無人かつ天才すぎて好きではないんだけど(技も無我の境地も...)、舞台で見ると声が高めなせいか、可愛げがちゃんとある。
倒れたリョーマが、青学レギュラーから教わったことを回想するシーンも普通に良かった。

リョーマが勝利し、「気絶してなお君臨する」跡部様は、3分以上静止したまま立ち続けていました。がんばった!
断髪式は自分が見た回は無し。
樺地が照明をきったので、バリカンを手にしたリョーマは「ええっ、そんな~。」

試合後の比嘉の二人。
我々も練習だ!と意気込む木手。
木手「まずは3日間の断食です。」
田仁志「そんなぁ、やせちまうやさー」

そしてやったら爽やかな曲で終了。
折々の四季を歌い、そして悔いが無いことを歌い....
なんてスポーツマンシップだ...!
と思ったんですが、いくらかまともなスポーツをしてたのは最初の2試合だけだったような(笑)
一度幕が降りた後は、出演者が登場し、そしてF・G・K・S(だったよね?)の流れで終了となりました。
木手のダンスはさすがだし、田仁志は巨漢のわりに動きが意外に軽快でした^^
田仁志が1年トリオを威嚇して、沖縄弁(チャップリンが「独裁者」で似非ドイツ語でヒトラーの真似をしたみたいな)でまくし立てまくるところが、良かった。
この二人は本当に、原作通りのキャラを舞台に持ってきたような感じでした。

総括すると、普通の芝居としても良かったと思うし、曲も真面目で手堅く、演出・照明はとってもよく出来てたと思います。
基本的にしっかりセリフは聞こえたし、昔よりも洗練されてきた感じ。
見ていて、単純に面白かった。
総合的な出来ばえもさることながら、何より原作の再現という点で優れていたと思う。
今まで、DVDやYoutubeで見た公演よりも、自分は好きかもしれない。


次は四天宝寺ですね。
今度はどうするんだろうなあ(笑)
↓これを舞台にするんだぜ? f^^;
jm65-7
jm66-1
jm66-2
jm67-1
jm67-4
jm75-2




























画像の出典:「テニスの王子様」許斐剛/集英社