馬車郎の私邸

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名曲紹介49:「降りしきる雨は蒼く」長沢ゆりか:苦い味わいをバラードと雨の情景に添えて

db-FMというワードに反応を示したあなたは、90年代のサブカルチャーシーンに通暁した方だとお見受けする。db-FMは架空の放送局からインターネット放送局へと移行した(現在は閉局)。今でこそネットラジオ配信は当たり前だが、コナミには先見の明があったと言えよう。

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長沢ゆりかさんといえば、「ときめきメモリアル」のCMソング、ラジオドラマ「もっと!ときめきメモリアル」などへのエンディングテーマ提供、ラジオ番組のパーソナリティとして知られている。ちょうど最近リクエストをお受けしたこともあり、梅雨の季節に「降りしきる雨は蒼く」を紹介するのは時宜にかなっているといえるだろう。

ちなみに、長沢ゆりかさんの代表的な楽曲の一つ「My Dear...」が「ときめきアイドル」における田中フランチェスカ (CV:和久井優)のカバーソングとしてAmazon Music Unlimitedでも配信されている模様で、「降りしきる雨は蒼く」と併せて聞いておきたいところだ。

「降りしきる雨は蒼く」は、「ときめきメモリアル ボーカル・ベスト・コレクション2」に収録されている。イントロは意外にもサイケデリックな電子音から始まるが、静かな立ち上がりから、落ち着いた展開のシックにまとまった楽曲に仕上がっている。

タイトルを生かしたサビの「降りしきる雨は蒼く私は独り こんな近くにあなたを感じても」はわかりやすいフレーズだ。冷たい雨をモチーフに、人のぬくもりを物理的にも精神的にも失う悲しみと組み合わせるのは、いかにも鉄板といえよう。長沢ゆりかのハスキーで切なげな歌声は、オーソドックスな歌詞の失恋ソングを引き立てている。呟き・囁きの双方の要素を備えた独特な歌い方は絶妙だ。

本曲はキャラソンではないが、「ときめきメモリアル」はそのタイトルとゲーム内容とは裏腹に、キャラソンで失恋を歌う曲が非常に多い。しかし、それは恋愛というものを美化もしないし、一方的に素晴らしいものとしても称揚しない誠実な態度と言えるのではないか。KONAMIはとにかくキャラソンに真剣なのだ。苦い味わいもまた恋愛の味である。