馬車郎の私邸

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ハイスピード&カオスで目が離せない!:「ノアTVマッチ」5/3、5/9、5/10【プロレス観戦記】

2020年05月03日 (日) "NOAH Stay Together" SHOWDOWN 〜SUGIURA-GUN vs KONGO〜 powered by ABEMA

シングル6番勝負とイリミネーションマッチの同日開催はプロレス史上でも異例ではなかろうか。面白い試みだ!DDTUNIVERSEとABEMAを活用してじゃんじゃん攻めの仕掛けを打ってくるNOAHから目が離せない!

杉浦軍vs金剛 シングル6番勝負 シングルマッチ
○大原はじめVS×仁王
14分39秒 ムイビエン

熟練対決。イリミネーションマッチを控えるだけあって、対戦相手にどのようなダメージを与えていくのかも、前哨戦シングル6連戦同日開催のユニークなポイントだ。とりあえず、「FLOWER」がたくさん聞けて嬉しい!

×吉岡世起vs覇王○
12分09秒 横入り式エビ固め

 スピーディな攻防が楽しめる一戦。覇王は体格が小さいだけに、ノア戦線での攻防を模索中だが、この日は持ち味を発揮へ。吉岡のクラッシュドライバーを阻止しつつ、華麗に丸め込んだ!

○桜庭和志vs稲村愛輝
8分12秒 デラヒーバフットロック

 キャリア2年に満たない稲村、鈴木秀樹、藤田和之、桜庭和志とレジェンド勢とのシングルを体験する幸運を得たが、それは実力なくしては得られなかったはず。期待先行の部分ももちろん込められているだろうが、受け身やグラウンド含む確かな技術もあると認められているのだろう。持ち前のパワーと体格差を活かしたが、桜庭さんの熟練の妙技に捕らえられた。これもとっても身になる経験になることだろう。将来が楽しみだ。

 ×NOSAWA論外vs拳王
11分26秒 P.F.S → 片エビ固め

拳王の対戦相手はややもったいないマッチアップに。とはいえ、論外も曲者。のらりくらりとフラストレーションを溜めさせる展開。しかし、拳王は冷静に受け止めて、P.F.Sでしっかり料理。

△レネ・デュプリvsマサ北宮
20分00秒 時間切れ引き分け

観客の雑音も声援もないということは、いつにもまして 相手を倒すためだけの戦いが展開できるということ。マサ北宮の監獄固めに対する異様なこだわりも堂々と発揮できる。大型レスラーに対する足攻めは理にかなっている。引き分けになってしまったが、デュプリの活動能力はイリミネーションマッチにおいて削がれることになったと言えるだろう。金剛の狙い通りか!?

○杉浦貴VS×征矢学
16分04秒 オリンピック予選スラム → 体固め

 征矢学の査定マッチなんて言い方は失礼だが、そのパワフルさが火を吹けば、NOAHトップのヘビー選手からの勝利も十分にありうると示してみせたのは確かだ。その肉体だけでなく、試合中に歯が折れても戦い続けた闘志は、称賛の一言だ。金剛ヘビー級4戦士の活躍に期待できそうな1年になりそうだ。

SUGIURA-GUN vs KONGO 6vs6 イリミネーションマッチ

稲村(19分21秒 スプラッシュマウンテン→エビ固め)吉岡
大原(20分33秒 ムイビエンクラッチ)稲村
征矢(24分23秒 弾道→エビ固め)大原
桜庭(31分40秒 足4の字固め)仁王
覇王(33分58秒 オーバーザトップロープ)杉浦
レネ(34分05秒 オーバーザトップロープ)北宮
覇王(36分01秒 横入り式エビ固め)NOSAWA
レネ(36分25秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め)覇王
レネ(38分38秒 オーバーザトップロープ)征矢
拳王(38分44秒 オーバーザトップロープ)レネ
拳王(46分43秒 エビ固め ※三角絞めを切り返して)桜庭

拳王選手1人残りで金剛の勝利

ポイントは、シングル6連戦を含めたトータルのチームワーク。ここはやはり、金剛に一日の長があったようだ。稲村が、ジュニアとはいえ、明らかに格上の吉岡世起から、正調の必殺技でフォールを奪ってみせたのは大きな躍進と言えるだろう。覇王は、持ち前のスピードで混戦をさらにかき回し、光っていたように見える。

拳王対桜庭も見応え抜群。スタンドの戦いからいつの間にか寝技の展開にするりと引き込んでしまう桜庭の魔力。芸術と言っていいだろう。拳王は対格闘技系選手では間合いの短い蹴りを使うが、この日は見慣れない正拳突きも使っていたように見えた。何か、日本拳法の引き出しをまだまだ隠し持っているかもしれない。最後は、一瞬の呼吸を捉えての抑え込みで、拳王が桜庭から3カウント。大きな勲章を手にした。

2020年05月09日 (土) GHC NATIONAL CHAMPIONSHIP SUGIURA vs NAKAJIMA

○丸藤正道、望月成晃vs大原はじめ、×吉岡世起
13分21秒 パーフェクトキーロック

吉岡は着実にNOAHのリングに対応してきており、大原との合体の動きのバリエーションも増えてきた。吉岡のシャープな蹴りが度々、前タッグ王者チームを襲うが、最後は丸藤のパーフェクトキーロックに絡め取られ、ギブアップやむなし。ハードヒットな打撃が多く、3カウント決着が多いNOAHだが、ここぞという極め技・絞め技を持つ選手も多い。吉岡選手は77kgと比較的軽量とのことだが、日常的にヘビー戦士との対戦が組まれるNOAHジュニアの戦いにも慣れが必要だろう。

○清宮海斗vs×小峠篤司
14分01秒 インディアンデスロック羽根折り固め

昔三沢光晴さんが時折使っていた技で、温故知新。清宮が小峠に繰り出したリバース・フルネルソンと正調インディアン・デスロックの複合技は合理的だ。足を使ってロープに逃れたり、全身を使い体を入れ替えることも出来ない。頸動脈は絞められ、両腕は極められ、"振りほどく"しか解決策が見出せない!(じゃあ、どう振りほどくんだろう)。決して技は多くない清宮だが、新たな武器だ。どの戦線に絡んでいくのか、次のテーマが気になるところ。

GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合

HAYATA、YO-HEY VS小川良成、鈴木鼓太郎
18分25秒 無効試合

HAYATAのベルト返上により王座空位となる

機は熟し真っ向激突のジュニアタッグ選手権試合。試合はYO-HEYと鈴木鼓太郎中心に展開し、YO-HEYが顔面Gを決めたところ、突如HAYATAが裏切りのトラースキック!飯塚さん以来(?)のタッグ選手権中の裏切り行為で無効試合が宣告。ジュニアシングル後の小川さんとHAYATAの握手の意味はこのことだったのか…?個人的にはこの4人ががっぷり四つの試合を見たかったので少し残念。

GHCナショナル選手権試合
×杉浦貴VS○中嶋勝彦
28分58秒 ヴァーティカルスパイク→体固め

中嶋勝彦が第2代選手権者となる

ハードヒットな凄まじい打撃の応酬はいつものことで、実に激しい戦い。この日のポイントはヴァーティカル・スパイクを切り返してフロントネックロックにしようとする杉浦に対して、中嶋が粘りに粘って、ヴァーティカル・スパイクに"切り返し返した"シーン。2発目のヴァーティカル・スパイクで中嶋がナショナル王座を戴冠。AXIZはシングルベルト2冠に。ナショナル王座の次の挑戦者が気になるところだが、個人的には鈴木秀樹との決着戦を望みたい。潮崎のGHCヘビーは、失冠するも全く衰えが見られずベルトに常に貪欲な杉浦か、これまた鈴木秀樹との決着戦にも期待してみたいところだ。

2020年05月10日 (日) "NOAH Stay Together" MUTA FANTASIA powered by ABEMA

第2試合:○鈴木鼓太郎、小峠篤司vs大原はじめ、×吉岡世起
12分17秒 エンドレスワルツ

試合後、小峠が突如として鈴木鼓太郎をKO!HAYATAの件を知らされてなかったなど不信感を募らせていた模様で、大原、吉岡に共闘を申し入れる。大原はやや困惑気味、NOSAWAが小峠にやや意地悪なマイクをしたものの、突如延髄斬りか何かをNOSAWAに吉岡が食らわせ、共闘を受諾。杉浦軍からは完全離脱となったかは不明だが、3人共野心をみなぎらせてジュニア戦線に集中していこうという意思表示であるということは確かだ。RATEL'SとSTINGERの抗争が爛熟していたところに、ジュニア戦線の再編は面白い材料。動きが早すぎるが、さらに面白くなってきたことも間違いない。

杉浦貴、○レネ・デュプリvs稲村愛輝、×仁王
7分46秒 ダイビングボディプレス→片エビ固め

 仁王は元々ガタイの割に俊敏な動きが得意だが、肉体改造後はさらにキレがましており、注目している。デュプリがパイルドライバー、デュプリドライバー、ダイビングボディプレスの3連弾で振り切って勝利。デュプリのような大型外国人の相手は、潮崎好みだろう。タッグ戦線の次の挑戦者も気になるが、シングル戦線も気になるところだ。

 

中嶋勝彦、谷口周平、×モハメド ヨネvs○拳王、マサ北宮、征矢学
12分02秒 P.F.S→片エビ固め

金剛ヘビー級3人衆の連携が光る一戦。征矢は、蹴りにもめげず、ショルダーネックブリーカー、デスバレーボムを披露。拳王はヨネから、セカンドからのギロチンドロップなどの攻勢を受けるも、ファルコンアロー、 輪廻からさらなる回し蹴り、蹴暴、P.F.Sの必殺フルコースでフォール勝ち。谷口対征矢は場外でも激しくやりあっており、抗争は必至か。

○清宮海斗vs×覇王
11分37秒 高角度ジャーマンスープレックス→体固め

 前日に続き、キャリアが上のジュニアとの戦い。グラウンド中心に、覇王のスピードにも対応。緩急をつけた戦いぶりだった。空中戦で分のある覇王は雪崩式フランケンシュタイナーなど難易度の高い技などで応戦。しかし、最後は強引に高角度ジャーマンスープレックスでぶっこ抜いて3カウント。前日のテクニックに続いて、パワーを見せつけた形だ。

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GHCジュニア・ヘビー級タッグ王座決定戦

小川良成、○HAYATA VS ×YO-HEY、タダスケ
3分02秒 両軍リングアウト 16分29秒 へデック→片エビ固め

小川良成&HAYATA組が第40代選手権者となる

スピード&ラフファイトの目まぐるしい一戦。場外、場内問わず、4人入り乱れて、あっという間にリングアウト。両軍収まらず、再試合も荒れ模様。YO-HEY、タダスケがほとんどHAYATAを捕らえて憎悪をぶつける展開。小川さんは要所は突くが最低限の関与。冷静だ。荒ぶるYO-HEY、タダスケがやや攻め疲れが見え隠れしてきた機を逃さず、へデックが炸裂し、HAYATAがYO-HEYから3カウントを奪った。試合後は、小峠、大原、吉岡が現れ、3軍抗争の様相に。ユニット再編の波で、ジュニア戦線が一気に加速してきた!

スペシャルタッグマッチ
○グレート・ムタ、魔流不死VS桜庭和志、×望月成晃
21分00秒 閃光妖術→体固め

ムタと未知の強豪・魔流不死が揃って毒霧を披露。桜庭に、グラウンドの展開を警戒させる布石か。夢の初対決であるムタ対桜庭でスタート、桜庭が片足タックルも、ムタはクロー攻撃などラフ殺法で応戦。対魔流不死でも、グラウンドに持ち込み、毒霧を警戒しつつも桜庭はアキレス腱固めで応戦。

魔流不死は、サミングからのアッパーで望月をダウン代わったムタはフラッシングエルボーからSTFに望月を捕らえ、望月のローンバトルが続く。魔流不死はフィストドロップ、ショルダークローで援護。ムタは帯やカメラ、魔流不死はスマホなどラフ殺法で二人雨を苦しめる展開。

望月は、片足式のドロップキックでなんとかローンバトルから脱出。桜庭は、魔流不死に対し、蹴りからアキレス腱固めへ。しかし、桜庭はタイトシャツを着ているものの、魔流不死の逆水平チョップの連打を受け、苦悶の表情。どうやら丸藤選手並みの逆水平の使い手と見て良さそうだ。

桜庭はムタに膝蹴りで攻勢も、ドラゴンスクリューの反撃を受ける。しかし、IQレスラー桜庭は膝十字固めの間に帯で足を結ぶ悪知恵を披露。この間、望月は魔流不死を脇固めで捕獲していた。さらには、目には目を歯には歯をとばかりに、桜庭と望月が合体で帯による首絞めをムタに敢行し、攻勢に!

だが、ムタは望月の蹴り足を捉えてドラゴンスクリュー、閃光妖術をヒットも桜庭がカットで救援。魔流不死はトラースキックで桜庭を排除へ。ムタが場外でスモーク用のボンベを持ち出すも使い方がわからず、魔流不死がレクチャー。その後、魔流不死とムタが誤爆した隙に、桜庭はムタを三角絞めに捕獲。しかし、魔流不死はボンベからスモークを大噴射。臨場を包む濛々とした白煙が晴れると、そこには緑色の毒霧に悶絶する桜庭が!

劣勢の望月に、ムタは蹴り足を捉えてドラゴンスクリュー、続く2度めの閃光妖術は望月がガード。望月が、反撃のバズソーキックもかわされ、なんとムタが火炎攻撃!!魔流不死が背後からのトラースキック、二段式膝蹴り(丸藤の虎王に酷似しているが…)でアシスト。とどめの閃光妖術が望月を襲い、3カウントとなった。

 【総括】GW商戦でもTVマッチを積極配信し、ABEMA、DDTUNIVERSEをフル活用するNOAHの方針はまったくもって正しい。プロレス史上のパイ拡大、競合からのシェア奪取に向け、矢継ぎ早に手を打つスピード感は見事だ。実会場からの興行収入はしばらく得られないが、今の種蒔きはきっと経済正常化の暁には実を結ぶだろう。リング上は爛熟したジュニア戦線の再編でさらなる混沌に至った。ヘビーはシングル2冠がAXIZの手に渡り、こちらも次の展開が楽しみだ。

さらに、新企画「NOAH“NEWた HOPE」の配信が決まった(ABEMAにて無料放送、day1 5月24日(日) 夜7:00、day2 5月31日(日)夜7:00)。清宮海斗を中心とした新時代のテレビマッチとのことだが、過去試合を流したりしなければ、1人で何試合もできるわけではない。もしかすると、かつてのプロレスリング・セムのような若手主体のテレビマッチ配信ではないだろうか。あるいはNOSAWAの言っていたIPWオープンチャレンジか…?期待は膨らむ。

我が家はアマゾンプライムとdアニメストアの組み合わせが機能しているので悩むところだが、将棋やアニメ・声優関連と言った分野のことも考えると、ABEMAプレミアムへの加入も考えたいところだ。3月中止の2試合はあえて払い戻しをしなかったが、これだけの試合を毎度毎度見せてくれるのだから、月々960円ならば、支援の意味を込めて準ファンクラブ代と思ってお布施してもいいかもしれない。

ABEMAの公式サイトはこちらから

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