馬車郎の私邸

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【観戦記】プロレスリング・ノア:杉浦軍興行「犬ども全員集合!後楽園で吠えろ!」19/12/27 #noah_ghc

ラーテルズ、金剛と続いた年末興行を締めくくるのは、杉浦軍興行「犬ども全員集合!後楽園で吠えろ!」。観衆:1139人と、ほぼ満員。南側B席の外周部を中心に空席はあったものの、悪くない客入り。平日でも後楽園が満員が理想だが、現状は種蒔きのためYoutube生配信も活用している最中だ。後楽園の超満員は当たり前、早めにチケット取らないとの意識が既存ファンの間に高まるくらいでないと、両国国技館や日本武道館の超満員興行には至らないだろう。今は仕込みの時期で3連続のユニット興行も、ユニークな取組だ。

第1試合 ◯拳王VS×力
6分24秒 P.F.S→片エビ固め

潮崎や丸藤を見慣れた身からすると、力道山3世とはいえ、力のチョップは物足りない。拳王が結果として懐の深さを見せた形だが、先の金剛興行後に決められた嫌味なマッチメイクが伏線だとは、この時知る余地がなかったのである…

第2試合
KAZMA SAKAMOTO、×岡田欣也VS◯マサ北宮、稲村愛輝
8分19秒 サイトースープレックス→体固め

金剛の北宮、稲村組が危なげなく料理。とはいえ岡田は元気いっぱいで将来が楽しみだ。巨大団体でないからこそ、若手の第1、第2試合が当たり前に見られる幸せがあるのかもしれない。

第3試合 ×清宮海斗、谷口周平VS◯潮崎豪、中嶋勝彦
23分23秒 豪腕ラリアット→エビ固め

1.4GHCヘビーの前哨戦だが、現タッグチャンピオンとのタイトルマッチ級の激闘になってしまった。最序盤で清宮のチキンウィング式フェイスロックがねじ切らんばかりに決まり、潮崎が左肩を負傷した模様で、尋常ではない状況に。清宮はダメージを見逃さず、エプロンサイドで断崖式のエルボードロップなど場外戦でも猛攻を仕掛ける。

さらに清宮の攻勢が続き、ジャーマン・スープレックスが炸裂。しかし、トップロープ上の攻防を制した潮崎が雪崩式のファルコンアローに切り返すも、この日的確なアシストを続ける谷口が、マイバッハボム・ツヴァイで潮崎を投げ捨てる。左肩が厳しい状況でも、とにかく闘志を失わず戦い続ける潮崎。

中嶋は、かなり二人に攻め込まれる場面が目立ったものの、谷口を抑えている間に、潮崎がかわされたあとの左腕ラリアットを清宮に決める。清宮のノーザンライトボム風のスラムを食らうも、続くタイガースープレックス狙いはなんとかこらえ、豪腕ラリアット2連弾で問答無用で清宮を大の字にして逆転勝ち!

防衛回数に数えても良いかもしれないくらいの激闘で、第3試合と思えないほどの白熱ぶり。とはいえ、7月に左肩関節亜脱臼左膝関節内側側副靱帯損傷で珍しく2度欠場していただけに心配なところ。

第4試合
RATEL'Sスペシャル4WAYサバイバーマッチ
×HAYATA、タダスケ、原田大輔、◯YO-HEY
12分41秒 YO-ROLL

同ユニットで手の内を知り尽くすだけに、慎重な序盤戦の立ち上がり。グラウンドの攻防をしていたら、突然顔面をトラースキックが襲ってくるなど、たしかに恐ろしい状態。裏切りと協力の繰り返しから、YO-HEYが巧みに愛妻HAYATAを丸め込こんだ。悪い男だ。ラーテルズは2019年初は一時的にYO-HEYが離脱したものの、なんだかんだ言って元サヤに収まってしまった。このユニットが中核になって、ノアジュニアを盛り上げている実績があるものの、はたしてて2020年はどうなるか注目だ。

第5試合 大原はじめデビュー15周年記念試合
大原はじめ、◯ウルティモ・ドラゴン、越中詩郎VS×NOSAWA論外、MAZADA、FUJITA
10分50秒 ラ・マヒストラル

大原選手は、桜庭和志ともプロデビュー前にご縁があり、オカダ・カズチカとも実は同期ということでウルティモ・ドラゴンともご縁があり、越中詩郎とも実はご縁ががあるということで嬉しい15周年6人タッグマッチだ。東京愚連隊も良い連携で会場をわかせ、ルードの役割を担って良い仕事をする。6名ともに持ち味を発揮して、ウルティモ・ドラゴン師匠の切れのある丸め込みがズバリと決まって、濃密な試合でした。

第6試合 シングルマッチ
ドクトル・マルフジJr.VSイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.
8分42秒 ロープに足をかけてのエビ固め

忘年会で多忙な丸藤選手に代わり、謎のマスクマンが登場するが、マスクを剥がされ正体が顕に。いつもの丸藤ということで、虎王を手がかりに体格に勝るワグナーJr.を攻略し、レフェリーのブラインドをついたロープに足をかけてのエビ固めで料理。ずるいっ!(笑)

第7試合 タッグマッチ
杉浦貴、桜庭和志VS藤田和之、鈴木秀樹
19分51秒 ノーコンテスト ※金剛の乱入

往年のファンも垂涎のメインイベントは、桜庭対鈴木秀樹のグラウンドの攻防でスタート。固唾を飲んで食い入るように見てしまう。藤田和之とも桜庭はグラウンドの攻防を展開。体格差が純粋にかなりあるのだが、とにかく桜庭が三角絞めやヒールホールドなどに滑らかに引き込む様はまるで魔術のようだ。

5分以上戦い続け、流石にお疲れのようで、桜庭は杉浦にタッチ。杉浦対藤田和之という、これまた興味深い組み合わせに。藤田がたやすくバックを取るものの、細やかなグラウンドの攻防が続き、杉浦がダブルリストロックに切り返して、これは解けないと見た藤田がロープブレイク。

ここからは、杉浦対鈴木・藤田の肉弾バトルが展開。藤田の厚みのある肉体の圧、ナチュラルパワーはいやはやすごい。杉浦も切れのあるスピアを鈴木に炸裂。代わった桜庭がグラウンドの落ち着いた展開に持ち込むが、鈴木が頭突き連発、ボディスラムに行こうとするが、これを切り返して桜庭がスリーパー。しかし、鈴木も豪快、ワンハンドバックブリーカー!

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藤田が剛力で攻め込むも、桜庭が柔軟に腕固め。エルボーやフロントキック連発に対し、藤田は凄まじいぶちかましで対抗。二人がかりのエルボー連打(かち上げ式含む)。豪快パワーボム、からのパントキックを回避して、アンクルホールド。ジャーマン・スープレックス。藤田はバックドロップで応戦。さらに駆け込んでのラリアット!

抱えあげての大技狙いを利用して、杉浦が藤田をフロントネックロックに切り返して、捕獲!藤田の巨体が徐々に力を失ってく。桜庭は救出に入らんとした鈴木をアームロックに捉えて援護し、決まるかに見えたその時!金剛軍団が乱入!北宮が杉浦をベルトで殴打。覇王が桜庭に毒霧!大乱闘に陥るまさかの展開と思いきや、嬉しい延長戦に突入!
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延長戦
◯杉浦貴、藤田和之、鈴木秀樹vsマサ北宮、拳王、×稲村愛輝
16分09秒 オリンピック予選スラム→体固め

大乱闘から、北宮が杉浦に対して、場外で首絞め・噛みつきのラフファイト。場内でも、拳王がフェースロックなどを中心に攻め立て、稲村も当たりが強い肉弾攻撃、北宮はさらなるラフ殺法で容赦のない追撃。拳王の厳しいソバットから、額の傷を踏みにじり、さらにはナックルと蹴りの連射。しかし、杉浦はキチンシンクで脱出。

代わった鈴木がショルダー・ネックブリーカーなどで攻勢。目突きを含めた顔狙いで不穏な雰囲気に、拳王が細やかな殴り蹴りを巧みに使って間合いをコントロールし、一時マウントを奪う不穏な攻防が見られた。鈴木は大技ツームストンパイルドライバーを炸裂し、タッチへ。北宮対藤田の大肉弾バトルでは、大・藤田コールが。フロントチョークに北宮を捉えて優勢な試合運び。

援護を受けた杉浦は2試合目にも関わらず、エルボー連打、ランニングニー連打に雪崩式ブレーンバスターなど得意の技を元気に叩き込む。北宮も負けじとラリアットなどで応戦。最終的に試合の権利は稲村に託され、ベイダーアタック連発に、金剛のトレイン攻撃が波状攻撃が杉浦を襲う。拳王のコーナーからのダブルニー、北宮のセントーン、稲村のボディプレスのコンボ攻撃に、
更には豪快な巨弾・ダイビングショルダーアタック!

キチンシンクで状況を打開した杉浦に、頼もしい援軍が加勢し、なんとここで藤田、鈴木、杉浦によるエルボー地獄の惨劇、さながらただの暴行現場。だが、それでも稲村は倒れず。.、粘りと執念を見せる。藤田の張り手から、杉浦のニーもフォールはカットされる。

五輪予選をこらえて、ハンマーパンチとエルボー合戦も、なんと稲村が頭突きを交えて打ち勝ったあと、強烈なぶちかましから、ブラックアウトっぽいパワーボム狙いであわやの場面を作り出してみせた。しかし、杉浦はジャーマンスープレックスで反撃。稲村はなおも食い下がり、ハンマーパンチ連打で食い下がるも、ここぞというときに見せる左のカウンター・ラリアットから、オリンピック予選スラムが高角度で決まり、稲村轟沈。

2試合を戦い抜いた杉浦もさることながら、デビュー2年に満たない稲村もまた際立った試合になった。試合後は杉浦軍で記念撮影。なんとここで杉浦軍加入を直訴していた岡田が、「入っちゃえ!入っちゃえ!」の観客の後押しを逃さず、鈴木らの招きにも乗じて、ちゃっかり記念撮影に加わる。しかもこのメンツに、スペースの都合もあったとはいえ、寝そべって見せる(最終的には、おすわり、の状態になった)豪胆さ。この男、何かを持っている…!照れ照れで恥ずかしがる藤田和之の様子も貴重な状況で楽しくハッピーエンド。

元気な若手、強すぎるおっさん達、円熟期に突入している中堅選手たち、個性豊かなフリー選手と陣容が良い意味で煮詰まってきたNOAHの方舟。会社の試みも様々に実践されてきており、2020年も期待できそうだ。

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