「愛は勝つ」というと累計売上201.2万枚のダブルミリオンセラーとして有名だ。シンガーソングライターKANはこの曲で1991年に第33回日本レコード大賞を受賞し、第42回NHK紅白歌合戦にも出場した。今の時代は音楽CDアルバムをまるごと買うのでなく、曲単品の指名買いかストリーミング配信サービスで気ままに聞くため、アルバムの曲に入っている曲になかなか偶然の出会いは少なくなったのではないだろうか。
KANに興味を持ったのは、吉住渉の「ママレード・ボーイ」の前のヒット作品「ハンサムな彼女」で度々「言えずのI LOVE YOU」という曲が言及されていたからだった。1990年発売のアルバム『野球選手が夢だった。』には「愛は勝つ」、「言えずのI LOVE YOU」も収録されており、さらに耳に止まったのが「恋する2人の834km」だった。明るく軽妙で爽やかなポップチューンで、聞いてて心地よい。
この曲の歌詞(KAN『恋する二人の834km』歌詞)で示唆されているのは札幌ー東京間の834kmだが、名曲紹介1:遠距離恋愛といえばこの曲! 前田千亜紀「Twilight Express」の記事で紹介したとおり、自分も大阪ー東京間の約800kmの遠距離恋愛なるものを体験した。難波の支店はとても飲み会が多くこの歌に出てくるような「酔ったふりでちょっと抜け出しいつもの長距離コール」は特にしなかったが、初めて彼女ができたときに若気の至りでサークルの合宿を抜け出して「声が聞きたくなっちゃって♡」と電話をかけてみことはある。が、妻は特にそんなふうに電話をかけてきたことはなかったし、そういうことが似合うわけでもない(もしそういうことがあればギャップによってより好感を得ただろうに)
携帯電話、インターネットやSNSがある現在では、1991年当時の遠距離恋愛に対する感覚はもう重みが薄れてしまったことだろう。だが、しかし遠距離恋愛に臨む恋人たちの思いそれ自体は変わらないはずだ。
「君の空にも僕と同じ星が光っている
ほらね遠くじゃないはずさ
たった834kmくらいで僕の気持ちは変わらない」
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19:20~
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