馬車郎の私邸

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名曲紹介10:伝説のメインヒロインの真髄は渋いバラードにあり!:「せつなさのかけらたち」(金月真美as藤崎詩織)

名曲「フィフネルの宇宙服」や、コナミがただちに「ときめきメモリアル5」を開発・販売すべき5つの理由について書いたので、余勢を駆ってこの曲も紹介してみよう。ときめきメモリアルのメインヒロイン、藤崎詩織役の金月真美(敬称略、以下同)歌唱、「せつなさのかけらたち 」(作詞 - さゆ鈴 / 作曲 - M Rie / 編曲 - 内藤慎也/ ギター:松原正樹/サックス竹内良成/コーラス:宮島律子、理絵)だ。

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この曲は、 1997年8月に発売された『ときめきメモリアル ボーカル・ベスト・コレクション4』の収録曲で、元は前年12月に発売されたセガサターン版『ときめきメモリアル』本編サウンドトラックにボーナス・トラックとして収録された。「藤崎詩織イメージソング集 たいせつな君へ」(2002年2月14日発売)にも再掲された。

藤崎詩織といえば、高水準なパラメータが要求されるため、その攻略難易度の高さからラスボスとも言われ、幼馴染でありながら好感度が低い時には「一緒に帰って噂されると恥ずかしいし…」とすげなく誘いを断るセリフはあまりに有名である。最近では、コナミの新作アーケード「ボンバーガール」でも強キャラとして存在感を発揮していると伝え聞く。だが、ステレオタイプ的な理解ではあまりにも浅い見方にしかならないだとう。実際には心根の優しい女の子で、情を内に秘めている。そうした部分はイメージソングで様々に表現されている。

今回紹介する「せつなさのかけらたち」は「ときめきメモリアル」というタイトルがまるで嘘のような渋いバラードだ。愉快な曲もある一方で、ときメモのキャラソンの大部分は、恋愛に真正面から向き合った正統派のラブソングである。本曲もそうしたなかで出色といえよう。

まず、特筆すべきはキーボードをメインにしたシンプルながらも奥深い楽曲だ。ストリングス、ドラムスの伴奏もなんとも絶妙だ。間奏のサクソフォンのソロはは非常に味わい深い旋律で実に聴き応えがある。しっとりとしたバラードに仕上がっていて、何度聞いても飽きない。

歌詞も曲調と同様、しっとりと落ち着いている。キーフレーズはサビの「せつなさはいつもいつも 憂鬱と隣り合わせね」だ。「憂鬱」の部分は、2番は「戸惑い」、ラストサビでは「思い出」「幸せ」に変わる。「せつない」を辞書で引くと、悲しさや恋しさで、胸がしめつけられるようである。やりきれない。やるせない、などとある。

こうした思いは必ず恋愛についてまわり、周辺の感情とも関わり合うさまを、飾らない言葉でうまく描写している。金月真美の上品な歌声と渋みのある曲調で、歌詞がじわりと胸に染み込んでくるのが心地よい一曲と言えよう。
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