土曜朝には、2つのカードゲームアニメがテレビ東京で放映されている。7時半からは「遊戯王GX」の再放送、8時からは「カードファイト!! ヴァンガード」が放送されている。
しかしこの2つのアニメ。監督も同じ(辻初樹さん)、カードゲームであることも同じなのに、あまりにも大きすぎる違いがある。細かく述べると、あまりにもありすぎるから、ここ最近の話から具体的に紹介しよう。
例えば、前々回放送の「遊戯王GX」 第138話「 覇王降臨・死の決闘者たち」
全くこのアニメを知らない人はこう思うだろう。「覇王?」と。平和なカードゲームアニメには、おそらく出てこない名前だろう。すわ強豪プレイヤーの二つ名か?と、せいぜい思うくらいである。
しかし、実際のところ覇王が降臨してしまったのだからしょうがない。
覇王の配下たちが、覇王に戦況を報告するところによると、
「東部方面、制圧完了」
「北部も我らが支配下に。」
「西部方面の制圧も時間の問題かと。」
といった具合である。これは何のファンタジーアニメ?いや、北斗の拳か?と思ってしまうところだが、これは遊戯王GXである。
どうしてカードゲームがこんなことに…
鬱展開になっていく経緯については以前書きましたが、とはいえカードゲームアニメにはよくあることです。
その一方で、「カードファイト!! ヴァンガード」は、ずいぶんと平和なカードゲームアニメである。まず驚いたことに、先攻・後攻をじゃんけんで決めている!(遊戯王のアニメでは、「俺のターン!ドロー!」と宣言してカードを引いてしまえばいい)
他にも、顔芸の類や、狂気じみた笑い声、ヤンデレ発言連発などがカードゲームの最中にないというのは、あまりにも斬新だ。また、バイクとの合体する登場人物がいないどころか、バイクに乗りながらカードゲームをしているやつがそもそもいない点は極めて新鮮である。
ところで、ヴァンガードの主人公は、描写のされ方が完全に乙女な先導アイチくん。このアイチの妹に一目惚れしてしまった葛城カムイは、アイチを「お兄さん」と呼ぶ。しかし、ニコニコ動画のコメントではすかさずコメントが入る。「※お姉さんです」と。主人公というよりもはやメインヒロインである。ライバルキャラの櫂トシキは完全に彼氏扱いでコメントされており、別に腐女子の方々がコメントをしているわけでもないのに、BL前提で捉えられている。実際のところアイチくんの乙女ぶりにはかなりの視聴者がショタに目覚めてしまったのではないかと想定される。
まあ、結局両方良いアニメなのだが、土曜朝に続けて見ると、そのとんでもないギャップを愉しむことができるだろうというわけだ。
カードファイト!! ヴァンガード 第13話「決着!ショップ大会」