遊戯王GX放映終了10周年について

遊戯王ＧＸは名作である。人気の出た原作に対してオリジナルの続編でアニメを作るのは難事業であったろうが、遊戯王ＧＸの成功のおかげで、放送終了後10年経った今も遊戯王のアニメ、トレーディングカードゲームも続いている。

カードゲームの販促アニメとしてリプレイ集的な側面が強まったため、軽快でスピーディな展開でデュエルは描かれた。原作の進捗を気にしなくてよくなったため、シリーズ構成もよくまとまっている。ストーリーや演出もコメディからシリアスまで満遍なく、触れ幅豊かに描かれたアニメ作品に仕上がっている。

3年半の長い放送期間のおかげで、学園ものという設定から明るい雰囲気で始まった一方で闇へと落ち行く展開が実に映えた。そう、18時（午後6時）に放送されていたことを揶揄して深夜42時アニメと言われるくらいに……

個性がある意味で強すぎるキャラクターたちが動き回った結果として、一つの群像劇が生まれた。それは時折超展開も珍しくない事態にもつながったけれども、全体としては幅広い層に楽しまれる良い作品だったと思う。

近年の作品は1クールの13話の作品が主流で、幸運な作品は2期、3期、劇場版が制作されることはあれど、作品の最後までの内容がしっかり反映されてまとまることをあまり期待することはできない。そういた状況下で、原作なしのオリジナルアニメでありながら（もちろん高橋和希先生考案の設定やキャラデザは反映されているが）全180話の長い作品の成功例として、遊戯王GXという作品は再評価されるべきであろう。

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