馬車郎の私邸

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名曲紹介42:「ヒーリングっど・プリキュアTouch!!」/北川理恵『ヒーリングっど・プリキュア』OP:1年使う大切な主題歌は円熟の極み!

FullSizeRenderヒーリングっど・プリキュア」は通算17作目にして、15代目のプリキュアだ。私としては、まほプリ以来のリアルタイム視聴だが、主演声優の悠木碧贔屓である点を割り引いてみても、作品として好感が持てる。内容シリーズとして円熟の極みに達しているように見える(村井かずささんが出ている点も隠れたポイントだ)。丁寧な人物造形や性格描写、ストーリー進行などが奏功したと見え、作品は好発進を切った。

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もちろん、オープニング主題歌「ヒーリングっど♥プリキュア Touch!!」( 歌:北川理恵 作詞:こだまさおり 作曲:高取ヒデアキ 編曲:籠島裕昌)も魅力的に仕上がっている。作品の顔として1年ずっと使われるにふさわしい出来栄えで、総合的にクオリティが高い。歴代屈指と言えよう。

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伸びやかで起伏に富んだメロディに、伴奏のバラエティ豊かな音も耳に楽しい。覚えやすい曲調で、緩急もついて、聞いてて飽きない。全体的な明るさの中にも、ほのかな憂いを帯びた部分もあったりして、よくできている。

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疫病と経済危機が世界を蝕む時代にあって、人々は肉体的にも精神的にも癒やしを求めている。「ヒーリングっど♥プリキュア」は時代に即したコンセプトのプリキュアなのかもしれない。

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OP映像のなかではAメロ・Bメロにおいて、楽しそうな日常が印象的だ。癒やしといえば、甘いもの、お風呂に足湯、ショッピングと定番どころをバッチリ抑えている。

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まさに、「光浴びて、笑い合って、生きてるって感じ」の歌詞に即した映像づくりで、明るい雰囲気だ。しかし、ここから一転、Bメロ後半は仕事である「お手当て」の戦いに向かう動きへと歌詞も映像も移行する。

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サビは、まさに圧巻の一言。きらびやかなフレームの中で、変身後の姿での格闘シーン、変身前の姿での不思議生物との戯れを同時にミックスしている。立体的かつ躍動感も半端ではなく、見ごたえがある。3人がステッキを構える一枚絵も、実に凛々しく引き締まっている。

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続いて、キュアグレース/花寺のどかが敵幹部ダルイゼン(c.v.田村睦心)との爆炎を伴う攻防の末、交錯するシーンも注目だ。ここでの歌詞は「この出会いが運命」であり、二人がただならぬ因縁にあることが示唆されているからだ。作品展開上、大きなキーポイントになりそうだ。

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敵幹部3人と大ボス勢揃いの定番カットの後、荒野に力強く踏み出していくプリキュア3人は自信に満ちた風格が漂い、頼もしい。3人の歩みの後が、不毛の大地が美しい緑の風景へと変わっていくさまも幻想的だ。

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キュアグレース/花寺のどかが、最後に変身を解きながら振り返るシーンは最も印象的だ。アニメーター渾身の仕事と言えよう。髪がふわっと揺れる様子が絶妙で、実に細かい表現だが、まさに職人技だ。もはや官能的とさえ言っても過言ではない。

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最後の締めくくりは、楽しそうな様子というわかりやすい構図。OP映像はベタに落とすのがやはりいい。今回のOPは、一枚絵を挿入するのが特にうまい印象がある。度々、随所で言葉が途切れる小休止に効果的に使っている。

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以上で、曲やOP映像の解説をくどくどと述べてきたが、要はこの楽曲を見て・聴いてほしいってこと!プリキュアはバンダイナムコが誇る年商100億円を誇る巨大産業だ。大人たちのプロの仕事が、OP一つとってもしっかり丁寧に濃縮されている。コロナウィルス感染症や某ワニの拙劣なマーケティングキャンペーン騒動の喧騒に疲れた折、「ヒーリングっど・プリキュアTouch!!」に耳を傾けて癒やされてみませんか?

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北川理恵, Machico
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