ときめきメモリアル2（PS、コナミ、1999）、20周年でも色褪せない本格派の続編！【思い出のゲーム：3】

1999年11月25日、CD-ROM5枚組（！）の大作ソフトが発売された（思い出すと良い、FF8は4枚組だ）。すなわち、「ときめきメモリアル」の続編「2」である。容量増の元凶であるEVS（Emotional Voice System）は意欲的だったが、当時としては発想が早すぎたのかもしれない。だが、そうした点を踏まえても、続編として及第点どころか、手堅い正統進化の続編と言って差し支えないだろう。

私は2003年頃にプレイを始めたため、リアルタイムでは体験していない。しかし、チャットや掲示板において当時を知る人達から「1」も含め往時の体験を聞いたのは良い思い出だ。ゲームにおいて「2」は名作になることが多い（「3」は鬼門だが、冷静に見れば十分な出来であることが多い）。この「ときめきメモリアル２」はまさに本格派の続編だ。

システム面はそう大きく変わらないものの、ボリュームアップされており楽しい。育成ゲームの面白さは不変だ。おなじみのパワプロ（この比喩の因果関係は本当は逆なのだが）のようなパラメータ上げのシステムは前作よりも調整が効いており洗練されている。女の子も裏ではパラメータ上げの行動を取っており、応援しに来てくれることもある。3Dで動くミニキャラもとても可愛らしい。

天候のパターンも増えたために、女の子の服のバリエーションも増えている。表情も豊かになった。また、「幼年期編」はドラクエ５のように本編に思い入れのようなものを付加してくれる。キャラクターデザインはアニメ寄りになったように見えるが、キャラ立ちが凄い（一例として水無月さんについて以前書いた）。月並みだが、「個性豊か」という言葉こそふさわしい。しかも、3人の隠しキャラまでもがユニークだ。

バトルシステムも進化している（そう、「ときメモ」にバトルはつきものなのだ）。グラフィックはまるでFF8のようだ。前作同様、同じ地域（場所）でのデート3回で不良と、あるいは修学旅行で女の子を守るための戦いはお馴染みだ。さらに、今作では、特定キャラのシナリオで多数の番長との戦い、そのうえ、親友キャラ2人共と展開によっては女の子を巡って戦うことになるのである。

おまけのミニゲームも楽しい。本編以外でもできるようになっている。本編の縁日でできる「型抜き」「金魚すくい」も面白いが、本編の文化祭で出来る本格的なシューティングゲーム「スペースリングファイター」はさすがコナミ！という出来栄えで、私も夢中になった。ドラマシリーズ「Substories」では、ボーリングだけでなくダンスダンスレボリューションもやることになる。

さて、最後になるが、「ときメモ2」最大の魅力は音楽であると改めて強調したい。プロデューサーのメタルユーキ氏は元々「1」のBGM、作曲担当だ。「2」の楽曲もどれも、気合が入っている。本編のBGMはとても綺麗だが、著名なクラシック楽曲のショートアレンジも入っているのも特徴だ。

豊富なキャラクターソングは名曲揃いで、その価値は今なお色褪せない。「2」も、3桁を超えるキャラクターソングを生み出した。6本のボーカルトラックスアルバム、各キャラクターごと10枚の「Blooming Stories」がその中核である。特に「Blooming Stories」はユニークなコンセプトアルバムで、モノローグのほかにキャラクターごとにイメージの花・花言葉をモチーフにしつつ、キャラクターソング2曲とドラマシリーズ「Substories」のそれぞれのエンディングテーマが収まっている。

さて、私はゲームやアニメの関連グッズにはまず手を出さない一方で、劇伴やキャラクターソングに目がない。「ときメモ2」はまさにその"元凶"なのだ。高田馬場・CLUB PHASEや原宿・アストロホールの野田順子さんのライブ、新宿・厚生年金会館での「SUPER LIVE FOREVER」にも行ったのは良い思い出だ。

最近「名曲紹介シリーズ」と称して、軽いタッチの紹介エッセイを書いているが、その最初の楽曲として取り上げたのが、前田千亜紀（as佐倉楓子）「Twilight Express」　だったのは偶然ではない。

そういうわけで、これから毎日「2」の各キャラクターの代表的なキャラソンを紹介していこうと思う（あ、筆が滑って書いちゃった！書いたからには一通りやらなきゃなぁ…毎日は大変なので、"順次"で行きます。）。なんにせよ、コナミさん、１年前書いたとおり続編５待ってますよ！