馬車郎の私邸

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恋愛は面倒だが結婚はしたい

2日続けて、先回りして考えておきたい、結婚相手に求める条件、不安要素、そして人はどこでいつ出会い、どのくらい付き合って結婚にいたるのか?について検証してきた。今日のテーマは、「現代人の恋愛と結婚に対する意識」はどのようなものかだ。その結論は、「恋愛は面倒だが結婚はしたい」ということである。

今回もお世話になるのは、国立社会保障・人口問題研究所の2015年 社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)、内閣府の平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書だ。

20~39歳の男女を対象にしたこの調査では、恋人がほしい60.8%、恋人がほしくない37.6%となった。これについては、まあ、そうだろうといったところだ。逆に、「恋人が欲しくない理由」のランキングは以下の通りだ。
「恋愛が面倒」46.2%
「自分の趣味に力を入れたい」45.1%
「仕事や勉強に力を入れたい」32.9%
「恋愛に興味がない」28.0%
「友人と過ごす時間を大切にしたい」15.4%
「他人と恋人として交際するのが怖い」12.9%
「過去に恋愛で失敗した」4.5%

「他人と恋人として交際するのが怖い」12.9%、「過去に恋愛で失敗した」4.5%と、及び腰な人の割合は、意外に少ないようだ。「自分の趣味に力を入れたい」45.1%、「仕事や勉強に力を入れたい」32.9%、「恋愛に興味がない」28.0%、「友人と過ごす時間を大切にしたい」15.4%など、恋愛よりも優先順位が高いことがあるならそれに打ち込むのもまた良しと言えよう。

さて、気になる1位はなんと「恋愛が面倒」で、46.2%だ。NEWSポストセブンによると「恋愛はコスパが悪い」と考える方向に若者が進化中だという。宮台真司氏は「コスパの悪い、還元できないものを排除する若者ばかりになった社会がどうなるかは、心配な面もあります」と指摘している。数値化出来ず、費用対効果で測れないことに対して、コスパを考慮する発想が妥当かはわからない。けれども、恋愛は難事であることは事実だろう。

たしかに、恋愛ほど不確定な要素が大きいものはない。しかし、リスクがあるからこそリターンが得られるかもしれないのだ。この世にタダ飯はない。それに、面倒なのも当然だ。人の人生に本気で関わることがそうたやすいはずもない。恋愛は面倒に感じられるし、実際にそうだろう。だが、面倒さを引き受けてまで、好きでいたいかどうかが重要だと私は考える。そのくらい強い気持ちが芽生えるような相手に出会えた人は幸福だろうし、もしも添い遂げることができれば殊更素晴らしいことだ。

そもそも、恋はするというよりは落ちるものだ。恋に落ちれば、勇気を出して行動するのみだ。踏み出せない?自分には何もないから?いや、待ってほしい。勇気というのは、もともと有るのではなく、"出せば有る"ものだ。希望を呼び寄せるにあたって、勇気だけは絶対にあなたの味方だ。勇気を出して告白してみよう、意外とうまくいくかもしれない。こればっかりは前に踏み出さないと報われることもなかろう。もしもダメなら次の縁に期待しよう。

ところで、最近では生涯に一度も結婚しない人が増えていて、結婚はもはや嗜好品であり、追い求めるべきものではなくなっているという言説も存在感があるかと思う。しかし、調査では結婚する意志を持つ未婚者は減ってはいるものの、そこまで減り具合というのは巷間言われるほどは大きくはないようだ。

結婚する意志を持つ未婚者の割合は1997年から2015年にかけて次のように変化した。
男91.8%→85.7% 女92.9%→89.3%
男女双方で9割近い割合を保っている。大多数の未婚者は結婚願望を持っていると言えよう。

では、結婚したい理由を見てみよう。
「家族を持ちたい」「子供が欲しい」が70.0%
「好きな人と一緒にいたい」68.9%
「老後に一人でいたくない」49.3%(女性30代では68.2%!)

「家族を持ちたい」「子供が欲しい」が70.0%、「好きな人と一緒にいたい」68.9%と、順当なところだ。事実婚などの形も選択肢としてはもちろんあろうし、いわゆる「できちゃった結婚」は4組に1組くらいとも言われているが、結婚により世帯を形成し、家族を持ち、子供を持つというのがスタンダードな考え方として定着しているのは変わらないようだ。だから、結婚したいなら、私のように妻に生殖能力を疑われてはいけない。

また、結婚という社会規範の力を借りて、好きな人と一緒にいることをより確実なものにするというのも、大きな理由になっている。誰かと寄り添って生きていたいと思うのは至極まっとうなことだ。「老後に一人でいたくない」というのも49.3%と約半分を占めている。人生という現実を生きるための生活基盤を確立するという点でも、結婚は重要性があると言えよう。女性30代では68.2%とさらに高まるため、適齢期、焦ってくる時期というのも視野に入れて、恋愛から結婚を実現する時期を探っていくのも良いだろう。もちろん、必ずしも恋に落ちることを入り口にしなくとも良い。結婚を目的として関係構築を図っていくのも、人生の戦略としては十分に取りうる手段である。

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