馬車郎の私邸

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羽生善治九段に学ぶ恋愛と結婚の極意

本日、ドイツ・ホーエンツォレルン城での挙式から5年を迎えた。5周年を記念して、結婚をネタに一筆さらっと書いておきたい。

さて、将棋と恋愛・結婚というと一直線には結びつきにくいが、人間がやっている世界の話だから結びつけることは可能だ。たとえば、船戸陽子女流二段は自身の結婚について「私は四枚穴熊に自陣に馬まで引きつけていたにもかかわらず、彼の原始棒銀に寄せ切られてしまいました。至らない私たちではございますが、どんなときも互いを思いやる家庭を築いていきたいと思っております」と、うまい具合に将棋に例えている。

昨年の竜王戦、かつて王位のタイトルをとったこともある広瀬章人八段は、結婚から調子を上げて、挑戦者にのし上がったそうだ。受けて立つ羽生善治竜王はタイトル100期をかけた大一番だったが、広瀬竜王が爆誕した。ちなみに、「藤井猛九段 銀河天帝即位を祝して-私と四間飛車-」で書いたように私と妻は広瀬竜王と実は同大学・同学年である(もちろん面識はないが、在位中に広瀬竜王署名の免状を獲得したいものだ)。

20数年ぶりに無冠になった羽生善治"九段”(まだ慣れない)はというと衰え知らずで、王位戦の挑戦者を決めるプレーオフに臨み、最近では永瀬拓矢叡王を撃破し、通算1434勝を達成。大山康晴十五世名人が持つ勝ち数の歴代最多記録を27年ぶりに更新した。

その羽生善治九段であるが、名言が多い。たとえば、「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するであろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションを継続しているのは非常に大変なことであり、私はそれを才能だと思っている。」まさに恐るべき根気と執念で将棋に打ち込んできたことがわかる。

羽生善治九段が初めて名人位を獲得した頃のインタビューによれば、結婚については次のようなことを述べている。
―結婚に関しては持久戦の構えというお話でしたが、どういうタイプの女性がいいですか。
羽生「一言で言うとさっぱりした人がいいですね。気っぷがいいというか、あまり細かいところにこだわらない人がいいですね。付き合って気疲れしないですし。ただ、将棋を勝ってタイトル戦に出ている間は当分無理なんじゃないでしょうか(笑)」

そう、結婚とはまさしく「持久戦の構え」だ。言い換えると、"生活のための戦略的互恵関係"である。私達の場合は互いに未来を見据えて歩む関係を目指して、「ともに道を歩む(dem Weg gemeinsam gehen)」と結婚指輪には刻んだ。

また、羽生善治九段といえば、最近は奥様のTwitterによってその謎めいた生態が知られるようになり、本人が鬼畜眼鏡とか、うさぎおじさんとか呼ばれることもあるということを認識しており、将棋ウォッチャーからすると戦々恐々である。


夜寝静まった後に、うさぎの頭を撫でてから、可愛いねぇと語りかけ、爽健美茶を取りに行く棋界の第一人者は絵になる。「勝負師の安らぎ、爽健美茶」のキャッチコピーでCMを打つべきだろう。

以前に、友人の結婚を祝して夫婦円満の秘訣を考えた際に、うさぎと一緒に配偶者(の写真)を見るのが良いという話を紹介した。羽生家の夫婦円満の背景にはうさぎの存在もあるのかもしれない。

我が家はというと、ミッフィーのぬいぐるみを可愛がるのが夫婦円満の秘訣なのかはわからない。マッチングアプリ経由での結婚が珍しくないこの時代(もちろん、それが良くないというのではないが)、13年にも及ぶ友達付き合いが下地にあることは貴重で、夫婦関係においても盤石な基盤につながっているようだ。互いに思いやりを持ち続けていれば、その関係は強固なままで続くだろう。


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