馬車郎の私邸

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【観戦記】プロレスリング・ノア:三沢光晴メモリアル2019 in TOKYO /GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 19/6/9

第1試合:
齋藤彰俊・×井上雅央・長井満也VS ○モハメド ヨネ、クワイエット・ストーム、ロッキー川村
10分18秒 ファンキーバスターボム → 片エビ固め
小橋が冒頭で登場、大いに盛り上げ、いつもどおり楽しい試合で幕開け。

第2試合:ジュニアタッグリーグ公式戦
○宮脇純太・諸橋晴也VS大原はじめ×NOSAWA論外
大原とNOSAWAは熟練の手際で怒涛の攻め、ラフを交えつつ諸橋を的確に排除。バックブリーカーやジョン・ウーを受けるも宮脇、耐えに耐える。一本背負いから腕ひしぎ逆十字で大原に反撃。NOASAWAの攻めに決定打を与えず、粘ってから首固め4連発で NOSAWA論外からがっちりフォール勝ち!Hi69に次いで、自力勝利・ベテラン食い2人目!このリーグ戦で得たものは大きい!

第3試合
○拳王・マサ北宮・小峠篤司・稲村愛輝VS中嶋勝彦・谷口周平・×熊野準・クリス・リッジウェイ

真紅に身を包む金剛軍団が絵になる。話題のニューカマー・リッジウェイはザック・セイバー・ジュニアを思わせる華麗なグラウンドテクニックを披露。しかし、ヘビー級4人衆のリンチ・ストンピングにあってしまう…

谷口はエルボーにキレがあり、金剛軍団をちぎっては投げの大暴れ。稲村の上にほか3人をボディスラムで投げまくる。中島対北宮も熱い打撃の応酬を展開。

熊野は再三アルゼンチン・バックブリーカーを狙うが、拳王のスタミナを十分に削りきれておらず、軍団の連携攻撃の餌食に。北宮が担ぎ上げた後に前転式スラム→稲村がランニング・ボディプレス→小峠がダイビング・ボディプレス→北宮がセントーン→拳王がダイビングフットスタンプという鬼のようなコンボで、熊野が3カウントを聞いた。

熊野はもしかすると、金剛軍団に加わるのも面白いかしれない。向上心はあるだろうし、反骨軍団に活路を求めるのもいいだろうし、肉体の分厚さからするとあの4人と並んで"映え"るだろう。コスチュームも真紅なので変える必要もない。リッジウェイも続けて参戦してほしいところだ。

第4試合:
×田中稔、Hi69 VS HAYATA、○YO-HEY
14分42秒 スーパー顔面G → エビ固め

左自然気胸で5月は欠場していたYO-HEY。肺は病み上がりながら、稔・Hi69の容赦ないストンピング、プレスやクロー攻撃などを喰らい続けながらも、粘りに粘る。HAYATAの援護は稔・Hi69組のタッグワークの前に阻まれて苦戦。しかし、空中殺法に活路を見出し、ダブルニーアタック、ダイビングダブルニー炸裂で、YO-HEY大逆転!

第5試合
○小川良成・鈴木鼓太郎VS ×原田大輔・タダスケ
2分57秒 4の字式エビ固め
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ゴング前にやり合い始め、タダスケのダブルラリアットが乱れ飛び、小川さんのバックドロップ、鼓太郎のブルーデスティニーが早々に炸裂。その後も乱戦のなか、原田がジャーマンを繰り出したところを、小川さんがどさくさに紛れて足4の字固めに行くと見せかけ、巧みにエビに固めて原田を料理!目にも留まらぬ早業でございました…

勝ち点9でリーグ戦決勝進出を決めると、昔三沢光晴さんとの6人タッグで入場時に使っていたノボリを手に二人で勝ち名乗り。目頭が熱くなりました…

第6試合 三沢光晴メモリアルマッチ
○潮﨑豪VS×丸藤正道
17分6秒 豪腕ラリアット → エビ固め

序盤戦で潮崎のダイビングショルダーが早くも丸藤の虎王で撃墜される!場外戦でチョップ打ち合いで領野の胸は真っ赤に!丸藤は場外カウントリセット、その後潮崎のテーピングの左肩を再び場外で痛めつけ、エプロンサイドでは猪木式アームブリーカー、チョップを巧みにかわしつつ非情の腕攻め続行。しかし 、潮崎も幻惑ロープワークを読み、バックドロップからフィッシャーマンDDTで反撃!

コーナーに詰めてのチョップ乱打からラリアットも、再び丸藤が腕攻めでペースを取り戻す、完璧鍵固めへの布石だろう。左腕を離さない丸藤に対して、潮崎がチョップで反撃から、得意の打撃ラッシュを受けながらも、右を囮に左ラリアット!しかし、コーナーの攻防でトラースキックから不知火が決まり、エゲツない腕極め式の後頭部虎王を食らってしまう。

ポールシフト式エメフロ狙いを、潮崎はなんとかゴーフラッシャーに切り返すもフォールには行けず。リミットブレイクは昔のバージョンと異なり、これでは丸藤からの決め手にならず。パーフェクトキーロックで捕獲されるも。これを耐え忍び、辛くもロープに逃れる。
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丸藤の怒涛のラッシュが続き、背後からのトラースキック→虎王→背後からのトラースキック→虎王と厳しい攻撃の嵐。しかし、そしてさらなる虎王を潮崎がローリングエルボーで逆転!続けて、ラリアット、エメラルドフロウジョン、とどめの豪腕ラリアットで丸藤を吹き飛ばし、潮崎がついに対丸藤シングル初の3カウント勝利!

試合後は昔から変わらぬ手厚い支援を続けてくれているザ・リーヴ佐藤社長をリング上に呼び込み、大感謝のコールが寄せられる!!


第7試合 GHCヘビー級選手権試合
清宮海斗 VS ×杉浦貴
33分53秒 タイガースープレックスホールド
※第32代選手権者が4度目の防衛に成功。

杉浦対清宮は静かな立ち上がりから基本的な攻防、そして場外戦へ。エプロンサイドで杉浦の凄まじいスピアが火を噴き鉄柵へ激突、続けて大一番で良く見せるサイドネックブリーカー!リング上にところを移して、背骨へのエルボー連発から地獄のキャメルクラッチ!
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エルボーのキレはやはり杉浦に分がある。キックも交えて杉浦優勢な試合展開。清宮はブレーンバスターの勝負では投げ買った!持ち味のスピードで撹乱し、ジャンピングエルボーアタックやミサイルキックで応戦も、続くジャーマンは未遂。

杉浦はコーナーに追い込み、走り込んでの蹴り連発から雪崩式ブレーンバスターからの逆エビ固め。腰攻めのコンボ攻撃は丸藤に続き、一点集中を徹底し、基本技こそ強い技であることを思い起こさせてくれる。清宮は辛くもロープに逃れるも、追撃のランニングニーが襲い、ダウンを許さぬエルボーラッシュ 。左ラリアットを食らうも、なんとかドロップキックで反撃!

清宮が再びドロップキックからジャーマンに行き、杉浦の後頭部を的確に撃ち抜く危険なミサイルキック!しかし、タイガースープレックスには行かせてはならじと、杉浦が戦慄の左フック、続けてターンバックルジャーマン!さらにエプロンからの奈落式サイドスープレックス!!
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辛くもリングに戻るも、ランニングニーからエルボーの集中豪雨!ハイクラッチジャーマンからさらなるランニングニー、オリンピック予選スラムを耐えるも、手繋ぎ式でエルボー地獄…さらにはフロントネックロック!

杉浦はフォールへ移行、これは清宮返すも、半死半生……後頭部エルボー連打からオリンピック予選スラムが決まったが、なんとかフォールを返した!雪崩式は阻止、エルボーと頭突きが交錯。過去最大の飛距離で起死回生の雪崩式リバースDDTが豪快に決まった!この技は主体的にかけようとするとどうしてももたつくので、相手が雪崩式を狙ってきたときに受動的に使うほうが案外良いのかもしれない。

清宮は好機と見て投げ捨てタイガースープレックスっを放つ。そしてファルコンアローに移行しようとしたが、なんと杉浦がフロントネックロックに!しかしこれは強引にスラムで前に落とし、ファルコンアローを完遂! エルボーの打ち合いが再発…意地の張り合いが続き、30分が経過!

エルボーは次第に杉浦が上回り始め、清宮のドロップキックを2発食らえど倒れず、杉浦は左ラリアット、張り手合戦へ…しかし、清宮がオーバースロー(デスバレーボムやランドスライドのような技)、ファルコンアロー、タイガースープレックス!だが、杉浦がこの怒涛のラッシュにもかかわらずフォールを返す!

膝立ち・不屈の杉浦に清宮に不器用なエルボー連発、杉浦がなおも立ち上がり続け、喰らい続けながらも粘りに粘る。驚愕の49歳としか言いようがない!清宮が、この日3発目のタイガースープレックスで勝利を勝ち取った!
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清宮がこの日得たものは、表面上は2回目のGHCタイトルマッチでの杉浦からのフォール勝ち。そしてそれは、決してまぐれ勝ちではないことの証明だろう。たしかに、心技体全てで他の選手達を上回っているとは言えないかもしれないが、未完成・成長戦略途上にある若き王者は、試合と人生における勝負勘のようなものを持っていることは確かだ。チャンピオンの重責を背負いながらも必死で戦い、結果を出す頼もしさに対して、きっと三沢さんも期待の眼差しを向けているに違いない。超満員札止め・1710人の観衆もそうだし、この結果をウォッチするプロレスファンたちの多くもそうだろう。新生・NOAHの前途は明るい。(あ、NOAHガチャは小川さんが当たりました♡)


感想:「2009年6月13日からの三沢光晴」長谷川 晶一著、主婦の友社
感想:三沢光晴「ドンマイドンマイッ!」ミシマ社
その他プロレス観戦記など雑記