馬車郎の私邸

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田中ストライク先生「SERVAMP」アニメ化を祝してWSMK35周年記念パーティーを振り返る。

大学時代所属していたサークルから、ジャンプ連載作家に加えて、とうとうアニメ化作品も誕生しました。田中ストライク先生原作の、2016年7月TVアニメ化「SERVAMP」です!コミックジーンが誇る看板作品が、豪華声優陣を引っさげいよいよ明日明後日から放送開始です。ぜひ見てください!
2016年7月5日 火曜 23:00 - 23:30 AT-X
2016年7月6日 水曜 22:00 - 22:30 TOKYO MX

田中ストライク先生には2月にWSMK(早稲田大学少女漫画研究会)35周年記念パーティーでお会いさせていただく機会がありました。そんなわけで今さらながらに2月のことを振り返ってみたいと思います。

2月3週目の日曜日はサークル時代の副幹事の結婚式でした。先輩、同期……20代後半ともなると結婚式に参加することが多くなり、その度に初心を思い出し新鮮な気持ちになります。披露宴の後、新郎新婦心尽くしの二次会ではゲーム仕立てで楽しませてもらいました。我が家は12の景品のうち3つもゲットというラッキー。音波頭皮ブラシ・シャネルのコットン・松坂牛ギフト券セットを頂いてしまいました。CbvgCJ-VIAAaO5r

そのうえ翌週土曜日のWSMK(早稲田大学少女漫画研究会)35周年記念パーティーでは嫁(私の代の幹事長)がまさかのビンゴ大会優勝により、ルルドのマッサージクッションをゲット。さらには上司の課長の命で応募したサントリーのグルコサミン・コンドロイチン・ケルセチンサプリの無料キャンペーンの抽選にもなぜか当たるなど、早くも夫婦で今年の運の大半をあらかた使いきっている疑惑が……

さてパーティは池袋サンシャインの60階近いステキな眺めの会場で、実に幅広い世代のOB・OGが出席しました。有名な方では勝谷誠彦さんが竹宮恵子大先生への思いの丈を語り、夢は願い続ければ叶うというステキなコメントを頂きました。私が一年生の時の先輩である「SERVAMP」の田中ストライク先生ジャンプで「烈!!!伊達先パイ」や「ジュウドウズ」を連載していた近藤信輔先生ともお話する機会がありました。在学中にはすでに卒業されており、Twitterでしかほとんどお話したことのないstein先輩とも直にお話出来て嬉しかったです。後輩たちよりもお世話になった先輩方とお話をすることが多く、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまいました。

最後記念撮影の後に、元MF文庫J編集長・現KADOKWA執行役員の三坂泰ニさんに挨拶させていただく機会がありました。折しも発売されたばかりの「ゼロの使い魔21巻」への尽力に感謝をお伝え出来たことを嬉しく思います。

「ゼロの使い魔」のいいところは大きく3つです。第1に文体が簡潔明瞭で美しいこと。4行にまたがる長さの文章はまず見受けられません。「モンテ・クリスト伯」「三銃士」を書いたデュマのように会話中心でテンポよく話が進んでいきます。バトルシーンも明快に頭のなかに入ってきて分かりやすいです。第2に作者のヤマグチノボル先生がラブコメをとことん愛していること。才人とルイズが互いを慈しみ睦み合い愛を深めていく様子に心打たれます。シリアスなラブロマンスの一方でドタバタコメディも引き立ちます。第3にファンタジーであること。現実から遊離していればしているほど思い切ったストーリー展開もできます。異世界での冒険ほど心弾むテーマもなかなかありません。

さてなんだか大幅に脱線したので、「SERVAMP」の話に戻しましょう。本作はSERVANT×VAMPIRE×七つの大罪のモチーフからの三題噺といった着想のバトルファンタジーでありながらも、日常シーンでは主人とサーヴァンプたちとのわいわい戯れている様子が可愛いです。契約した主人から血をもらい命令に従うSERVANT(下僕)のVAMPIRE(吸血鬼)、いわゆる「真祖」たる”SERVAMP”(サーヴァンプ)たちは、日光のもとでは動物になってしまうとあってかなり愛嬌があります。

柔らかなタッチの繊細な描線で表情豊かなキャラクターたち、要点を掴んだ勢いのあるバトルシーンは先生の絵柄の持ち味です。コマ割りも練られていてとても読みやすい印象があります。

登場人物達の会話では互いの関係性と感情を巡るやり取りがとても丁寧に描かれています。バトルの行方は読者の関心事ですが、作品の中で動き回る登場人物は目の前の自分の感情を発することで精一杯なはずです。私達の日常と同様です。キャラ単品だけではなくて、キャラ同士の関係性を描いているからこそ、目の前の相手に言葉を投げかけているという印象があります。そのため台詞を作者に言わされている感がないので登場人物の言動が活き活きとしています。その辺りの機微を表現することに相当神経を使っていることが伺えます。

一見迂遠に思えながら意味深長なセリフ回しも出て来るのが独特で私は好きです。ちょくちょくシェイクスピアの引用があったので、先生本人に「シェイクスピアお好きなんですか?」と聞いてみたら「別にそこまででもない」そうで、隠れシェイクスピアファンとしては苦笑いでした。それはさておき、先生が言葉を丁寧に扱いながら作品を描いているところが何よりも「SERVAMP」の魅力だと思っています。だから、キャラがなぜその言葉を発しているのかに考えを巡らせてみると深く読みごたえがあるのです。

そういえば少女漫画研究会なのに少女漫画家を輩出していないですね(笑)「りぼん」作家が現れる日はいつ来るのでしょうか。ともあれ、「SERVAMP」いよいよ放送開始です!ぜひともご照覧あれ!!!

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