馬車郎の私邸

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、将棋、プロレス観戦記など「趣味に係るエッセイ・感想・レビュー記事」をお届けします!ある市場関係者のWeb上の私邸

MOTHER2(SFC、任天堂、1994)、25周年で語りたいその5つの魅力!【思い出のゲーム:1】

本日から思い出のゲームを唐突に語っていきます。あくまで思い出を語るだけなので、細かい記憶ははっきり言って曖昧です。今私は32歳なので、初代のスーパーファミコンとプレイステーションのソフトが中心になるかと思います。一緒に昔の名作を回顧していただくなり、そんなゲームがあったのか!と、記憶の片隅にとどめていただいければ幸いです。

ゲームは今、据え置き型のハードウェアでプレイするものだけでなく、スマートフォンでプレイするいわゆるモバイルゲームも主流です。私の世を忍ぶ仮の姿は証券マンなので、セールス時代にミクシィ・ガンホー・コロプラといった銘柄は5年ほど前まではお薦めして儲けていただいた銘柄でした。加速度的に伸びるダウンロード数、ユーザーの課金による売上と利益の伸びを理由に株式を買ってもらうわけです。もちろん、こうした銘柄の会社のヒット作はセールストークのために試しにやってみたのですが……自分にとってはあまり心に響くものではありませんでした(今はモバイルゲームだとFGOと将棋ウォーズをプレイしてます)。

面白いゲームは人それぞれです。CMをテレビでガンガンやっているゲームについては制作・出資元の企業がお金をたくさん払い、のべつ幕なしに宣伝して存在を知らしめています。それであれば、需要があるかどうかは別にして、現在進行形で語られないゲームについて、あえて私は語ろうと思います。

そういうわけで第1回!まずは一番大好きなRPGゲーム、任天堂の「MOTHER2」です!数年前亡くなられた天才プログラマー・岩田聡元社長が関わった代表作の1つです。

魅力の第1はその世界観。舞台はRPG的なファンタジーワールドではなく、20世紀のアメリカンテイストな世界を少年少女が冒険するというもの。武器や防具、アイテムの調達はドラッグストアやデパート、セーブはパパへの電話、お金は倒した敵に応じて商社マンで出張中のパパが銀行口座に振り込んでくれているなど、通常のRPGとはまた異なります。スマブラでもおなじみ、頼れる主人公のネスは、しばらくママに電話しないとホームシックになることも(状態異常の一種)。

なんだかわからないけど、ほどほどのリアルさがあるところが、いかにも日常を少し離れた遠出の冒険をしている感じがあって面白い。もちろん、終盤ともなるとサイケデリックな精神世界、砂漠、魔境、宇宙人の秘密基地といった場所にも冒険の舞台は広がります。

魅力の第2は、RPGなのでもちろん戦闘システム。MOTHER2は一見するとドラクエの戦闘に酷似しているので、ドラクエをやったことある人にはとても馴染みやすいでしょう。ただし、MOTHER2のユニークな点は、ヒットポイントを上回る致命的なダメージを受けたとき、いきなりダメージ値が現在のヒットポイントから引かれるのではなく、ドラムロール式に値が下がっていく点です。つまり、もし致命的なダメージを受けても、ライフアップのPSI(超能力)、回復アイテム(飲食品)の使用が間に合えば、助かるというわけ。したがって、非常に緊張感ある攻防になります。一部強力アイテムの使用や無用なレベル上げをあまりしなければ、程良いゲームバランスです。

魅力の第3は、音楽です。データ容量の3分の1が音楽に充てられており、非常に重視されています。作曲は、当時任天堂の田中宏和氏とロック・バンド、ムーンライダーズの鈴木慶一氏によるもの。曲調は、ロックンロールからジャズやクラシック調に至るまで、実に幅広いです。使いまわしが少ない点も特徴。戦闘曲、街やダンジョンなどに合わせたBGMがかかるので、多彩なバリエーションに飽きることがありません。シナリオ面でも音楽が鍵になっており、エイトメロディーズと呼ばれる8つのフレーズを各地で集めることが旅の目的になっています。

魅力の第4、はシナリオ。コピーライターの糸井重里氏がゲームデザインとシナリオを手掛けている点は有名です。ドラクエやFFとはまた違ったシナリオの進み方で、ユニークです。ユーモラスな面が目立ちながらも、要所を抑えて喜怒哀楽が散りばめられた展開が、心を揺さぶります。街の人々のセリフまでもが小ネタ満載で面白いのも、独特な点です。

魅力の第5は、スピンオフ作品の面白さ。攻略本「ひみつのたからばこ」は、さながら冒険日記風で読み応えは抜群。ダンジョンの紹介も手書きマップになっている。データ集やQ&Aも実にマニアックで、ファン垂涎のマストアイテムだ。ドラクエと同様、2巻だけだが4コママンガ劇場もある。また、ドラクエ4、5、6のノベライズを手掛けた久美沙織氏による小説版は、出色の出来栄え。大胆な設定改変やアレンジは良くも悪くもありますが、それゆえにただのノベライズにとどまらない小説化に成功しています。

以上、ほんとはもっとたくさん伝えたい思いはあるのですが、整理するためにあえて5つの論点に絞り込んでみました。私にとっては初めて触れたRPGで、願わくばリメイクや続編、スピンオフ作品諸々含め、何度でも体験したい素敵なロール・プレイング・ゲームなのです。25周年を迎えたこの日、皆さんと少しでもこの思いの一旦を共有できたなら、幸いです。

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