馬車郎の私邸

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御社の営業・採用活動は、キュゥべえ・ドラッカー流営業メソッドで変わる!(1-9話編)

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
ネットで話題沸騰中のテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。に登場する、敏腕営業マスコットキュゥべえ
その営業活動に余念のない行動力、硬軟織り交ぜた勧誘姿勢、巧みで流暢なセールストーク、Win-Winの関係を築く契約のクロージング等々、日本のビジネスパーソンの営業スキルの向上に役立つテクニックが満載です。また、キュゥべえの魔法少女採用活動の様子は、御社の人財発掘にきっと役立つことでしょう。
本稿ではキュゥべえの営業活動、および採用活動から有益な示唆を得ることを(冗談97%本気3%で)目的としております。
なお、9話までのネタバレを含みますので、『魔法少女まどか☆マギカ』を見ていない、あるいは途中までしか見てない方は、ご自身の判断でお読みになられるといいと思います。
キュゥべえのセリフは「魔法少女まどか☆マギカ WIKI ネタバレ考察 > 台詞集 > キュゥべえ」から引用したものです。

第1話編
「仕方ないよ。彼女一人では荷が重すぎた」
「でも、彼女も覚悟の上だろう」
「諦めたらそれまでだ」
「でも、君なら運命を変えられる」
「避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい」
「そのための力が、君には備わっているんだから」
「もちろんさ。だから僕と契約して、魔法少女になってよ!」


昨今の市場環境は厳しい、困った現状をぜひ変えたい→御社だけは大丈夫です、現状を変えられる可能性があります→そのために契約しましょう。
見事な三段論法です。現状を変えられる方策を提案するコンサルティング営業のお手本といえましょう。
この一幕はどこかドラッカーの言葉にもつながる部分がある気がします。
「すでに起こっていることは何かとの問いに対する答えが、企業や産業にとっての可能性を明らかにする。この可能性を現実に転化させ、あるいは自らの強みを機会にマッチさせることが必要となる。」


「ありがとうマミ、助かったよ」
「どうもありがとう。僕の名前はキュゥべえ」
「そうだよ、鹿目まどか、それと美樹さやか」
「僕、君たちにお願いがあって来たんだ」
「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ」


自社の窮状を救ってくれた会社には、繰り返しお礼を述べるとともに、新たなビジネスチャンスの創出を行う。キュゥべえの飽くなき営業意欲は見習わなくてはいけませんね。

第2話編
「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」
「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」
「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム」
「この石を手にしたものは、魔女と戦う使命を課されるんだ」
「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」
「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」
「しかもその姿は、普通の人間には見えないから性質が悪い」
「不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災いの種を世界にもたらしているんだ」
「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を現さないからね」


ドラッカーはこう言っています。
「企業の使命と目的を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客を満足させることが、企業の使命であり、目的である。」
「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが重要である。
 顧客の関心は常に、この製品あるいはこの企業は自分に何をしてくれるかである。」

「なんだってかまわない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」という言葉は、顧客が求めるものを実現し、顧客満足を生み出すことにコミットする意欲の表れを示すことが出来ます。
「魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を蒔き散らす」は、例えば「御社の製品が希望を振りまくように、A社の製品は消費者に絶望を撒き散らす」と言い換えると効果的です。

第3話編
「別に契約者自身が願い事の対象になる必然性はないんだけどね。前例も無い訳じゃないし」
「僕としては、早ければ早い程いいんだけど」
「僕の立場で急かすわけにはいかないしね。助言するのもルール違反だし」


ソリューションの適用範囲の広さを示しましょう。同様の案件が、過去の前例にあることを述べると、より効果的です。
また、早急に対応する用意があることを先方に告げる一方で、急かすつもりはないと申し添えておくと、クライアントの都合や立場も考えていることをアピールできるので、印象アップです。

「まどかは、力そのものに憧れているのかい?」
「まどかが魔法少女になれば、マミよりずっと強くなれるよ」
「もちろん、どんな願い事で契約するかにもよるけれど」
「まどかが産み出すかもしれないソウルジェムの大きさは、僕には測定しきれない。これだけの資質を持つ子と出会ったのは初めてだ」


「まどかは、力そのものに憧れているのかい?」は、クライアントの本当に望むことは何かをあらためて問い直すことで、本源的な欲求や本質的な解決策を探る質問です。
言葉を入れ替えると、例えば、以下のように応用できるでしょう。

「御社は、市場シェア1位そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、グローバル展開そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、株主価値増大そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、企業規模拡大そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、高いマージンそのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、顧客満足そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、付加価値創出そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、固定費削減そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、有利子負債圧縮そのものに憧れてるのでしょうか?」
「御社は、自社株買いそのものに憧れてるのでしょうか?」

このような根源的な問い投げかけることで、真に必要なことは何かを明らかにすることができるます。

「願い事さえ決めてくれれば、今この場で君を魔法少女にしてあげることも出来るんだけど・・・」

「気をつけて! 出て来るよ!」
「二人とも! 今すぐ僕と契約を!」
「まどか! さやか!」
「願い事を決めるんだ、早く!」


クライアントの決断次第でいつでも対応できる体制を整えておきましょう。

第4話編
「確かにマミみたいなタイプは珍しかった。普通はちゃんと損得を考えるよ」
「誰だって報酬は欲しいさ」
「でも、それを非難できるとしたら、それは同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」


損得を考えない非合理な意思決定はレアケースであることを示しつつも、非難はできないと前置きして合理性を欠くこともある程度は仕方ないと多少の理解を示します。そして、そのうえで「御社はそのような非合理な意思決定ではなく、もちろん合理的で賢く利益を得られるような意思決定をしますよね?」ということを含みにして交渉を進めるのです。提示したケースの企業よりも相対的に賢い意思決定を行うのだと、相手の優越感やプライドをくすぐることは効果的です。

「君たちの気持ちは分かった。残念だけど、僕だって無理強いはできない」
「お別れだね。僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」
「こっちこそ。巻き込んで済まなかった」


契約がクロージングまで至らないこともあるでしょう。そんな時には爽やかに去りましょう。この時に好印象を残しておくと、いずれまたビジネスの機会があるかもしれません。

第5話編
「まどか、近づいたら危険だ」
「どうしようもない。お互い譲る気なんてまるでないよ」
「僕にはどうしようもない」
「でも、どうしても力づくでも止めたいのなら、方法がないわけじゃないよ」
「この戦いに割り込むには、同じ魔法少女じゃなきゃダメだ」
「でも君にならその資格がある。本当にそれを望むならね」


顧客企業が、市場シェアの奪い合いが激しく利益ポテンシャルが低い業界に新規参入しようとしていたら、「近づいたら危険だ」と警告を発しましょう。この時、ポーターのファイブフォース分析を行うといいでしょう。もしかしたら顧客企業が新規参入で勝てる要素があるかもしれません。その場合は、以下のように、新規参入を行うための成功要因となりうるものを提示しましょう。

「でも、どうしても参入するのなら、方法がないわけじゃないよ」→「この戦いに割り込むには、○○○という要素がなきゃダメだ」→「でも御社にならその資格がある。本当に経営陣がそれを望むならね」

第6話編
「ああ、だからもし、どうしても杏子に対抗する戦力が欲しいなら、いっそまどかに頼んでみるのも手だよ。彼女が僕と契約すれば……」

クライアント企業がどうしても対抗したい競合他社がある場合は、さらに他の競合他社との提携や、あるいはM&Aを促すのも一手です。

「ただの人間と同じ、壊れやすい身体のままで、魔女と戦ってくれなんて、とてもお願い出来ないよ」
「君たち魔法少女にとって、元の身体なんていうのは、外付けのハードウェアでしかないんだ」
「君たちの本体としての魂には、魔力をより効率よく運用できる、コンパクトで、安全な姿が与えられているんだ」
「魔法少女との契約を取り結ぶ、僕の役目はね。君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに変える事なのさ」
「むしろ便利だろう?」
「心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、その身体は魔力で修理すれば、すぐまた動くようになる」
「ソウルジェムさえ砕かれない限り、君たちは無敵だよ」
「弱点だらけの人体よりも、余程戦いでは有利じゃないか」
「君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると、決まって同じ反応をする」
「訳が分からないよ。どうして人間はそんなに、魂の在処にこだわるんだい?」


「短所を消す極意とは長所を伸ばすに尽きる。」と松下幸之助も言っています。この場合の(魔法少女契約)の長所・短所をまとめると…

長所:
・体を外付けのハードウェアにできる
・より効率よく運用できる
・コンパクトで安全
・君たちは無敵
・魔力で修理できる
・戦闘で有利

短所
・魂を抜かれる→ソウルジェムに魂→ソウルジェムを砕かれたら死にます

短所を補って余りある長所がありますね☆

第7話
「僕は魔法少女になってくれって、きちんとお願いしたはずだよ?」
「実際の姿がどういうものか、説明を省略したけれど」
「訊かれなかったからさ。知らなければ知らないままで、何の不都合もないからね」
「事実、あのマミでさえ最後まで気づかなかった」


上記の長所・短所を事前に示すか、事後的に示すかはケースバイケースです。不都合がないなら、説明は省略しましょう。万が一クレームが来たら、これまではそのようなクレームはなかったと言い張りましょう。

「そもそも君たち人間は、魂の存在なんて、最初から自覚できてないんだろう?」
「そこは神経細胞の集まりでしかないし、そこは、循環器系の中枢があるだけだ」
「そのくせ、生命が維持できなくなると、人間は精神まで消滅してしまう」
「そうならないよう、僕は君たちの魂を実体化し、手に取ってきちんと守れる形にしてあげた」
「少しでも安全に、魔女と戦えるようにね」


顧客がもし稚拙な認識をしているときは、顧客により安全で効果的なソリューションを提供していることを分かりやすく説明しましょう。

「君は戦いという物を甘く考え過ぎだよ」
「例えば、お腹に槍が刺さった場合、肉体の痛覚がどれだけの刺激を受けるかって言うとね」
「これが本来の痛みだよ。ただの一発でも、動けやしないだろう?」
「君が杏子との戦いで最後まで立っていられたのは、強過ぎる苦痛がセーブされていたからさ」
「君の意識が肉体と直結していないからこそ可能なことだ」
「おかげで君は、あの戦闘を生き延びることができた」
「慣れてくれば、完全に痛みを遮断することもできるよ」
「もっとも、それはそれで動きが鈍るから、あまりオススメはしないけど」


たまにはビジネスの厳しさについても言及しましょう。自社がいなかったら、倒産していたかもしれないことを匂わせば、有利な条件で交渉できます。

「戦いの運命を受け入れてまで、君には叶えたい望みがあったんだろう?」
「それは間違いなく実現したじゃないか」


マーケティングに関してドラッカーは次のように言っています。

・マーケティングは顧客の現実、欲求、価値からスタートする。
・マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを合わせ、おのずから売れるようにすることである。

顧客の現実、欲求、価値から発した"叶えたい望み"が何かをつかむことが大切です。

第8話
「この国では、成長途中の女性のことを、少女って呼ぶんだろう?」
「だったら、やがて魔女になる君たちのことは、魔法少女と呼ぶべきだよね」


契約書については、言葉の定義が大切です。しっかり、お互いの認識を共通のものとしておきましょう。

第9話
「勘違いしないで欲しいんだが、僕らは何も、人類に対して悪意を持っている訳じゃない」
「全ては、この宇宙の寿命を伸ばすためなんだ」


近年、企業の社会的責任、いわゆるCSRについても関心が高まっています。
高潔な大義、高邁な理想、宇宙レベルの経営理念のもとで仕事を行なっている企業だとアピールしましょう。

「この宇宙にどれだけの文明がひしめき合い、一瞬ごとにどれ程のエネルギーを消耗しているのか分かるかい?」
「君たち人類だって、いずれはこの星を離れて、僕たちの仲間入りをするだろう」
「その時になって、枯れ果てた宇宙を引き渡されても困るよね?」
「長い目で見れば、これは君たちにとっても、得になる取引のはずだよ?」


長期的な視点にたった戦略的互恵関係を提案し、互いの利益になる契約を結びましょう。

「経営者は、いつも将来というものが頭にないといけない。五年後、十年後にどうなるか、どうすべきか。そのうえで、今どうしたらいいのかを考える。将来から現在を考えるのが、経営者としての発想である。 」と、松下幸之助も言っています。

「僕たちはあくまで君たちの合意を前提に契約しているんだよ?」
「それだけでも充分に良心的なはずなんだが」
「騙すという行為自体、僕たちには理解できない」


ビジネスの根本は信頼関係ですね。

「認識の相違から生じた判断ミスを後悔する時、何故か人間は、他者を憎悪するんだよね」
「君たち人類の価値基準こそ、僕らは理解に苦しむなあ」
「今現在で69億人、しかも、4秒に10人づつ増え続けている君たちが、どうして単一個体の生き死ににそこまで大騒ぎするんだい?」
「これでも弁解に来たつもりだったんだよ?」
「君たちの犠牲が、どれだけ素晴らしい物をもたらすか、理解して貰いたかったんだが、どうやら無理みたいだね」
「まどか。いつか君は、最高の魔法少女になり、そして最悪の魔女になるだろう」
「その時僕らは、かつて無い程大量のエネルギーを手に入れるはずだ」
「この宇宙のために死んでくれる気になったら、いつでも声をかけて。待ってるからね」


契約がクロージングに至らなかったときは、互いにどのような認識の相違があったかを分析しましょう。そのうえで、いつでも契約締結に応じる準備があることを示唆したうえで、次のビジネスの好機を待ちましょう。

「これでもうワルプルギスの夜に立ち向かえる魔法少女は、君だけしか居なくなった」
「もちろん、一人では勝ち目なんてない」
「この街を守るためには、まどかが魔法少女になるしかない訳だ」


「御社だけができること」があると強くアピールして、契約に結びつけましょう。


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