ーあらすじー
観応元年(1350)12月、九州へ遠征中の足利尊氏のもとに、弟・ 直義が南朝に降伏しその綸旨を得て挙兵したとの急報が入った。愕然とした尊氏は遠征を中止しただちに京へ戻る指示を出す。「やはり、直義どのを放って置かれるべきではなかったようですな」と言う 高師直だったが、尊氏は何も答えず出立の準備を命じた。
一方、摂津天王寺の直義の本陣には腹心の細川顕氏が兵を率いて馳せ参じ、直義は「千万の味方を得たも同然」と喜ぶ。ただちに軍議が開かれ、直義はまず京を占領し、自分が執政を取り戻したことを世間に知らしめるべきと提案する。その上で引き返してくる尊氏・師直の軍を迎え撃つという作戦である。直義派の有力者・ 桃井直常の軍も北陸から京へ進撃し、直義自身も京の喉元である男山八幡に陣を布いた。
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