【観戦記】プロレスリング・ノア 2018/1/6後楽園ホール大会

新しい部署での仕事に集中していたので、昨年は3回の生観戦にとどまり、2017年の観戦記も書きかけの状態。2018年はなるべく会場に足を運ぼうとおもいます。昨年は新戦力達の躍進が際立った一年だけに、先行きが楽しみです。

第1試合小川良成 vs 宮脇純太
29秒　バックドロップ　→　体固め

新人・宮脇がゴング前にドロップキック2連発で奇襲、ミサイルキック、ランニングネックブリーカードロップで攻め立てるが、小川さんが美しい弧を描いてバックドロップ一閃で秒殺！新年は衝撃の幕開け！小川さんは流石ですが、宮脇は新人離れした動きで、体も仕上がっていて楽しみ逸材に見えました。

第２試合ヨネ、ストーム、彰俊vs長井、宮本裕向、コーディ
9分9秒ハイパーニー空牙　→　体固め

第2試合も外敵軍がゴング前に仕掛けて場外乱闘から肉弾戦の趣き。終盤に長井がキャプチュードでヨネを排除、ストームに豪快なみちのくドライバー、コーナーからの飛び膝蹴りで勝利し、タッグ挑戦をアピール。

第3試合 Hi69＆大原＆熊野＆田中＆○諸橋（17分49秒、クリップラーフェースロック）原田＆タダスケ＆HAYATA＆YO-HEY＆×LEONA

ノアでは珍しい10人タッグ。もったいないので、3本勝負かイリミネーションマッチで見たいなあ…とあまり期待していなかったのを覆すような濃厚な試合でした。

原田対大原のグラウンド・大技切り返し対決、タダスケ対熊野のパワー肉弾対決から一転、Hi69にはHAYATA・ヨーヘイが合体殺法、LEONAは諸橋と相対しパワーをアピール。ラーテルズのチームワークに諸橋が捕まる中、田中稔がタッチをもらえず…バックドロップで脱出した諸橋は大原にタッチ！

エアプレーンスピンからの強烈なバックブリーカー、ムイビエンとＧＨＣジュニアに向けて、大原が攻めかかる。原田も負けじとジャンピングニー、ニーアッパーで大原に猛攻。田中稔が満を持して登場すると、身軽な動きで翻弄するYO-HEYにタイミングよく延髄斬り。
Hi69のパワーとHAYATA・YO-HEYの合体スピードがせめぎ合い、LEONAが諸橋の足をコーナーで固定、ラーテルズが4人連続の足への低空ドロップキックで援護、続く足4の字固めは熊野がカット、逆襲の諸橋がクロスフェース捕獲で勝負あり。見応え抜群でした！

第4試合　杉浦貴vsジェイ・ブラッドリー
8分05秒オリンピック予選スラム　→　片エビ固め

ノア初登場のブラッドリーが場外でのラフファイトからトペスイシーダ、グラウンドスリーパー地獄で杉浦が攻め込まれるが、幻惑ロープワークからスピア、得意の走り込んでのヒザ連発、ブラッドリーの巨体をジャーマン！

ブラッドリーもツームストンパイルドライバーで応戦するが、ランニングニー、再びのジャーマン、続け様にオリンピック予選スラムを食らっては大の字にで3カウントを聞いた。新年から杉浦の豪快な投技を観ることができて一安心。ブラッドリーは本格的な大型ヘビー級の体格なので、他のヘビー級選手とのマッチアップをまた見てみたい。

第5試合　中嶋・◯北宮VS潮崎・×小峠15分52秒　監獄固め

中嶋の試合前のウォーミングアップ、開脚しての柔軟体操がすごい。胸がマットについている。中嶋が負傷欠場したところをまず見たことがないのは柔軟性も秘訣か？

序盤は中嶋・北宮が潮崎・小峠を場外戦に誘導。凄まじい勢いの北宮が鉄柱に自爆してもなおすぐ立ち上がり、突進を繰り返すも、小峠が合気道の達人のようなアームドラッグで投げ倒す。さらに、リング上ではソバット、ゼロ戦キック、延髄斬りと足技が冴える。潮崎と中嶋はなかなか場外戦をやめない。脇に甘んじることなく度々ぶつかりあう。

北宮、中嶋に襲いかかる潮崎のチョップ音が満員の後楽園に響き渡る。今日は一番高いS席も上までぎっしり。潮崎のチョップと中嶋の蹴りの打ち合い、中嶋がパワーボム切り返しのフランケンシュタイナー、潮崎が左腕ラリアット！代わった北宮が小峠に強引なリフトアップスラム。

ロープワークの駆け引きから小峠が北宮をコブラツイストで捕獲、潮崎が中嶋を卍固めで加勢し、古典技の競演が実現。北宮が自力脱出するが、北宮のパワーファイトを小峠がうまくいなす展開が続く。

しかし、北宮のヒザ裏へのスピアで小峠は大ダメージを負い、様相は一変。救援に入ろうとした潮崎が、中嶋のデスロールを側頭部に受け、トップロープから落下。北宮が両足を抱えこんでのえげつないニークラッシャーからタメを作ってのドラゴンスクリュー、監獄固めに繋げて逆転勝利！

第6試合　丸藤◯VSマイバッハ谷口
11分27秒反則勝ち　※セコンドの度重なる乱入のため

序盤、谷口が丸藤をコーナーから場外に落とし、西永レフェリーとのもみ合い中、長井が鉄柵攻撃。さらに谷口がエプロンでのアトミックドロップの荒技を敢行！ショルダースルーから拷問コブラで追撃、バックドロップ。丸藤は側転からのドロップキック、幻惑ロープワークからのラリアットで反撃の機会

さすがにそれなりの期間タッグを組んでいただけあり、この日の谷口は丸藤の動きをよく見ており、丸藤はパワースラムやパワーボムで逆襲される。チョップ、トラースキックも散発。チョークスラムも受けるが、マイバッハプレスをかわして、虎王！しかし、長井が西永レフェリーを場外に落として、3カウントならず。

丸藤はトラースキック連発からの虎王を決めるが、長井乱入で無法地帯に。小峠が真っ先に救援に駆けつけ、ヨネ、ストームも追随。タッグ選手権に自然につながる流れは良いけど、単純に谷口と丸藤のシングル対決をじっくり腰を据えてまた見たい。長井は単調な介入に終始していたので、要所でで入ってほしかった。

第7試合　◯石森VSアンドリュー・エベレッタ
16分44秒450°スプラッシュ　→　エビ固め
第84代選手権者が3度目の防衛に成功。

石森対エベレッタは、腕の取り合いから空中戦へ移行。攻め手に飛び技が多いエベレッタに、石森はパワー系の返し技を決める機会が多い印象。エベレッタはスターダストプレス式のトップロープからのプランチャ、さらに延髄斬りからファルコンアロー、ジャーマン。

石森はスーパースターエルボー式ジャンピングハイキック、コーナーに追い詰めてのニー連撃からフットスタンプ。エベレッタは延髄斬りからスワンダイブ式ムーンサルト、捻りを加えたムーンサルトはかわされるが延髄斬りなどで追撃。スターダストプレスにはヒザ剣山が待っていた。

ここ一番で見せる凄まじいスピードで走り込んでのラリアット、抱え上げてから前頭部から落とすDDT、450°スプラッシュとつないで石森が盤石の防衛。

第8試合　拳王◯VS清宮
22分02秒レフェリーストップ ※ハイキック
第30代選手権者が初防衛に成功。

拳王対清宮のGHC。一年前なら第一試合がタイトルマッチに様変わりするとは2人の進化のほどを物語る。清宮は、ヘビー級戦士にビルドアップされたボディ、ドラムの効いた元気な入場曲、黒と緑でラメをあしらったコスチュームが様になっていて良い。

腕の取り合いや足固め、巻き投げを交えたグラウンドの展開から、ロープワークの攻防、バックエルボーでダウンを奪った清宮がふわりとジャンプしてエルボードロップ。場外の拳王に清宮が三沢光晴式トペフェイント！エプロンから走り込んでドロップキック！見違える動き！

場外で投げ技からラフファイトに活路を見出した拳王は蹴り連発からキャメルクラッチへ。清宮はエルボーを主体に反撃。カウンターの強烈な胸板への蹴りを３つも食らうが、強引に抱え上げてのパワースラム。ジャンピングエルボー、ミサイルキック。

余裕なく守勢に回っていた拳王は多様な跳び蹴り系の技で応戦、清宮は意外にも助走短めのオクラホマスタンピード！アンクルを切り返した清宮がコブラツイストとフェイスロックの複合技！拳王は回し蹴りで反撃。しかし清宮の電光石火の横旋回飛びつき式DDT!再び拳王は回し蹴りで両者がダウン。

ドラゴンスープレックスからフットスタンプは清宮が回避。エルボーと蹴りの乱打から、清宮がドロップキック、ジャーマンスープレックス。トップロープ上の攻防を制した清宮が、雪崩式リバース DDTの荒技であわや3カウント。

反撃の拳王が繰り出した正面背面の蹴暴を、清宮は自力でキックアウト、背面へのダイビングフットスタンプを食らうも、正調ダイビングフットスタンプをドロップキックで撃墜！度々未遂になっていたタイガースープレックスが投げ捨て式で炸裂すると、これまたあわやカウント3、後楽園は重低音ストンピング！！！

反撃に転じようとした拳王の動きを、かちあげエルボースマッシュや張り手で封じるも、カウンター式のハイキック、追い討ちのハイキック2連発に清宮轟沈！実に痺れる試合でした！

試合後はリーグ戦で勝ち星を挙げた宮本が挑戦を表し、拳王は受諾。意識を取り戻した清宮を、拳王・杉浦が介抱しようとするが清宮はなんと2人に張り手！当然、仮借ない制裁を加えられるが、潮崎・小峠が救援に駆けつけた！さらに中嶋・北宮まで乱入し、３組が清宮を取り巻いて乱闘する混沌とした事態に。杉浦に突っかかる潮崎を止めに入る小峠を、再三潮崎が振り払い、しかも最終的に清宮をお持ち帰りしたのは潮崎となったことから、小峠と潮崎も微妙な距離感に。小峠は丸藤救援に駆けつけてたのでタッグ再編か。

ヘビー級戦線が一挙に活気づいて、さらにジュニアは枚数が揃い、陣容が底上げされた感があり、先行きが楽しみな展望。日本武道館はそう遠くはないように思える、新年の興行でした。