偶然について - 馬車郎の私邸

興味関心を広げることについて、偶然というものを大切にしていきたいと思う。自分自身の中にある既有知識からの連想、発想はリニアかつアナログであり、飛躍は得にくいからだ。

人生は偶然の積み重ねだ。妻と巡り合い、親しくなり、所帯を持つことになったのも偶然の産物であって、それは運命ではなかろう。もちろん、意志をもって関係を進めた節はあるが、なにぶん相手のあることだ。上手くいった背景にはさまざまな偶然があったはずだ。

たとえば、最近帰りがけに電車出読んでいるスティーブン・キング「書くことについて」は、「がっこうぐらし！」の登場人物がスティーブン・キングを読んでいることを思い出さなかったら、あるいは文庫になる前のオリジナル版を野口悠紀雄が勧めていなかったら。書店で手にとっていなかったはずだ。

同様に、ニコニコ動画でガチムチパンツレスリングの熱心な視聴者だったために、ある動画から釘宮病に感染し、「ゼロの使い魔」のアニメから原作小説を愛読するようになり、転じてその作品の下敷きとなったアレクサンドル・デュマの「三銃士」や「モンテクリスト伯」を読むようになったという経緯がある。

思いもかけないものは得てして偶然によってもたらされる。
そうした偶然がまさに、ご縁というものである。