馬車郎の私邸

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【観戦記】ノアの有明コロシアム大会を振り返る

先立つ12月6日にプチミレディのライブで有明コロシアムに行く機会があったので、有明コロシアムといえばノア観戦!という思いがあったため、かつてこの地で行われた激闘を振り返ってみることにしました。

2008年~2010年頃、ノア生観戦をするようになった当初は感想を書いていたんですが、最近は見に行くことか当たり前になってしまったせいか、書かなくなくなってしまったので、この機会に有明コロシアムでの印象に残っている試合を思い出がたりしたいと思います。

~プロレスリング・ノア創立10周年記念~Summer Navig.'10 part.1
2010年7月10日

(第19代選手権者)金丸義信◯ vs ☓丸藤正道
23分20秒タッチアウト → エビ固め※第19代選手権者・金丸が3度目の防衛に成功

丸藤がジュニアを離れてヘビー戦線に移行してからは、この2人のシングルはまずもってレアなからみ。試合巧者同士ということで面白い試合にならないはずがない。互いに身体能力とプロレス頭をフル回転して先の先を読むめまぐるしい攻防にただただ目を奪われるばかりだったことを覚えている。試合は均衡したまま濃密な時間がすぎるが、金丸が一気呵成の畳み掛けで垂直落下式ブレーンバスターの連発からタッチアウト。この後の防衛戦で金丸はKENTAとも防衛戦を行うけれども、GHCジュニアの金丸政権の試合中でも屈指の好試合です。

スペシャルシングルマッチ60分1本勝負
◯潮崎 豪 vs ☓棚橋弘至<(新日本プロレス) 20分11秒ゴーフラッシャー → 片エビ固め
新日本プロレスの棚橋弘至との「レッスルキングダム IV」IN 東京ドームでの一戦は惜しくも敗れた潮崎。棚橋の上手さが際立ちながらも、受けに受けて耐えぬいた潮崎のファイトはとても良かった。決して器用ではないしことさら試合運びが上手いわけでもないんだけどバランスに優れていて潮崎は好きなレスラーです。耐えて立ち向かう姿に三沢や小橋の幻影が見える時があります。

GHCヘビー級選手権60分1本勝負
(第16代選手権者)◯杉浦 貴 vs (挑戦者)☓高山善廣
15分49秒オリンピック予選スラム → 片エビ固め
※第16代選手権者・杉浦が3度目の防衛に成功
この時のGHCヘビーは杉浦政権時代。三沢亡き後、筋肉質で鍛えぬかれた鋼のような体だが決して大きくない杉浦が必死で戦う姿に胸打たれました。この日は、兄貴分で一緒に組むことが多かった高山を迎えての防衛戦。2m近い高山を連発のオリンピック予選スラムで豪快に投げきる杉浦の膂力に驚愕しました。


2010年8月22日

◯潮崎 豪 vs ☓中邑真輔(新日本プロレス)
 19分08秒変型ゴーフラッシャー → エビ固め

先ほどの7月10日大会の後、潮崎は新日本プロレスのG1 CLIMAXに初出場。4勝2敗1分けで9点を獲得し、Bブロック2位タイの好成績をおさめました。最終戦では30分時間切れ引き分けで中邑の決勝進出を阻止。そうした経緯で、この日の決着戦となりました。

試合展開は、ありとあらゆる局面から繰り出される中邑のヒザ、ヒザ、ヒザ……それを乗り越えて辛くも勝利という感じでした。当時の中邑はボマイエを開発してから日が浅くとにかく膝蹴りにこだわって試合を組み立てていた印象。棚橋、中邑からフォールをとって着実に成長、ステップアップしていく潮崎の戦いぶりを観るのがとても楽しかったです。

GHCヘビー級選手権60分1本勝負
◯杉浦 貴 vs ☓秋山 準
25分25秒雪崩式オリンピック予選スラム → 片エビ固め
※第16代王者・杉浦が4度目の防衛に成功。
この2人の顔合わせはグローバル・リーグ戦準決勝以来。この時の試合も素晴らしかった。杉浦にはオリンピック予選スラム、秋山にはリストクラッチ式エクスプロイダーとスターネスダストの決め技があり、双方投げ技が得意だからジャーマンスープレックスが乱れ飛ぶ。エルボーと膝蹴りもこれまたお互いが得意とするところなので、尋常ではない打撃戦の応酬が繰り広げられる。加えて杉浦にはアンクルホールド、秋山にはフロントネックロックがあるわけで、どこで勝負が決まってもおかしくないのに、際限なく技を繰り出し合う死闘にただただ敬服する一戦でした。


2011年7月10日
GHCジュニアヘビー級選手権
(第20代選手権者)◯鈴木鼓太郎 vs ☓金丸義信
18分32秒レクイエム → エビ固め※鼓太郎が7度目の防衛に成功
ジュニアヘビー級タッグ時代も素晴らしいファイトでしたが、横に並ぶのではなく向い合っても面白い。切り返しの引き出しの多さが無尽蔵だから、18分の試合時間に比してとても濃密な試合でした。

GHCヘビー級選手権
(第16代選手権者)☓杉浦 貴 vs ◯潮崎 豪
29分48秒変型リバースDDT → 片エビ固め
※潮崎が第17代選手権者となる

GHC失冠後、2度めの挑戦で潮崎が再び戴冠。棚橋・中邑のように、潮崎・杉浦の名勝負数え唄が続くと当時は思っていました。2012年末の潮崎ら5選手の離脱はショックでした。その一方で直近潮崎がノアに出戻りしたことについては、人それぞれに思うところはあるにせよ、私は彼の試合がノアでまた見られるという点で素直に喜ぶべきだろうと思うことにしています。

2011年11月27日

◯杉浦 貴 vs ☓丸藤正道
19分22秒オリンピック予選スラム → 片エビ固め

この頃は毎年のように怪我に見舞われていた丸藤。KENTAが復帰戦の時もありましたが今回の復帰戦の相手はタッグパートナーの杉浦。さすがにこの男復帰戦だからといって容赦しません。激闘ののちオリンピック予選スラムで勝負あり。試合後2人は再びタッグを組みますが大量離脱後のノアを支えるという意味でも2人はタッグでした。

第17代選手権者/ANMU)◯潮崎 豪 vs ☓KENTA
27分37秒変型リバースDDT → 体固め※潮崎が3度目の防衛に成功
ヘビー級に参戦し、苦労しながらも実績を上げてきたKENTA。夏には杉浦を30分越えの激闘の末破り、グローバルリーグ戦では準優勝を果たしました。しかし、リーグ戦でヒザを負傷しコンディションは万全ではなく、80kg程度の体重しかないためヘビー級レスラーと体格差は明白ながらも、GHCヘビーの試合にふさわしい好ファイトを展開。後にリミットブレイクと命名される潮崎の変型リバースDDTは前方に落とすのではなく後頭部から落とす方式に変わったのは、たしかこの試合からだったと記憶しています。

2013年7月7日(日)

GHCタッグ選手権試合60分1本勝負
(第28代選手権者/CHAOS)☓飯塚高史 矢野 通vs(挑戦者/TMDK)◯シェイン・ヘイスト  マイキー・ニコルス
16分26秒サンダーバレー → 片エビ固め
ニコルス&ヘイスト組が第29代選手権者となる。

ノアの道場に住み込み継続参戦していたTMDKの嬉しい初戴冠となった試合。矢野、飯塚のラフ殺法の前に大流血、特に大量のパイプ椅子の下敷きにするなど飯塚さんの大暴れぶりが際立ちました。しかし、それを乗り越えたTMDKが連携攻撃をがっちり決めて勝利。矢野・飯塚の悪役ぶりがマイキーとシェインの勝利にカタルシスをもたらしました。

GHCヘビー級選手権試合60分1本勝負

(第19代選手権者/NO MERCY)
KENTA vs (挑戦者/BRAVE)丸藤正道
36分42秒go 2 sleep → 片エビ固め
※第19代王者・KENTA選手が4度目の防衛に成功

KENTAが並み居るヘビー級戦士を撃破し、念願のGHCヘビー王座時代。迎える次の防衛戦の相手は丸藤。でしたかつて日本で初めてのジュニア戦士同士のヘビー級タイトルマッチを実現した2人。GHCジュニアと世界ジュニアをかけて60分引き分けたこともありました。その後2人は怪我が多く、シングルマッチはお互いの復帰戦でぶつかることが多かったけれども、時を経てあらためてタイトルマッチで相まみえることができました。そのことだけでも感慨深いです。試合内容も極上のもので、その後KENTAは夢を叶えてWWEに入団したので、この2人のシングルはもう見られないだろうし、この日の試合を生で観られて良かったです。

2014年12月6日(土)

GHCジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
(第27代選手権者/NO MERCY)原田大輔vs (挑戦者/BRAVE)小峠篤司
24分19秒変型キルスイッチ → エビ固め
※小峠が第28代選手権者となる

大阪プロレス以来の因縁の2人。徹底的にやり合い、最後は脳天から真っ逆さまに落とす変型キルスイッチで小峠がGHCジュニアを初戴冠。一緒に観戦していた妻も「これだけの試合を見せられたら何も言えない」と試合に満足納得の一言でした。

GHCヘビー級選手権試合60分1本勝負
(第22代選手権者/BRAVE)丸藤正道 vs (挑戦者/グローバル・リーグ戦2014優勝者/NO MERCY)杉浦 貴
31分09秒変型エメラルドフロウジョン → エビ固め
※第22代選手権者・丸藤が5度目の防衛に成功
杉浦の猛攻を受けきった丸藤が薄氷の勝利。充実の試合内容はノアを見に行くことの安心感です。

2015年3月15日(日)

「超危暴軍 vs NJPW」タッグマッチ30分1本勝負
(超危暴軍)マイバッハ谷口、◯森嶋 猛vs天山広吉、☓中西 学(新日本プロレス)
12分11秒 バックドロップ → 体固め
天山、中西の衰えぶりに寂寥感。森嶋の引退を考えるとこの日見た試合が最後になってしまったのが悔やまれます。ヘビー級の巨漢レスラーという余人に代えがたい人材がいなくなってしまったのは実に惜しい。

「弾丸ヤンキース vs 鈴木軍」タッグマッチ30分1本勝負
(弾丸ヤンキース)◯杉浦 貴、田中将斗 vs ☓飯塚高史 、シェルトン・X・ベンジャミン
16分34秒オリンピック予選スラム → 片エビ固め
試合後杉浦は「なんだよこれ。逮捕されるようなことしてないぞ」とコメントしているのですが、なんとこの試合杉浦が手錠でニュートラルコーナーに繋がれたまま試合進行という前代未聞の珍試合でした。

GHCジュニア・ヘビー級選手権試合60分1本勝負
(第28代選手権者/BRAVE)小峠篤司 vs タイチ (挑戦者/鈴木軍)
18分57秒ブラックメフィスト → エビ固め※タイチが第29代選手権者となる

ジュニアヘビータッグ3wayは最後横取りフォールしただけだし、ヘビータッグのK.E.S対TMDKはシェインのヒザのコンディションがどうにも悪くて消化不良だっただけに、タイチのインサイドワーク含めて好試合。彼は川田利明の付き人だったという縁もあるしね。タイチは実力者でありながら小狡い反則を駆使するあたりヒヤヒヤした試合展開で目が離せません。ある意味バディ・ロジャース以来のヒールチャンピオンのファイトとも言えなくもないけども、あんまり反則介入ばかりが続くと飽きが来るのも事実。ただこの試合では面白かった。

GHCヘビー級選手権試合60分1本勝負
(第22代選手権者/BRAVE)
☓丸藤正道 vs (挑戦者/鈴木軍)◯鈴木みのる
23分44秒ゴッチ式パイルドライバー → 体固め
※鈴木が第23代選手権者となる

最後飯塚がアイアンフィンガーフロムヘルで介入したほかは基本的にちゃんとした試合でした。4つの主要タイトルが外敵に全移動というのは前代未聞でその事自体はなかなかびっくりしました。鈴木軍のレスラーたちがこの1年ノアの巡業に帯同して腰を据えて参戦したことは、話題性のことだけではなくレスラーの層が薄いノアにとっては決して悪いこと一色でもなかったように思えます。たしかに鈴木みのるがやりたい放題ぶりと歯に衣着せぬ物言いには辟易する部分もあるけれども、彼の言動は言葉通りのものではないことは明らかで、ある意味で言いづらいことを言ってくれている面もあります。論客あきりんごさんが「鈴木軍の罵詈雑言、かつ金言」の記事で書いているとおりです。ただし、いい試合も結構あっただけに、鈴木軍とノアの一連の抗争は反則介入からの3カウントの決着が多いことが私にとっては結局フラストレーションでもありました。リング上でいい試合さえ観られれば私個人のことで言えば満足なのです。その意味で12/23大田区総合体育館はノアと鈴木軍が1年かけて作り上げてきたものの総決算。楽しみにしています。

【プロレスリング・ノア 旗揚げ15周年記念大会】2015年12月23日(水) 開場:14:00 試合開始:15:00大田区総合体育館