馬車郎の私邸

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今の「りぼん」の発行部数と、私の「りぼん」購読史【ブログ3周年記念記事】

「りぼんよりもリボーンを読む人のほうが、今は多いのさ」とふざけて言っていた大学時代。りぼんの部数がその頃は40万部程度になり、リボーンは1巻あたり平均70万部ほどだったから、具体的な比較を一言で言い表せるセリフだ。りぼんの現状について、こんな言葉で軽口を叩いていたのも数年前。このブログは今日でちょうど3周年だから、ちょうどいい機会だ。りぼんの今の部数について述べるとともに、自分の購読の歴史を振り返ってみようと思う。

りぼんの部数というとどのくらいを思い浮かべるだろう。私と同じ(今日で24)かそれより上のかつてのりぼんっ子は、250万部だっけ?と言うかもしれない。私よりも少し下の世代だと、う~ん100万部はあったかな?と言う人もいるだろう、

さて、現在のりぼんの部数はどうだろうか。日本雑誌協会のデータによれば、2010年のりぼんの印刷証明付き発行部数は、217500部だそうだ。予想以上に急減している。

他の少女漫画誌と比べるとどうか?エクセルで表を作ってまとめてみた。一般に、伝統的に、少女漫画3誌といえば、りぼん、なかよし、ちゃおだろう。しかし、驚いたことに現在の序列は、ちゃお、別冊マーガレット、なかよし、りぼんの順である。これは驚いた。
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グラフでは細かい数字が分かりにくいから、今度は表にしてみた。ちゃお68万、別マ26万、なかよし22万8千。ちゃおは100万部割れしたようだ。ちゃお、なかよし、りぼんは前年度以前から右肩下がりだが、それに対して別マの部数は横ばい。何気に堅調な雑誌なのかもしれない。21万7500部のりぼんに続くのは、白泉社の花とゆめ。195000部だからすぐに、りぼんの背後に足音は迫っているといえよう。

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りぼんは「250万乙女恋の聖書(バイブル)」の異名は面影もない部数になってしまった。確かに1994年のころは"公称"250万部だった。もちろん"公称"なのだから、実際の部数は水増しされている可能性もあっただろう。現在は、印刷証明つき発行部数となっている。

しかし、同時代人の実感としてはどうだったか。自分のような20代前半の世代に取っては、クラスでりぼんを読んでいない女の子は少数派ではなかったか(もちろん、なかよしもセーラームーンのおかげで人気だったが)。月曜日には、日曜朝の「ママレード・ボーイ」の展開について、教室で話が交わされていたように思える。

部数の変遷についてのwikipediaの説明は以下のとおりだ。
1980年代後半から1990年代半ばにかけて部数が上昇し始め、1994年には少女漫画誌では史上最高の部数となる255万部を発行し、自他共に認めるNO.1少女漫画雑誌だった。しかし、その年から部数は徐々に減少し、2002年には発行部数で『ちゃお』に抜かれ少女漫画誌トップの座を譲ることとなった。

これをきっかけに、作家陣の大幅な入れ替え・若返り、タイアップの強化、『ちゃお』と同様付録の豪華化といった再建策を行ったが、状況は更に悪化し、2002年夏ごろに80万部以上あった部数が4年後の2006年には約40万部に半減した。これにより『なかよし』にも抜かれてしまい、三大小中学生向け少女漫画雑誌の中では最下位となった。なお、2010年度の発行部数は24.3万部(2007年は38万部、2008年は33万部、2009年は27万部)にまで下がっている[4]。これは最盛期に比較して約10分の1の数字である。


私個人のりぼん購読については、第1期は1999年~2002年(中1~高1)にかけてだった。この頃のりぼんは公称100万部あった時期のようだ。ピンとこない人のために、この時期の漫画家と作品名をざっとあげよう。
吉住渉「ミントな僕ら」「ランダム・ウォーク」
小花美穂「こどものおもちゃ」「パートナー」
椎名あゆみ「ベイビィ☆LOVE」「ペンギン☆ブラザーズ」
高須賀由枝「グッドモーニング・コール」
藤井みほな「GALS!」
種村有菜「神風怪盗ジャンヌ」

どれも思い出深い作品だ。だが私は2002年に購読をやめた。
上記のとおりこの時期は、「作家陣の大幅な入れ替え・若返り、タイアップの強化、『ちゃお』と同様付録の豪華化といった再建策を行ったが、状況は更に悪化し、2002年夏ごろに80万部以上あった部数が4年後の2006年には約40万部に半減した」だ。

具体的にはどういう変化があったかというと、椎名あゆみ「ペンギン☆ブラザーズ」、高須賀由枝「グッドモーニング・コール」が急に終わった。二人とも新しく始めた新連載は2巻で終わった。突然で不自然に思えた。2002年からまもなくして、小花美穂、吉住渉両先生の名前も目次から消えた。変わって台頭したのは、新人では酒井まゆ、槙ようこ、中堅では松本夏実、倉橋えりかといった面々。種村有菜先生の活躍は言うまでもなかろう。

急激な世代交代で私を始め多くの読者が離れたことは、連載陣と数字の両方から察することができようかと思う。私も含め、めぼしい作品を単行本で読めればいいやと、本誌を手放した人は多いのではないか。よかれと思ってやった刷新は裏目に出たようだった。もちらん、緩やかな世代交代を目指したとしてもどうなっていたかはわからないが。

私個人のりぼん購読の第2期は、2007年~現在(大学2年~大学院1年)だ。再び買うようになったきっかけは2つある。

1つ目は、当時懇意にしていた2歳年下の女の子の部屋にりぼんがあったので、再び読んでみると案外面白かったのだ。春田なな先生や酒井まゆ先生の漫画を再び読むようになった。その後両先生にサインを頂いたのはいい思い出だ。もちろん「紳士同盟」「HIGH SCORE」なども良かった。

2つ目は、サークルであまりにも少女漫画が読まれていないことに心を痛めたことだ。早稲田大学少女漫画研究会では、少女漫画は基本的にメインに読まれない(笑)上の学年の方はテニプリ世代であり、テニミュにご執心で組織的にチケット予約して56枚ゲットするくらいだ。
「250万乙女恋の聖書りぼん」はもはや跡形も無い。今の時代は「290万腐女子(男同士の)恋の聖書」ジャンプなのだ!少女漫画研究会が少女漫画に眼を向ける必要などどこにあろう?

たしかに、私もジャンプは小2から立ち読みを続けるほど好きだけど…ガンダムも、戦隊も、仮面ライダーも、ジャンプも、今や女性(というよりは腐女子?)を意識したマーケティングに注力している(ように見える)現状に、複雑な思いを抱く男性諸氏は少なくはないだろう。

しかし、だからといって、この点について積極的にネガティヴな価値判断をするつもりはない。この記事に書いたとおり、寛容であるべきだ。楽しむものは人それぞれであり、各人がそれぞれ楽しみたいものを楽しめばそれでよいのだ。

そういえば、こんな思い出もある。初めて私がサークルの部室に入ったとき、どんな少女漫画があるかワクワクした。だが、最初に目についたのは「ベルセルク」が全巻揃っていた光景だ。もちろん一応少女漫画もあったし、「ベルセルク」も好きだけど…

そういうわけで、少女漫画誌のない少女漫画研究会に一抹の寂しさを覚えた私は、りぼんをサークルに持ち込むことにした。もともと我々の世代は小学校中学校時代はりぼんに親しんだ世代。漫画としても、ある種ネタとしてもりぼんは楽しめた。(突込みどころ満載だしな!:一例)

サークルの会誌に何か描かないか?と言われた私は、漫画を描けないので、文を書くことにした。水沢めぐみ、吉住渉、小花美穂、椎名あゆみ、高須賀由枝、酒井まゆ、春田ななの前作品のレビューを敢行した。また、ブログを始めた私はりぼんの感想を書くようになった。最近1年半くらいは、書いていなかったが、また書き始めようと思う。このブログに検索で来てくれる人たちは、りぼんに関心のある人たちが今でも多く、その人達の期待にまた答えようと思っている。

ところで、先日サークルの30周年記念パーティがあった。現役生のすばらしいレセプションのおかげで、楽しい時間だった。そのなかで、現役生に「最近の流行りは何か?」と聞いてみる。その答えは、血溜まりスケッチの異名を取る「『魔法少女まどか☆マギカ』だった。やっぱりな!

そういえば、早稲田祭の時の二次会で同じことを聞いたら、「エルシャダイ」だったっけ。ニコ中多いな。俺もだけどwベータ時代からの古参ユーザーだZE☆もちろん、プレミアム会員だ。

ちなみに、種村有菜先生がまどかの絵を描いてTwitterで公開している(!)が、「『魔法少女まどか☆マギカ』は注目すべき良作だろう。

それは、江戸川区議会議員が『まどか☆マギカ』について語ってた「魔法少女まどか☆マギカ お薦めです。」の文章が、私の言いたいことをおおむね代弁してくれている。紹介してみよう。

人は誰のために働くのか。
他人のために働くのか。
自分のために働くのか。
死と向き合うとどうなるのか。

この作品には、色々な「騙し」があります。
まず、この可愛らしい絵ズラに騙されてはなりません。やっていることは結構グロです。

他人のために働く。本当に他人のため?
自分のために働く。本当に自分のためだけ?
善人だと思える人。本当に善人?
悪人のように見える人。本当に悪人?
人は裏切られたときにどうするの?
人に何かを期待するから、裏切られたときに怒り出すの?
何も期待しなければ、裏切られたとして怒らなくて済むの?

よかれと思ってやったことが、結果として自分にとって不利益になる。
よかれと思ってやったことが、結果として相手を不幸にしてしまう。

善意は決して人のためにも、自分のためにもならない。
でも、そんな利己的に生きているような人であっても、
徹底して利己的にのみ、生きていけるの?

魔法少女という強力な力を持った存在になるためには、何かを犠牲にしないと、そんな力を持つことはできない。人のために働いているのに、それを人は決して理解してくれない。
魔法少女という、普通の人ではない者に対して、無理難題をいう一般人。
では、そんな無理難題を言う一般人に対して、魔法少女は言う。
「そんなに言うのだったら、あんたがそれをやってみれば。(あなたには、決してできるはずないのに)」
(中略)
ちなみに、魔法少女のお仕事とは、魔女を狩ること。しかし、その魔女とは、魔法少女の未来の姿。少女が大人になって、女になるように、魔法少女も大人になって、魔女になる。その魔女を魔法少女が狩るという構図。これが何ともシュール。

「魔法少女まどか☆マギカ」が別名、「血だまりスケッチ」と呼ばれる所以がわかったような気がする。大人が見るべきアニメです。


そういうわけで、このアニメ、非常に興味深い。おかげで、日月火水と、連続してこのアニメの動画を作ったり、文章を書いたりしている。
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さて、話題がすっかりりぼんの発行部数から離れてしまった!最後に話を少しだけ戻そうと思う。部数激減のりぼんを今後も買い続けると、あらためて宣言しておこう。(少なくとも「HIGH SCORE」が連載を続けている限りはね。)りぼんには愛着がある。せめて、なるべく生き長らえて欲しいからだ。

それともう一つ。
実はりぼんの発行部数よりももっと衝撃的だったことがある。私が購読または立ち読みしているビジネス誌2誌の発行部数に愕然とした。
週刊ダイヤモンド155,675、週刊東洋経済123,334という数字になっている。あんなに本屋で平積みになってて、駅の売店で売っているのにこの程度なのか…愕然とした。
りぼんについては予想や覚悟があったからまだいいが、こちらは全くの想定外だった。ダイヤモンドと東洋経済が、部数22万部のりぼんより売れてなかったとは!
どちらかの雑誌を、3年の定期購読申し込んじゃおうかな…4割引だから、1冊あたり408円でりぼんより安くなってお得だし。

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