馬車郎の私邸

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「ゼロの使い魔 19 始祖の円鏡 」ヤマグチノボル、MF文庫


長編小説をいきなり19巻からレビューを始めるのも恐縮だけれども、読んだばかりなのでせっかくだから紹介しておこう。新章突入の第19巻は、この作品にしては珍しく、冒頭から激しい戦いが始まる。ルイズとも再会を果たした才人の幸せもつかの間。愛剣デルフリンガーを失う原因となった暗殺者集団"元素の兄弟”の一味の襲撃を受ける。ところが、この戦いにエルフたちの勢力が介入し、才人が拉致されるという異常事態に。

ヒロインならともかく、主人公が誘拐されるとは予想外の展開。中盤は膠着状態が続くが、最後の戦闘はものすごいサプライズのコンボだった。驚愕の一手に、続けて嬉しいサプライズの二段構え。これで終わるかと思いきや、ストーリーの核心に関わるとどめが来るとは恐れ入った。5本の曲刀を魔術で操り、強力な催眠の呪法によりアリィーに追い詰められる才人を救うためのティファニアの恐るべき英断は信じられないものでした。そんな方法があったなんて…あったとしてもこれを書ける小説家が日本に何人いるであろうか。さすがヤマグチ先生!俺たちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!

頼れるあの男が(男?)蘇ったことはこれは素直に嬉しい。そして、明かされる6000年前の記憶はまさしく重大事件。1冊の締めくくりの余韻としてもよかった。それは、才人とルイズの関係にもつながるので、緊迫感と哀愁のある要素が増えた。18巻で広げた大風呂敷を時空を越えてさらに広げていくとは、なんとも作者は豪胆である。

また、簡潔明瞭な短文で構成された文体も相変わらず冴えている。この巻では、「なるほど、これは実にいけない幸せ製造機ではあった。」の一文が、実にキレがいい。しれっと言ってのけるところがすごい。前後のなんともふざけた文脈の中で、こういう短文をズバリと決めてくる作者は確信犯である。幸せ製造機とやらについてはお察しください(笑)
ダウンロード「ゼロの使い魔」はほぼ3ヶ月ペースで続々刊行されるスピード感があるとはいえ、次の巻が待ちきれないくらい、話の続きを読みたくなってきた。
ammazon10位とは意外に売れてるね。
動画の作成も最近ではご無沙汰なので、また何か作ってみようと思う。
今まで作った動画は↓の「続きを読む」からどうぞ。

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