馬車郎の私邸

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、将棋、プロレス観戦記など「趣味に係るエッセイ・感想・レビュー記事」をお届けします!ある市場関係者のWeb上の私邸

りぼん2009年9月号感想その1 -新條まゆ先生に続く衝撃!「姫ちゃんのリボン」リメイク連載決定!?-

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あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『りぼん来月号の予告を見たら、「姫ちゃんのリボン」が新連載とあった』。
な…何を言っているのかわからねーと思うが、 俺も何が起こったのかわからなかった…
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こ、これは
一体…!?
まさか
あの作品が
よみがえると
言うのか!?

ポルナレフの
テンプレを
2号連続で使う
ことになるとは。
(前号)

りぼん本誌での
りぼん作品の
リメイクは
初めてだ。     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ↑「ドゥー・ユゥー・アンダスタンンンンドゥッ!?」  

選ばれた作品は水沢めぐみ先生の「姫ちゃんのリボン」 
蓋し名作といえよう。
愛着と思い出のある作品だ。昭和生まれの「りぼん」読者には馴染みがあるだろう。
リメイクとは、一体どうなってしまうんだ?
姫子は?大地は?
来月号が気になって仕方が無い。

それにしても、なぜ?
編集部の目的がよくわからない。

まず込由野しほ先生が、原作つきで描く必要があるか?
「パワーパフガールズ」を描いてたとはいえ、
個人的には、面白い作品もあったから原作なしの作品を読みたい。

また、水沢めぐみ先生に直接お出まし願い、王道の作風で、、
新條まゆ先生という異端の存在を中和する役目を担ってもらい、
連載陣のバランスを調整するならまだわかる。
いわば、ポートフォリオの組みなおし、保有資産のリバランスだ。

けれども、リメイクである必要はあるか?
同時に、リメイク作品は今の連載陣に必要だろうか?

確かに、話題性はある。
実際、mixiニュース関連の日記記事を見ていると、
新條まゆ連載よりもむしろこの話題のほうが皆喰いつきがいい気がw
(「まゆたんより気になる云々」という記事の題名も内容も妙に多い…同志たちよ!)

しかし、昔読んだ人たちを再び取り込んだところで
本来りぼんの購買層は小学生から高校生までの女子のはず。
今は「Cookie」もあるのだし、リメイクで読者を集めるのは首を傾げざるを得ない。
(ところで最近「グッドモーニング・コール」の続編「グッドモーニング・キス」が連載されている。それに水沢めぐみ先生は、今なお現役だ!「キラキラ100%」の7巻は発売されたばかりである。

このリメイクの企画の今後の展開としては、
上手い具合に低年齢層に受ける作風にして、
あわよくばアニメ化も狙うといった算段か。

ここで問題点が3つある。
・よいリメイクになるか。
・読者のニーズにあっているか。
・連載陣の枠の数がさらに少なくなる。

1つ目の、「よいリメイクになるか」という点は、
純粋に面白い漫画になるかどうかである。
リメイクされた作品が、オリジナルを越える例というのは、
私はあまり聞いたことは無い。
だとすれば、原作を越えられずとも、
込由野先生が元の作品をうまく換骨奪胎したうえで、
ちゃんと「形」にしなくてはならない。

2つ目の、「読者のニーズにあっているか」という点。
込由野先生と編集部は、大雑把に分けて2種類の読者へと、
この作品を提供しなくてはならない。
つまり、読んだことの無い今の「30万部りぼんのりぼんっ子」と、
読んだことのある「全盛期250万部りぼんのりぼんっ子」である。

単に面白い作品にするだけではなく、今のりぼん読者に合う作品に
仕立てあげることがまず重要だ。
一方でリメイク作品である以上は、元の読者の目を意識せずにはいられないだろう。
リメイクするということは、二兎を追うことだ。
水沢めぐみ先生が描いてこそと考える人たちをいなしつつ、
現在のりぼん読者たち向けの作品を描くのは困難を極めるだろう。

価値観も今の10代と20代では相当に異なる。
ケータイもパソコンも当たり前な世代に向けてどのように素材をアレンジするか。
人物の心情の機微を描くには、熟慮が求められよう。
水沢先生の作風をどの程度継承するか、大幅に変えるのか、考えなくてはならない。
つまりは、素材を生かさずして何のためのリメイクだろうか、
いや面白い作品を描くためには………という二律背反に煩悶することは必定だ。

ところで、実は3種類目の読者もいる。
それは「今連載している作家陣」。
私は22歳だから、「姫ちゃんのリボン」のアニメを見ていたのは
6歳か7歳くらいだった。
(余談だが金曜はVガンダム→ダイレンジャー→姫ちゃん→YAIBAと見ていた)
りぼん連載陣の中で、春田なな先生は、その私より2歳年上だから24歳。
他には、例えば種村有菜先生は30歳だ。
20代、30代が連載陣ということは、紛う事無き全盛時代のりぼんっ子。
元読者も兼ねる同業者たちの目にもさらされるのだ。
つくづく込由野しほ先生は難儀な大役を仰せつかったものである。

3つ目の「連載の枠がさらに少なくなる」点については前々から言っていることだ。
種村有菜、槙ようこ、酒井まゆ、春田ななの4枚看板は、
いずれも連載はまだだいたい1年くらい。
松本夏実先生は、作品がアニメ化するため定着確定。
いしかわえみ先生と藤原ゆか先生の作品はあと半年以上は続くように思える。
それ以上かもしれない。

優木なち先生も始まったばかり(4話目)、
新條まゆ先生は言うまでも無い。
雪丸もえ先生が今月号で3回連載を終了し、入れ替わりで
来月号から「姫ちゃんのリボン カラフル」が始まる。
近々終わるかもしれない作品は小桜地なつみ先生の「フライハイ!」
ぐらいしか見当たらない。

若手のチャンスがあまりにも少ないのではないだろうか。
適度な流動性によって未来の主力作家を育てることを
おろそかにしては先行きが危ない。
編集部が色々な方策を考え、試しているのは最近の動向から見て取れる。
しかし、連載陣固定化の傾向は、未来の芽を摘んでいるようにも見える。

増刊号の重要性は高まるだろう。
連載どころか 読みきりさえも本誌で描けないことは憂慮される事態だ。
場合によっては、りぼんオリジナル復刊のみならず、
毎月発刊の別冊りぼん構想も検討されるのではないか。
何気なく、椎名あゆみ先生も復活している。
牧野あおい、持田あき、樫の木ちゃん、彩原その、黒崎みのりといった、
侮りがたい人材たちに連載のチャンスを与えなければ、
未来は先細りになるやもしれぬ。
だが、別冊発刊は部数が今や30万部程度まで落ちぶれた状況では、望むべくも無いともいえる。

このように、「姫ちゃんのリボン」をあえてリメイクすることは、
あまりに大きなリスクをとりすぎている。
小橋選手のバーニングハンマーのごとき危険さだ。
先月書いたとおり、新條まゆ先生が連載開始することもド派手な仕掛けではある。
しかし、過去の名作をリメイクする事よりは、リスクが少ないだろうということは、以前書いたとおりだ。
外部の作家が「りぼん」で失敗しても、「やはりダメだったか」である程度は済むだろう。

だが、「姫ちゃんのリボン」は「りぼん」全盛期の象徴ともいえる名作だ。
その自前の資源、いや遺産を使った一世一代の大博打は、
「りぼん」の沽券に関わる事態を招くことにもなりかねない。
投機のための資源としては、随分なものを持ち出したものだ。
高レバレッジなのかもわからない高リスクの運用に、
家宝を投じるのは、いかなる覚悟あってのことか。

やってしまうなら、覚悟を決めてやるしかない。
郷愁は未来への力にはならない。
毒を喰らわば皿まで。
新條まゆという毒を劇薬にし、皿すなわち器たる「りぼん」の名作の上に添えた料理は、いかなる味だろう。
「りぼん」が勢力を盛り返すために大物を招聘するのではないかという、
私の妄言は結局片方実現したのだ。
かくなるうえは、荒木飛呂彦先生に「ジョジョの奇妙な冒険」第8部を「りぼん」で連載してもらえば、私としては実に愉快だ(笑)

極端な話はともかく、ある意味で新條まゆ先生よりも、
込由野しほ先生は重責を担うことになってしまったかもしれない。
やるからには、編集部と一丸となって「りぼん」を盛り立てていくべきだ。
「りぼん」と水沢先生の名誉だけではなく、たくさんの人々の思い出を守り、
今の「りぼん」のためになる良い作品をこの世に生み出していただきたい。
恐ろしく難しい注文だが、込由野先生にはぜひ好機を捉えてがんばってほしい。
機会に恵まれなければ、彼らの力量もあれほど十分に発揮されなかったであろうし、また力量を持ち合わせていなければ、機会も好機にならなかったのである。
---マキアヴェッリ「君主論」

愚策か英断かは結末が証明する。
編集部には覚悟の言葉を贈りたい。
いささか大げさかもしれないが、ルビコン川を渡るとき、カエサルが言ったとされる有名な台詞。
ここを超えれば、人間世界の悲惨。
超えなければ、わが破滅。
進もう、神々の待つところへ、
われわれを侮辱した敵の待つところへ、
賽は投げられた! byユリウス・カエサル   プルタルコス「英雄伝」より

「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」とも言うね。

さて、ここまで読んでくれた読者たちには、忙しい人のための「姫ちゃんのリボン」総集編という動画をせっかくだから、紹介しよう。
なかなか良い編集だから、懐かしいあのアニメを今一度見るのも一興だ。(↑のリンクからどうぞ。)
総集編感覚だね。

アニメOP全バージョンの動画も消されてたので、
以前拾ったのをYoutubeに今うPしました^^
懐かしいなぁ……
「笑顔のゲンキ」歌:SMAP



読んだことの無い人も、一度読んでまた読みたい人も、
今では文庫版で廉価で買える。
DVDもいつの間にか出ていたとは!
リンクを貼り付けていたら欲しくなっちゃったじゃないかf^^;
「PRO-WRESTLING NOAH 鉄人 小橋建太 ~絶対王者への道~」も見たいしね。
う~ん、悩むなぁ(*´ -`)(´- `*)











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