種村有菜「桜姫華伝」第3回 りぼん2009年3月号感想その2
春田なな「スターダスト☆ウィンク」第２話 りぼん2009年3月号感想その3
槙ようこ先生、衝撃の復活劇！！
前にりぼん３月号の想定ラインナップについて書いたとき、男女の恋愛を話の軸にしたマンガが、今の「りぼん」ではかなり少ないと述べた。
春田先生の新連載は一応、男女の恋愛であろうと思われる。
（ＢＬでなければよいのだが…いやＢＬでもいいのか？
もはや俺にはわからない。）
他、男女の恋愛をメインに描くマンガは無い。
男女の恋愛は必ずしも、マンガ作品のテーマになる必要は無い。
だが、少女マンガ界の女王として君臨していた、90年代の「りぼん」ではそれがほとんどだった。
少女マンガは解体したということだろうか？
男女の恋愛を描いた作品と、それがメインテーマではない作品の間には優劣は無い。
とはいえ、「りぼん」の連載作品のラインナップの性向が大きく変わったことは事実である。
いいか悪いかは別にして。
では、３月号の槙先生の新連載「勝利の悪魔」はどうか？
予告カットに並ぶ二人の女の子―
女の子一人か、男も混じってるなら分かる。
なぜ女二人？
まさか百合ではあるまいな、そうでなければ片方が最近流行り(?)の女装少年か。
（「もやしもん」と「紳士同盟」を見たまえ。
前者は主人公の幼馴染が大学を休学したと思ったら、ゴスロリの女装で再び登場した。以降そのまま。
後者はガチホモと女装少年が見事にくっついてしまった！ラブラブだ！）
もちろん、そのことは冗談として真魚さんたちと話していたのだ。
そして今日読んだ。（現在深夜２時半）
そのまさかだった。
やってくれるぜ…
そのうえカラーページは、しょっぱなからカオスだ！（画像参照）
ちょｗｗｗ槙先生、休載中ニコニコ見てたのか？（笑）
馬を見るとあの有名な動画を思い出す。
ニコ中の方々はご存知ですよね。あの3部作↓
ハイポーション作ってみた。
ハイポーションをマックシェイクで飲んでみた。
ハイポーションで愛を伝えつつ復讐してみた。
ハイポーションを全裸で食ってみた
では本編の概要に移りましょう。
主人公、田中森 朝実(16歳)は訳あって転向することに。
まずは担任の倉木に会うが、見るからにギャル男。
ここは本当に職員室…？
まんがやら、おもちゃやら、お菓子ばかり…
転入生である主人公の面倒を見るのは、"木下光(あきら)"だという。
迎えに来た木下光は綺麗な美少女だった。
絹井みどりという女の子はなぜか、生写真をくれた。
それは朝実の知らないアイドルのように思われた。
案内されて、廊下から教室へ。
しかし、とても学校とは思えない。
さながら仮装大会状態。
かぶりものに奇矯な格好や髪型の生徒たちが好き勝手に大騒ぎしている有様だった。
自己紹介をする朝実。
好きな教科は古典で和歌が得意であることを話し、万葉集について長広舌を…
だが、クラスメイトたちにはまるで話が通じない。
とうとう、「おべんきょのはなしやめて いみないし きょうみないから！」と言われてしまう。
ひらがな言葉でしゃべり、異様なノリで騒ぐ彼らに向かい、あなた達とは話が合わないと、つい言ってしまう。
気まずくなって、朝実は外へ出てしまった。
木下光が追いかけてきた。
自分には合わないと思い、この学校に通う自信をなくす朝実を、何のてらいもなく光は学校案内をする。
そんな光に朝実は身の上を話す。
「さっきは ごめんなさい！
私ね 親が借金作って そのうえ離婚しちゃって
前の学校 私立で学費が払えなくてこの学校に来たの。
勉強好きだったし 恵まれてたし そんな自分の居場所が好きだった
だからさっき、意味ないって言われて悲しかったの
ここはまるで動物園のようで つい…！あんなことを…」
だがしかし、光はあっけにとられた表情で
「そのネタ どこが笑うとこ？」と返す。
ネタではなく悩みを話していると朝実が言うと、
光はマジな顔つきで、
「だってそれ悩みじゃないもん ただの過去じゃん あんたは今ここにいる」と、
達観した意見を述べる。
その様子を聞いていたみどりは、クラスの皆と励ましのつもりでか、
「しゃっきんにまけるな！ おかねはだいじだよー」等と黒板に
無邪気で悪気は無いが無神経な励ましの言葉の数々を書き、朝実を歓迎した。
戻ってきた朝実はそれを見て傷つき出て行ってしまう。
雨の中路地裏に座り込み、泣く朝実。
光が来てくれた。
「もう学校来ない気？ おいでよ。淋しいじゃん。」
と優しい言葉をかけ、傘を渡して去っていった。
家に帰るとひどい雨漏りで水浸し。
親父はリッチだったころを思い出す。
朝実に学校はどうだったか聞くと、
光の言葉を思い出しながら朝実は「…学校 行ってよかった」と答えた。
明日また学校に行ってみよう
あの人たちに伝わるように 話しかけてみよう
あそこには 光がいる
決心を固めた朝実が翌日、教室の扉を開けると、クラッカーでにぎやかな歓迎を受けた。
みどりが、美少年の生写真をもう一枚くれた。
これ何てアイドル？と朝実が聞くと、
「え？これ光だよ」と返す。
光は男！？
そう言われて何がなんだか分からない朝実。
しどろもどろに、何で？と問うと、
当の光は一言、「美しいから。」と答える。
「あんたウチに悩んだことないのかって聞いたけど
ないんじゃん？
そんなことより 毎日楽しく生きてやろうぜ
つってんの」
かくして、朝実と光は衝撃的な出会いを果たしたのである。
まさかの女装少年ッッッッ……！！
「りぼん」でやるか、槙ようこ先生（笑）
「紳士同盟」ではサブキャラ同士だったからまだしも(それでも目立っていたと思うが）、
主人公のお相手(おそらくそうだろう)が女装少年とは、りぼん史上前代未聞ッ…！
主人公が女装少年というのは、吉住先生の「ミントな僕ら」という愉快なコメディがありましたね。
あれももう、10年前か…
いやあ、「りぼん」も様変わりしたものだなぁ。
槙ようこ先生が、こっからどう話を展開していくのか、実に見ものです。
ところで"女装"という行為について、深い論に立ち入ることはここではしない。
というより、私にその資格はない。
女装について、例えばWikipediaの記述を見ると、ジェンダー、宗教、異装、女装論というのは、どうにも難しく思われる。
感覚として実感できないし、わかる事もできないのは、私の思考や考え方、価値観の大部分が、常識とかいうものに従属しているからであろう。
女装や女装する人を貶める意図は一切ないことは、分かってください。
持田先生の連載もお終わり、これでついに男女の恋愛を中心に描かれるマンガは、もはや春田なな先生の新連載だけとなった。
しかし、それとて…
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