馬車郎の私邸

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種村有菜「桜姫華伝」第3回  りぼん2009年3月号感想その2

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青葉の放った矢は桜姫の胸を射抜いた。
苦しむ様子に動揺する青葉。
中納言が現れ、「親王様… 情けをかけてはいけません、先代の帝のようになさりたいのか?それともすでに惑わされたか?」と挑発する。
青葉が桜姫にとどめをささんとしたとき、巫女の老婆、白夜が駆けつけた。
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妖古は姫にしか倒せないことがまだわからぬか!と一喝する白夜。
青葉は平然と言い放つ。姫は人間ではない、妖古と同じ不老不死の化け物だと。
さらには、月の国の罪人がこの地へ流され人間を喰らい、心をなくした成れの果てが妖古であり、桜姫の母も妖古になった。お前もならないとなぜ言える!?
と言って青葉は桜姫を責める。

白夜が食い止めているうちに落ち延びる桜姫。
自分が化け物で人間ではない、と言われたことに苦悩し、
深手を負って意識は朦朧とする。
追っ手から逃げる際に崖から転落してしまった。
湖に落ち、溺れるとき、雪女に出会う。
雪女は桜姫にかつて恩義があったようだ。
やがて岸に漂着した桜姫は、琥珀という少女に救助される。

夢の中で、桜姫は青葉に贈ろうとした和歌を思い出していた。
「春霞 季節越し咲く 桜花 重ね重ねて 月と光らん」

表の意味:一年の時を経てやっと咲く桜の花は、時を重ねて咲き続けていけば、いつか月のように永遠に輝くでしょう。

女房の淡海の解釈による裏の意味:
まだ夫婦として始まったばかりの二人だけど、
逢瀬を重ねれば月の姫である桜姫様のお心も
いつか親王様への愛で満たされるでしょう。
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桜姫が目を覚ますと小人の朝霧が声をかける。
青葉に渡せなかった和歌を破り捨てる桜姫。
自分が何も知らなかったことを悔悟し、
歌を贈れなかったことを悲しいと思い傷つくことに戸惑いを覚える。
涙に暮れていると、琥珀が現れた。
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琥珀は自分が忍びの里八代目の頭領の娘であると名乗る。
さらに、代々朝廷に仕え、主が王良親王、すなわち青葉であることも明かした。
桜姫が手当てをしてくれた礼を言うと琥珀は外へ。
物言う蛙、疾風(はやて)が、お前さんは親王様に追われてるんだろうから早く出て行けと言った。
彼は、琥珀に小さいころかけられた術が解けず、蛙の姿なのである。
里にはすでに捜索の命令が届いている。
琥珀は3日間この辺りに居てそのことを知らず、訳ありっぽいからかくまっただけであり、いつ里に知れるか知らないから傷が治ったら出て行けと、改めて疾風は忠告した。

桜姫はいつのまにか痛みが消えていた傷を見るが、傷はなんと、なかった。
不老不死の妖古と同じ月の化け物という言葉が、脳裏によぎる。
運命に支配されたら、妖古を滅ぼすか人間を滅ぼすのかわからない。
自分の意思と無関係に決められるのが運命だ。
運命に苦悩する桜姫。

琥珀は里の頭領になるために、赤玉と呼ばれる獰猛な鷹をやっつけようとしている最中だといった。
その時、謎の音波にふらつく桜姫。
抱きとめてくれた琥珀に対し、桜姫が思ったのは…(画像参照)
まさに人間を喰らわんとする妖古そのものだった。
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自分が人食いの化け物であることに自責の念を感じ、
去ろうとする桜姫。
追う琥珀に秘剣血桜をつきつける。
血桜はまたも勝手に動き出し桜姫は止めようとするが、琥珀は変わり身の術で逃れる。
琥珀は、自分はどじだが馬鹿ではない、姫様に矢を放ったのは誰か分かっていると告げる。
そして今、自分を殺したくないと思っている優しい方であることも。

桜姫は、自分は妖古と同じ化け物であるのに、そのような言葉をかけるのはどうしてかと問う。
実は琥珀は、親王が桜姫を追っていることを知っていて、桜姫を始末しようとしていたのだ。
しかし、桜姫が目覚めたときに親王を思い泣いていたのが忘れられず、どうしてもできなかった。
桜姫の優しさを知るたび、殺さずに済む理由を見つけられた気がして嬉しかったと言う。
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互いに殺したくないと思っている限りは、桜姫を妖古は違うのだと琥珀は言い、互いに信じることを確認しあう二人だった。

赤玉に挑む、琥珀。
様々な術を使い実力はあるのだが、琥珀はどじだった。
そして戦っていた相手は、赤玉を倒し巣を奪った、三つ首の鷹の妖古であった!
桜姫が琥珀を、妖古は自分でなければ倒せぬと静止するが、
琥珀は頑として聞かない。
なぜなら、ここを通る人はいつも命がけで困っており、それは赤玉でも妖古でも同じことだからだ。
そして自分は頭領の娘だからではなく、頭領になりたいのではなく、立派な忍者になりたいのだと琥珀は言う。

運命ではなく主体的な意思を持つ琥珀の言葉に、桜姫は共感を覚えた。
自分も運命だからではなく、人を守りたい、この国を守る立派な姫になりたいと決意する。
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里を襲撃する妖古を前に、共闘し挑みかかる二人。
「やはり現れたな」と不敵に言って現れたのは、青葉であった。
妖古は桜姫をおびき出すための罠であり、妖古を呼び寄せたのは、妖古の飢餓感を触発する笛だった。
そして、その笛を青葉は桜姫に使う。
「正体を現せ 姫よ!」



種村先生、異例の3号連続56ページお疲れ様でした。
毎回、2話分以上読んでいるようで濃厚ですね。
パワーと勢いで、実に読ませる展開です。
この豪快さが春田先生にもあればもっとすごい作品が…と思ったりもしますが、二人はタイプが違うので仕方ないね。

見得を切るところとかすごい種村節です。
愉快で粋な啖呵(?)ですねf^^;
「桜降臨!(自分で自分を降臨って言うのかww)
月下天誅!(意訳:月に代わっておしおきよ!)
ご意見無用よ!(種村有菜先生にはご意見は無用であろう)」

ところで作品のテーマは「運命」で、運命に立ち向かう桜姫の姿を描くと、種村先生は言っています。
ほぼ単行本一冊に近いこれまでの話で、早くもこの点が描かれ始めました。

超展開の続出で、いちいちつっこみきれないですが、種村先生の自由な発想はいつ見ても痛快です。
まだ3話目なの!?という感じですが、これからますます盛り上がっていくでしょう。
今後に期待です。

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