馬車郎の私邸

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、将棋、プロレス観戦記など「趣味に係るエッセイ・感想・レビュー記事」をお届けします!ある市場関係者のWeb上の私邸

「チョコレートコスモス」第4巻、春田なな  感想…ブロッコス!

「りぼん」タグというのを新設しました。
「りぼん」関連の記事は↑のリンクか、右側のカテゴリの欄からクリックして下さい。
「いろいろエッセイ」目次
レビューした「マンガ」一覧
レビューした「本」の目録

チョコレートコスモスの花言葉:「恋の終わり」「失恋」「恋の思い出」

作品テーマは、先生との恋愛とみせかけて、実は不器用なツンデレの敗北……!?

作品全体を通して、紗雪が萩原先生を好きになって、付き合うまでの過程を一貫して描いている。
だから、主人公と一緒になって、萩原先生の言動や態度にハラハラドキドキしながら読める点は良かった。
その意味では楽しませてもらったというのが正直な感想だ。
絵や雰囲気もいいし、春田先生の技量が洗練されてきたことも感じさせる。
539

だが、4巻はなんとりぼんマスコットコミックス史上最薄の130ページで発売され、長い連載にならなかった。
なぜ、長い連載にならなかったか?
その理由は3つある。
一つは、結末が最初から見えていたこと。
二つ目は、三角関係が磐石ではなかったこと。
三つ目は。主要3キャラ以外の活躍がろくに無かったこと。

悠士は萩原先生に勝てないだろう。
彼の勝ち目が無いことは、読んでいく中でわかりきっていたような気がする。
少なくとも自分はそう感じた。
ということは、紗雪、萩原先生、悠士の三角関係でハラハラできないのだ。
そのうえ、この三人以外のキャラがストーリーに絡んでこない。
ならば、話の膨らませようがないし、15話で終わるのも当然だろう。

確かに悠士は、紗雪が昔好きだった人なのだが、不器用さと無愛想のせいで今では紗雪にほとんど嫌われてしまっている。
ツンデレなので好きな気持ちを相手にわかってもらうことも出来ない。
これでは、とても勝ち目は無いのだ。
160681019_f401e261cb

結果として読者は、紗雪が萩原先生への思いを遂げるまでのプロセスと同時に、悠士の絶望的な恋をも平行して見ることになる。
4巻の柱で春田先生は、紗雪と悠士のテーマは「不毛な恋」と明言している。
表題のチョコレートコスモスの花言葉「恋の終わり」「失恋」「恋の思い出」と見事に対応しているのだ。

さらに、チョコレートの味は「甘さ」と「苦さ」。
この点も実は作品に反映されている。
紗雪は一度萩原先生に告白してフラれている。
チョコレートコスモスの花束を贈ったのだが、このときは花言葉どおりの結果になった。
しかし、最終的にはめでたく先生と両思いとなり、精神的には苦さから甘さへと変わった。
物理的にも甘味を味わう(?)ことになる。
最終回のキスは、チョコ味の飴であり、第一話の海での出会いで先生はチョコバナナをくれた。

一方で苦味を散々味わう悠士。
彼は無残な敗北の後でも、紗雪の偽彼氏役を全うしなくてはならないのだ……!
ガンッ(電車のドアを殴りつけ)
「ーけんな
ブッコロス」

2008112919420000

などと、八つ当たりしたくなるのもわからないでもない。

ちなみに真魚さんが「ブッコロス」を「ブロッコス」と読み違え、以来「ブロッコス」という言葉が流行している(笑)


2008112920160000
不器用なツンデレが敗北するとかくも無残な目になる。
実はこれも、「チョコレートコスモス」で描かれたテーマだったのではないだろうかf^^;
不器用なツンデレは萌えの対象としては紙やセル画の上に存在するが、コミュニケーション能力が恋愛には何より大事であり、当然実際はツンデレという属性は有効であろうはずがない、ということを春田先生は描いたのかもしれない。
ナチュラルツンデレだろうと、ツンデレ気取りだろうと、ツンデレである限り、両思いになれる確率は決して高いものではないのだ。
・・・・・・まさかな(笑)

悠士は、番外編でもフルボッコです。

「そうそう、昔は両思いだったのに、結局フラれちゃった悠士のような試合だったね」

笑顔でこんなことを平気で言ってのけるとは、なんという鬼畜…!
さすがに不憫すぎる。

2008112920080000
そして、悠士は合コンの話をもちかけられて、「俺は好きなやつとしか、付き合いたいと思わない。」と発言。

「そんなかっこいいこと番外編で言っちゃうんだ……」
と仲間たちに哀れみの目を向けられる始末。
2008112920080001

どこまでも哀れな…


さて、それはさておき、「チョコレートコスモス」はなんだかんだで面白かったです。^^
けっこういいマンガでしたが、これからの春田なな先生は長期連載の大作がぜひほしいところです。
無難に面白いのも大切だけど、冒険も必要な部分があるかも。

といっても、春田先生はまだまだお若いのでいまなお右肩上がりで発展途上。
いずれ成熟した作品をきっと描き上げてくれるでしょう。
今「りぼん」で最も「りぼん」らしさのあるマンガを描いてくれる先生です。
これからが実に楽しみですね。

2008112920010002
ちなみに、12月29日発売の「りぼん」2月号からの新連載の情報が4巻の帯に!

ちょwww、主人公の顔にモザイクだと!!(笑)
せめて、?マークとかにしてあげなよ。
こんなの初めて見たf^^;


banner_23人気ブログランキングへ

関連記事:
りぼん2008年7月号感想その1
りぼん2008年7月号感想その2
りぼん2008年8月号感想
りぼんっ子への100の質問
増刊号に、腐女子堂々推参!! ―801の日―
春田なな先生&酒井まゆ先生サイン会
りぼん2008年9月号感想
りぼん2008年10月号 感想
りぼん2008年11月号 感想
「ロッキン★ヘブン 」第8巻 酒井 まゆ


チョコレートコスモス(4)
チョコレートコスモス(4)
チョコレートコスモス(3)
チョコレートコスモス(3)
チョコレートコスモス(1)
チョコレートコスモス(1)
チョコレートコスモス(2)
チョコレートコスモス(2)
チョコレートコスモス ショコラ 10.5センチ
チョコレートコスモス ショコラ 10.5センチ

にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 漫画ブログ 少女漫画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村