馬車郎の私邸

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1000字で大体わかる、6世紀ビザンツ帝国(東ローマ帝国)征服事業

時は6世紀、東ローマ帝国の農民出身の皇帝ユスティニアヌスの治世。西ローマ帝国は滅び、その旧領にはゲルマン民族が支配層の王国が多数割拠していた。
かつての栄光を取り戻すべく、勇将ベリサリウスを総大将とする精鋭が乗り込む、軍需物資を満載した600隻の大艦隊が首都コンスタンティノポリスから出撃。
北アフリカに上陸してこの地を支配していたヴァンダル王国の国王ゲリメルの16万の軍勢を破った。
ゲリメルは降伏して北アフリカは再びローマ帝国領となった。

西ローマ帝国を滅ぼしたオドアケルを倒して、東ゴート族のテオドリック大王はイタリア半島に支配権を確立したが、数十年の後、内紛により 東ゴート王国は動揺した。
これに乗じて、イタリアの民衆の支持を得たベリサリウスはついにローマに入城した。
ゴート王ウィティゲスは15万の大軍で1年に わたってローマを包囲したが数万の兵を失ってラヴェンナに逃げ帰った。
武将ナルセスらの別働隊と合流したベリサリウスはラヴェンナを包囲してウィティゲス を降伏させた。
また、条約を破ってササン朝ペルシアの王ホスロー1世が防備の手薄なシリアに侵入したが、ベリサリウスが派遣されたことを知り撤退した。
こうして英雄となったベリサリウスだが、そんな彼の悩みは妻の浮気と、宮廷の高官たちの嫉妬であった。

イタリアに駐屯している11人の武将の悪政に耐えかねた民衆の支持を得て、新たなゴート王トティラはイタリアを制圧、ローマを占領した。
わずかな兵を与えられたベリサリウスはローマを奪回し三度の総攻撃を跳ね返したが、劣勢となりイタリアから撤退した。
この危機に際し本格的な大軍が編成さ れ、武将ナルセスはローマ近郊でゴート軍を破り、トティラを討ち取った。
ナルセスはその後ゴート族の残党を掃討し、北イタリアに進入したフランク族とアレマンニ族を撃退した。
彼はラヴェンナ総督として15年イタリアを統治した。同じ頃、ブルガリア人たちが南下し、 首都コンスタンティノポリスの城壁にせまったが、年老いたベリサリウスにより撃退された。

数年後ベリサリウスは死んだ。そしてその8ヶ月後ユスティニアヌス帝も亡くなった。38年の治世、83歳の生涯だった。
彼は1時間睡眠で 事務処理と勉学をこなしていたという。また彼が製作を命じた「ローマ法大全」は日本をはじめとして各国の法律の基礎となっている。