300ページに、野望に燃えた若き男の一生が濃密に詰まった一冊。
「君主論」を書いたフィレンツェの外交官マキアヴェッリが、理想とした君主、チェーザレ・ボルジア。
1500年頃のイタリアというと、ルネサンスのイメージがあるが、権謀術策の限りを尽くして中部イタリアを平定したローマ教皇の"息子"がいたのである。
彼は現実主義で合理的、怜悧な判断、革新性を持ち合わせた武将であり、諸外国との折衝により様々な同盟や援助をとりつけ、また立ち回った外交官でもあった。
。
かような男の「優雅なる冷酷」とは何であったか―
理想主義や空虚な言葉でごまかす現代の政治家に、ぜひ彼の冷徹な政治判断、行動力などを学び取ってもらいたいものである。
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷