馬車郎の私邸

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「感動詞の演じ分けについて」

声優にとって、何も台詞を読むことだけが演技というわけではない。声によって表現するのだから、台詞と台詞に挟まる声も場合によっては演じることがある。それは、一般に感動詞と呼ばれるものである。wikipediaによれば、感動詞とは、以下のとおりだ。
感動、応答、呼び掛けを表し、活用がなく、単独で文になり得る語である。主語、述語、修飾語になることも他の語に修飾されることもない。間投詞(かんとうし)、感嘆詞(かんたんし)、嘆詞(たんし)とも言う。つまりは、「ああ」「うん」「oh…」「yeah!」「でやぁっ!」「ぐふっ」「てへぺろ(・ω<)」…あげていくときりがないが、こういった言葉である。

このような感動詞をうまく演じ分けることで、話者の心情をいかに表現できるかが、演技の巧拙の着眼点として意外に見落とされているのではなかろうか。声優の演技というと、やはり台詞にどうしても目が、いや耳が行きがちであると思われる。。台詞を読むことよりも、感動、応答、呼び掛けを表す感動詞を表現する方が、実はより高度な技巧なのかもしれない。

この点について、うまい声優は誰かと思い巡らすと、近年では佐藤聡美さんがとりわけ代表格としてあげられるだろう。先週土曜に友達と劇場版「けいおん!!」を見たばかりであり、昨日その多彩な演技集を紹介したばかりで、なおかつ以前にも書いたようにそもそもこの方は私の贔屓の声優であるから、もちろんその評価は割り引く必要があるかもしれない。しかし、それにもかかわらず!(dennoch!)、下にある動画を視聴いただければ一目瞭然(一耳瞭然?)のはずであると、あえて私は主張しよう。「あはーーー↑」であるとか、律が「澪~」と呼ぶ声には言葉自体はひとつであるにもかかわらず、その表現の仕方のバリエーションは無数である。同じ言葉でも、その言葉が発せられる状況、人間関係、文脈、気分、遠近感…etcなどによって、表現は変わる。このような恐るべき表現の多彩さは、まさしく、佐藤聡美さんの技量を端的に表しているといえよう。


けいおん! 律の「あはーーー↑」集めてみた [完全版]


【けいおん!】律「澪~」澪「律~」【総集編】


その他:ずっと律のターン