馬車郎の私邸

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「My Sweet Days」菊池志穂(as館林見晴):8時5分過ぎの改札で待ってる私をあなたは知ってますか?【名曲紹介62】

「My Sweet Days」は館林見晴の数あるキャラソンのなかでも特別な位置づけである。元は、『ボーカル・ベスト・コレクション3』に収録されていた曲だが、館林見晴名義のCDアルバム「My Sweet Days」で表題を務めているのだから。しかも曲順は4番目、4番打者だ。見よ、この強力打線を!

1(中)青になれ!
2(左)ゴールすんぜんっ
3(三)イヴの夜 〜a graduation's eve〜
4(遊)My Sweet Days 
5(一)ハートのスタートライン
6(右)手をつないでいて
7(二)ラビリンス -あなたに届くまで-
8(捕)SPRING DREAM
9(投)フィフネルの宇宙服
10(中継ぎ)ふたりならHAPPY!
11(抑)Over the sky

 CDアルバム「My Sweet Days」は再録中心に、事実上のベストアルバムとなっている。ただし、「イヴの夜 〜a graduation's eve〜」と「ラビリンス -あなたに届くまで-」はこのアルバム新録のオリジナル曲だ。、虹野沙希役の菅原祥子(敬称略、以下同)、古式ゆかり役の黒崎彩子とのトリオで歌う「ハートのスタートライン 」、虹野沙希役の菅原祥子とのデュエット「手をつないでいて」はソロバージョンが収録されている。しかも、「フィフネルの宇宙服」のリテイクバージョンまで入っており、贅沢なアルバムである。

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「My Sweet Days」の布陣は以下の通りだ。
作詞:青柳美奈子、作曲:宮島律子、編曲:根岸貴幸
Guitar: 松下誠、Chorus: 広谷順子,木戸やすひろ,比山貴咏史、Synthesizer: 根岸貴幸
「My Sweet Days」の作詞は「水の都へ」「風よ」「好きなままで好きでいい」も手掛けた青柳美奈子氏である。まさに館林見晴というキャラクター性を象徴するどストレートな歌詞と言えよう。まずは、歌詞の全文を眺めてほしい。

 


あなたとめぐり逢えて 突然 街も風も 景色も光りだした
あなたに会いにいこう勇気を抱きしめたら
始まるの My Sweet Days

8時5分過ぎの改札で待ってる
私をあなたは知ってますか?

ドキドキを隠して うつむく横顔に 素知らぬ顔の人
でもずっと信じてる涙も輝きになる

あなたに恋をしてる 毎日 恋をしてる
瞳を追いかけてる悲しい時は呼んで
どんなに離れてても 贈りたい My Sweet Love

最近どうしたの? 元気がないみたい
いつものあなたと違うみたい

ため息を隠して笑顔を作るのは
あなたに似合わない

日だまりの あの笑顔私に幸せくれる

あなたに恋をしてる明日も恋をしてる
誰にも負けないほど哀しい時は呼んで
いますぐ駆けていくよ伝えたい My Sweet Heart

あなたとめぐり逢えて突然 街も風も
景色も光りだした あなたに会いにいこう
勇気を抱きしめたら始まるの My Sweet Days

あまりにも情熱的で真っ向勝負な歌だ。外角低めに155kmのストレートを投げ込まれたような気分である。恋の情熱をまっすぐに表現している。身に覚えがある人も多いだろう。そう、恋をすると街も風も景色も光りだすんだ。主題をとにかくはっきりと伝える清々しさがこの曲の魅力である。

しかし、皮肉なことに、館林見晴というキャラクターは「なかなか想いを伝えられない」キャラクターなのだ。だからこそ、自身のキャラクターソングでは「思いっきり愛を叫ぶ」のである。「8時5分過ぎの改札で待ってる私をあなたは知ってますか?」。その問いかけを聴いてその思いを理解できるのは我々プレイヤーだけで、主人公はその時が来るまで気づかないのである。

涼やかなバックコーラスのもとドラマテックなサビから始まる「My Sweet Days」のメロディーは、サックスとシンセサイザーが掛け合いのように展開していくさまが実に見事である。電子音・装飾音も随所で的確に配されており、言葉と言葉が途切れる箇所の部分も実に音が多様で、聴いていて耳に楽しい。サビを中心に、伴奏はトレモロを活用しており、胸の高鳴りを象徴するかのようだ。大サビ前の間奏はサックスのソロパートで、これがまた絶品でかっこいいの一言。最後のサビでは、シンセサイザーがよりダイナミックに音が入っていて。コレでもかと盛り上げてくる。

「My Sweet Days」はライブ映えする曲でもある。館林見晴の健気で情熱的な思いを十二分に表現する菊池志穂の歌声については今更論評するまでもないだろう。「Ⅰ」「forever」では、コンディションが悪かったのか、あるいは緊張したのか、やや精彩を欠いたが「ときめきメモリアルスーパーライブⅡ(2003年12月13日、中野サンプラザ)」では持ち味をいかんなく発揮している。金月真美のカバーもビブラートが実に見事なもので、原曲ライブカバー版と3つ楽しめるのも良い点だ。それぞれぜひ耳を傾けてほしい。
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