馬車郎の私邸

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「青と夏」Mrs. GREEN APPLE:フィクションを見て感じる気持ちは本物。要は、青になれ!ってことだ【名曲紹介64】

秋が深まるなかだが、「青になれ!」の次は、Mrs. GREEN APPLEの「青と夏」をご紹介したい。「襟なしのシャツに 10月が来ても夏は終わらない」からだ。

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Mrs. GREEN APPLEを初めて知ったのは、「遊☆戯☆王ARC-V」のエンディングテーマ「Speaking」だった。メジャーデビュー1stシングルだったが鮮烈なハイトーンボイスが印象に残っている。今では人気が拡大し、認知度が高まっているようで嬉しい。
「青と夏」は、Amazon Music Unlimitedでも配信されている4枚目のアルバム「Attitude」に、昨今大ヒットを飛ばした「インフェルノ」とともに、「青と夏」も収録されている。
「青と夏」は、映画『青夏 きみに恋した30日』のために書き下ろされた。タイアップにふさわしいタイトル、歌詞、曲調だ。ボーカルの大森元貴氏はかなり癖がある歌い方をするので(だが、それが良い)、人を選ぶかもしれない。しかし、「青と夏」はいかにも夏らしい爽やかなメロディーに、弾むように楽しく歌っていて、Mrs. GREEN APPLEを知らない人も、特に聴きやすいのではないか。とはいえ、歌唱テクニックはさすがで、音の区切り方で独特な抑揚の付け方が特徴的で面白い。

歌詞は夏の始まりから、特に大サビで視聴者を巻き込んでいる点が面白い。以下、見ていこう。

夏が始まった 君はどうだ
素直になれる勇気はあるか
この恋の行方はどこだ
映画じゃない愛しい日々だ

恋が始まった 合図がした
今日を待ちわびた なんて良い日だ
まだまだ終われないこの夏は
映画じゃない 君らの番だ
映画じゃない 僕らの青だ

映画じゃない 僕らの夏だ

他人事の映画だけでは終わらせず、視聴者を自分事として巻き込んでゆく問いかけがユニークである。映画じゃない、僕らの青、僕らの夏だと歌いかける様は、「アニメじゃない! ホントのこーとさー!」を思い出す(最近では銀魂おそ松さん3期OPがパロディしてるね)。あまりに突飛な歌詞に聞こえるかもしれない。しかし、趣旨を噛み砕いて言うと、「たしかにアニメは現実ではないが、それを見て感じられることはアニメではなく、本当のことなんだ!」という思いの発露である。

アニメだけでなく、映画でも同じだ。この映画を見て、夏に素敵な恋をしたいと思ったなら、その気持ちは本物である。

2番サビの後半では、以下のように歌われている。

 「大人になってもきっと 宝物は褪せないよ
 大丈夫だから 今はさ 青に飛び込んで居よう」

 お分かりいただけただろうか。人生・青春は一度きりだ。つまり、「青になれ!」ということなのである。

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