馬車郎の私邸

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名曲紹介41:光田康典「クロノトリガー」格調高く雄大な、時空冒険の序曲!

スーパーファミコンの超大作RPG『クロノ・トリガー』は1995年3月11日に発売された。今日が25周年である。まだスクウェアとエニックスが合併していなかった頃、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二、『ファイナルファンタジー』の坂口博信、『ドラゴンクエスト』、『ドラゴンボール』の鳥山明が参加する超豪華タッグで制作された。
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この巨弾大作RPGの音楽を担ったのは、当時なんと22歳の光田康典氏だ。光田氏は、1992年にスクウェアに入社。『クロノ・トリガー』の音楽には光田さんの他に、植松伸夫ら2人の作曲家が参加しているが、本編中の楽曲は光田さんの曲を中心に構成されており、作曲家としての本格的なデビュー作ということになる。

『クロノ・トリガー』は過去から現在、未来に至るまでいろんな時代を旅し、破滅的な未来を変えるために戦うというシナリオだ。光田氏は、鍵盤楽器や管楽器、弦楽器など、西洋楽器のテイストを中核にしつつ、ゲームにおける多彩な時代の空気とシチュエーションを見事に表現している。

その中でも、オープニング曲にして作品と同一のタイトルを冠する『クロノ・トリガー』は、まさしくメインテーマであり、象徴的な一曲。全般的にジャズテイストで、優美な雰囲気を保ちながらも、多大な困難に挑むシリアスさをも内包している点が特長だ。

ストリングスの前奏は、雄大な"予感"めいたものを感じさせてくれる。格調高いメロディーは、まさに作品が本格派であることを示唆していると言えよう。メインの旋律はサクソフォンによって、渋く演奏されており、これがとにかくカッコいいの一言。思わず語彙力を喪失してしまうほどに圧倒される。ドラムスは緊迫感を添えており、メロディーを引き締めている。

終盤は再びストリングスの旋律に戻るが、時空を超える旅につきまとう"哀感"を物憂げに表現していると言えよう。表面のカッコよさに加えて、奥行きをも巨艦作品の序曲にふさわしい堂々たる一曲である。何度も聞いても飽きない不朽のメロディー、今一度耳を傾けてはいかが?

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クロノ・トリガー オリジナル・サウンド・ヴァージョン
ゲーム・ミュージック, 光田康典, 植松伸夫
NTT出版 (1995-03-25)
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