馬車郎の私邸

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名曲紹介31:橘ひかり(as白雪美帆)「世界でいちばんささやかな奇跡 ~Miracle Love~」:ファンシーと重厚感の両立!

白雪美帆役の橘ひかりさんといえばスプーの役でも知られているが、非常に滑らかできれいな声の持ち主だ。

白雪美帆といえば、雑な言い方をしてしまえば不思議ちゃんなのだが、良い子なのでちゃんと紹介しておこう。パーソナリティはざっくりこうだ。
・好きな物:かわいいもの 、ケロケロでべそちゃんグッズ
・嫌いな物:うるさいもの、ケバケバしいもの
・特技:自分のペースに巻き込む、現実逃避
・趣味 :アンティーク人形のコレクション
     読書(絵本収集)、占い全般
・所属部 :演劇部
5688-686560692
2つに分けた髪を前で束ねマフラーのようにしている(赤ずきんをモチーフにしているらしい)という、なかなか奇抜なビジュアルが特徴的だ。演劇部に所属しているロマンチストな女の子で、誰にでも丁寧語で人当たりが良くおっとりとした性格だが、嫌な事があると現実逃避をして妖精さんに話しかける癖がある。まあ、難儀な人物といえよう。パラメータは文系・芸術・容姿を鍛えればよいが、デート場所の選択や会話の受け答えにはなかなか苦労するだろう。

20年も前のゲームなのでネタバレなど気にせずに書くが、エンディングはなかなか衝撃的だった。実は妖精さんなどいないことはわかってて言ってるのだ。「わかっているんです、妖精さんなんていないってこと…でも、私は信じたいんです。小さいころからずっと信じてきたから。もし、信じられなくなってしまったら、今までの私じゃなくなってしまう気がして…」

白雪さんは、光にも勝るとも劣らない、思い出を大切にする健気な女の子だ。不可思議な言動は承知の上だった。白馬の王子様を待ち焦がれる白雪姫だというアイデンティティを維持するための自覚的な行動だったのである。他にも隠し玉的な要素があるのだが、このくらいにして代表的なキャラソンの紹介に移ろう。

2002年5月22日発売「ボーカルトラックス5」より、「世界でいちばんささやかな奇跡~Miracle Love~」を今日は取り上げる。作詞:森由里子 / 作曲:M Rie / 編曲:広瀬充寿 / 歌:白雪美帆(橘ひかり)。ドラマCD『ときめきメモリアル2 Vol.7~手のひらの勇気~』にも収録されている。

作詞の森由里子さんは様々な楽曲を手掛けているのだが、ライトノベルの古典的名作「ゼロの使い魔」シリーズのOP、EDが印象的だ。OP「I SAY YES」「YOU'RE THE ONE」「I'LL BE THERE FOR YOU」、ED「ホントノキモチ」「スキ? キライ!? スキ!!!」などである。

1番Aメロ「並木道を歩けば ポプラの木が手を振る」と白雪さんらしいメルヘンな擬人法で始まるのだが、この歌の主題はそこではない。サビで形を変えて繰り返すように、「恋が夢見る女の子を少しだけ変える」ことである。1番Bメロ最後「悩んでいたら力づけてあげたい」、2番Bメロ最後「聞き上手になれたらいいな」と恋の相手を慮る様子が、これだけのマイペースで奇矯な人物から発せられるようになるのだから、少しだけではない変わりようだ。

曲調は明るく爽やか、おっとり、ゆったりだ。ティンパニーらしきタタターンと始まるイントロはキャッチーで、ホルンの堂々とした旋律が格調高く、そこに弦楽器が合流する。ベースの安定感ある伴奏ががっちりと支えになるほか、言葉の間には鐘の音のような装飾音が彩りを添え、ドラムスも効果的だ。総合的に見て完成度の高い楽曲といえよう。

長い音が多い曲なので、橘ひかりさんの滑らかで瑞々しい歌声も実にマッチしており、耳に心地よい。ファンシーと重厚感は両立できることを体現した名曲といえよう。
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3分45秒~