馬車郎の私邸

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名曲紹介11:2018年アニメ OP・ED私的ランキング

最近「名曲紹介」というタグを設けて様々な曲を紹介していますが、今日は往く年を惜しみつつ、2018年アニメ OP・ED私的ランキングとして紹介していきます。なお、同一作品のOP・EDのランクインは便宜上同順位で掲載しています。

10位:「はねバド!」OP YURiKA 「ふたりの羽根」
パワフルで伸びやかな歌声が、バドミントンというタフな競技性にマッチしていて、さり気なく好きなOP。


9位:「恋は雨上がりのように」 OP「ノスタルジックレインフォール」CHiCO with HoneyWorks
「雨」というと森高千里だけでなく、ニール・セダカ「Laughter in the rain」中西保志「最後の雨」など感傷的な名曲が多い。この曲もそうした曲たちと同様に、メロディアスな旋律に乗って恋の思いを叙情的に語りかけてくる。


8話:『からかい上手の高木さん』
ED「気まぐれロマンティック」/高木さん(CV:高橋李依)

すでにこの曲が10年前ということが驚きだが、いきものがかりの活動再開にホッと一息。難波支店勤務時代によくカラオケに行った同期が得意だった。さて、本曲はカバーソングだが、大掛かりなアレンジなしでも、高木さん演じる高橋李依さんの歌声にばっちりマッチしていた。やはり声質がとてもあっているというか、FGOラジオでのあたかもラフムのようなはしゃぎぶりとのギャップもGoodだ。


7位:「中間管理録トネガワ」OP
「颯爽と走るトネガワ君」ゲスの極み乙女

スキャンダルはありながらも、「ゲスの極み乙女…あ、歌上手いんだ」という感覚にさせてくれた。カイジの宿敵・利根川幸雄を主役にしたスピンオフ作品が2クールで放送されたことに加え、今どきにしてはめずらしく2クール続けてOPに使用されたことも驚いた。作品は、どことなく可笑しみが漂っていて、悪の幹部の普段の業務への取り組みを描くだけで、こんなにも面白いのかと感心した。


6位:「りゅうおうのおしごと!」OP
「コレカラ」Machico


「このすば」でもおなじみのボーカリストMachicoが元気いっぱいに歌うのが印象的なOP。その歌詞は勝負師の心であり、作品のテーマもそれだ。アニメは1クールのみとあって、ライトノベルの革を被っているところの外形的な部分を強調して作品にしたように思える。すこしもったいなかったかも。それにしても香川愛生女流三段が空銀子のコスプレを度々披露するようになるとは誰が想像しただろうか…


5位:転生したらスライムだった件  OP
「Nameless Story」寺島拓篤


贔屓の声優さんの一人は佐藤聡美さんなのだが、旦那さんの寺島拓篤さんというと「創聖のアクエリオン」が懐かしい。8年越しの交際の末の結婚ということで、プロとして互いを高め合う関係性にとても憧れる。最近では、サークルの先輩である田中ストライク先生原作のアニ「SERVAMP」でも主役を演じておられた。EDの「Sunlight avenue」の可愛い歌い方から一転して、スピーディ、スタイリッシュでキレがある歌い方に聞き惚れる。


5位:「転生したらスライムだった件」ED
「Another colony」TRUE


「レッツ・カップリング!」のアニメOPも好きだが、この曲もダイナミックな歌い方が、格調高い、高潔な歌詞に実に映える。大黒摩季ばりのパワフルな歌唱が、さらなる活躍を予感させる。


4位:S.S.S.S.GRIDMAN ED
「Youthful Beautiful」内田真礼


OPも後に紹介するが、EDもなかなかどうして名曲だ。切なげなイントロに加え、胸に来る歌声が青春を懐古させるそんな一曲と言えよう。


4位:S.S.S.S.グリッドマンOP
「UNION」OxT(オーイシマサヨシ、Tom-H@ck)

「多田くんは恋をしない」OP「オトモダチフィルム」が好きだったので、この曲ももちろん好きなタイプの楽曲。絵コンテも魅力的で、グリッドマンは小さいころ少ししか見てなかったが、作品の世界に入り込むことができた。その意味で、アニメの導入たるオープニングテーマとして素晴らしい曲だと言えよう。


3位:「寄宿学校のジュリエット」OP
「Love with you」fripside


今どき珍しい正統派のラブコメOP。曲調は華やかで気品がある。音階を自由に行きつ戻りつする南條愛乃の歌声が耳に心地よく、さすがの技量だ。映像も花をうまい具合に散りばめた、背景はほとんど白を基調としていて良い意味でさっぱりした印象を与えてくれる。高水準なアニメOPとして注目でき、個人的には高く評価している。


2位:「ピアノの森」 ED 「帰る場所があるということ」悠木碧

Los! Los! Los!と同じ人が歌っているとは思えないくらい美しい歌唱には感嘆の一言。下の発売記念ニコニコ生放送では、いつも通りの通常営業に戻っていて、我に返ってしまう(笑)
MVもとても良い出来なのだが、9分~「ロリショタ(MVの出演者)たちはケモナーどころか…」、12分~「可愛いねえ~!はあっ、尊っ。」などとのたまい、カップリング曲の「ビロードの幕」は早見沙織ばりの透き通った声で歌い上げて紹介したあと、15:20~「こんにちは~早見沙織です」としれっとうそぶく。

お便りに対しては、27:30~「これはですね、簡単です、課金しましょう。」など悠木碧節が次々と炸裂。受験と趣味の両立の相談に対しては、突然堰を切ったようにガンダムOOについて語り始める…!37:40~「私の場合、そのため(ガンダムOO)に髪も切ったし、受験もした」「(ロックオンの死を深く考えた結果)戦争や社会情勢、政治のことを勉強しないといけないと思った」

小説のテキストを楽しむのに、小説家自身をどこまで知る必要があるかというのは、よく言われる命題だ。楽曲や本編作品に加えて、アーティスト自身にも興味を持つのは多くの場合、より面白くなるだろうし、その逆も結構なことだと私は考えている。そういうわけで、あまりに供給過剰なアニメ作品をチョイスするベンチマークとして、日野聡、松岡禎丞、茅野愛衣、佐藤聡美、悠木碧の5名が出ている作品はまずは見てみることにしている。

関連:【ライブレポ】プチミレディ(竹達彩奈・悠木碧) 2nd LIVE2015.12.06有明コロシアムに行ってきました。





1位:
「グランクレスト戦記」OP1「starry」綾野ましろ

「 - Fate Stay Night - Unlimited Blade Works 」の主題歌「Ideal White」もとても好きな曲だが、この曲のインパクトはそれさえもしのいだ。あの「ロードス島戦記」の水野良が繰り出す作品とあって、本格派ファンタジー戦記「グランクレスト戦記」はとても壮大な話で、原作10巻も洗練された文章とよく練られた構成に舌鼓を打った。アニメは監督、脚本、シリーズ構成の技量と役者の好演も相まって、なんとか2クールでよく収めたものだと思う。ただし、大河ドラマの総集編を見ている気分がなかったわけでもなく、4クールだったらどうだったかと想像を掻き立てられてしまう。OP2「凛」やED2つもかっこいいのだが、OP1「starry」を紹介させていただこう。

本編も凝縮されたものだが、アニメOPも凝縮されている。まず、「物語が動きだす!」と力強く劇的なイントロで、主人公の君主テオ・コルネーロと魔術師シルーカ・メレテスが手を携える。掲げるのは作品の象徴、聖印だ。間奏は、クラリネットだろうか、クラシック調の旋律が西洋近世風の世界観を漂わせ、作品世界へと誘う。

Aメロ冒頭はテオが圧政に苦しむ故郷システィナを後にし、大陸海岸に漂着したと思しきところを映し出す。これは作中には描かれていないシーンだ。「信じることさえも愚かしい この世界に何を願えばいい」という歌詞の内容がテオの気分を、戦乱に苦しむ民衆の気持ちを代弁している。見上げた先の白馬は希望の象徴か、君主として名を挙げ戦乱に終止符を打つテオの運命を暗示している。

続いて、シルーカが魔法都市の尖塔をバックに、新体操のリボンよろしく6つの色を描き出す。それはシルーカが作中で魔法大学の七つの学部のうち六つを修めた才媛であることを示すと同時に、多種多様な勢力と人物をまとめ上げる策士であることをも象徴していると言えよう。静かな冒頭と打って変わって、メロディーにギターのカッティングが加わり躍動感を生み出している。「それでも諦めたくはないと 昂ぶる命に導かれた」という歌詞も、様々な人物がテオの人徳を慕って集結することを予感させるものだ。

Bメロはファクトリー・アライアンス<大工房同盟>の盟主マリーネ・クライシュとファンタジア・ユニオン<幻想詩連合>の盟主たるハルーシア候、アレクシス・ドゥーセが登場。なぜこんなネーミングかというと富士見書房(ファンタジア文庫)40周年、メディアファクトリー(MF文庫J)10周年の記念作品だからだ。そして、大陸を二分する勢力の盟主の悲運の恋はこの作品のテーマの一つである。マリーネは暗黒のなかアレクシスに背を向け、かわって豪傑の剣豪ミルザー太守が血の海からせり上がるように現れる。鬼気迫る様相でマリーネは剣を振り血を浴びるが、血は二重の意味を象徴している。伴奏のヴィオラの旋律が実に優美で、インストゥルメント版も思わず買ってしまったほどだ。

歌詞の「僅かな祈りが 潰える刹那の淡い夢だとしても 立ち尽くしたまま ただ眺めている傍観者ではいられないから」も、この3名、いや作中の人物たちの思い抱く心情に合わせてみると感慨深い物がある。サビ前では、炎上する城をバックにアルトゥーク伯ヴィラール・コンスタンスとその魔法師マルグレットに続けて、黒魔女ヤーナ、吸血鬼の王ディミトリエなど本編のキーパーソンが立て続けに現れる。

サビは怒涛の動きで勢いがある。、闇を切り裂くテオの斬撃の合間から、傘下の勇猛な君主ラシック・ダビッドが騎馬で突進、凄腕の傭兵アイシェラが渾身の一撃を放つ。テオは剣を構えたまま遠景に下がり、人狼の双子エマ、ルナと諜報・暗殺はお手の物の侍従アーヴィンも加わる。

シルーカのアップから、ヴィラールの契約魔法師3人組と横に並んだ(GガンダムのOPみたいでかっこいい)後、横目で睨むはヴィラールの横顔。

続けて、夕焼けをバックに白馬で駆けるテオの姿に場面は切り替わり、ダビッドの契約魔法師モレーノや、聖女プリシラも加えた配下の面々が振り返るなか、華麗にダイナミック☆下馬!シルーカとともに夕焼けを見つめ、未来を見据える姿もまた、良い。

サビの歌詞は「重なりゆく運命(さだめ) 抗いし希望は 風を切り裂く白き翼となって煌めいて 絶望に歪んだ空へと羽ばたいて 物語は動き出す」。安易な横文字に頼らず、抽象的な言葉なのに躍動感がある用に感じる。歌唱、曲調、歌詞の調和が素晴らしく、アニソンのお手本として記憶されるべきオープニング主題歌だ。