馬車郎の私邸

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先回りして考えておきたい、結婚相手に求める条件、不安要素

直近、自身の恋愛と結婚についてモーム風の文体で振り返る機会があったなか、ある大先輩とtwitter上の会話の中で結婚について少しばかりやり取りをしたため、あらためて結婚を考えるよいきっかけになっている。以前、友人の結婚式でスピーチをする機会があったが、式のなかで婚活サービスが出会いのきっかけと堂々と新郎新婦が公言しており、社会情勢の変化に驚いたものだ。ちょうどいいことに、婚活サービスの関連企業を実務上調べる機会もあったので、結婚をめぐる現代日本人の意識についてシリーズ化し、読み物にして紹介していきたく思う。

まず、とりあげたいテーマは「先回りして考えておきたい結婚相手に求める条件」だ。転ばぬ先の杖と言うわけである。何が求められているのか、ニーズを探ることはマーケティングの基本であり、また自身が何を求めているのかを整理する際に参考になれば幸いだ。

内閣府の平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」は、結婚相手に求める条件について複数回答形式で、以下のとおりまとめている。

「価値観が近いこと」75.6%
「一緒にいて楽しいこと」74.5%
「一緒にいて気を使わないこと」73.5%
「金銭感覚」47.4%
「恋愛感情」40.9%
「自分の仕事を理解してくれること」34.5%
「経済力があること」32.1%
「共通の趣味があること」31.1%
「容姿が好み」30.9%

死ぬまで一緒、あるいは死んでも来世で一緒にいたい相手と結婚するわけだから、上位3つの条件の7割超えは不思議ではない。価値観が近くて、一緒で楽しい相手が良いのは恋愛と同じだ。一緒にいて気を使わないというのも、長い時間をすごす夫婦関係においてはかなり重要なポイントだと思える。十分に楽しく、何よりも気楽な相手ということが自分にとっては最大の決め手のひとつだった(妻からもっと気を使えよ!と言われそうだが…)。価値観の近さは結婚後においても重要だが、やや過信を生む面もある点には留意が必要だ。「わかっているだろう」という予断を考慮し、言葉にすべき点はしっかり報告・連絡・相談するとなお良しといえよう。

もちろん、価値観が異なる相手は魅力的に映るというのを否定する気はない。経験上、価値観が異なるがゆえに魅力的に思えて、異なるからこそ互いに歩み寄れる結果、一緒にいて楽しいということもあろう。しかし、恋愛においてはどうにも自分を良く見せようだとか、もっと好きになってほしいとか、相手を楽しませたいだとか、あれこれと気を使うものだ。したがって、すべてのカップルが結婚前も結婚後も、自然体でいられる状態を維持出来るとは限らない。

また、恋愛感情は41%程度にとどまり、結婚の絶対条件になってはいないことは注目すべきであろう。「友達夫婦のススメ」で書いたように、自分は現実を見据えて理性的に考えた結果、友達と夫婦になることを志向し、実現させた。現状のところ、この決断はうまくいっていると評価して良さそうだ。劇的なロマンスやら胸のときめきはそこにはないが、関係は堅実で良好かつ安定的だ。恋愛から結婚へと発展していくのが理想と考えるが、友情を土台にして結婚に発展させていくのも、次善の策として有用である。

さて、愛があればお金なんて…と言う方の考えはすばらしいが、この世で先立つものはなんと言っても金だ!経済力が32%にとどまり、経済力を維持するのに有用な金銭感覚が47%というのはやや意外感がある。妻は学生時代、本屋のアルバイトで学費を支払っており、生活習慣を含めしっかりしているので、その点を私は高く評価している。結婚後も概ねこの点は期待通りだった。しかし、最近では買ってきた唐揚げの量にやや不満を示して12個入りのファミリーパックを買ってくるよう要求したり、近々ケンタッキーが近所のモールにオープンする予定を知ってやけに楽しみにしているようで、アメックスの家族カードを預けていることに一抹の不安を覚えざるを得ない。

仕事への理解が35%程度、条件としてあげられているが、結婚後のアンケートをとったら、もう少し上がってもおかしくないのではないかと思える。経済力の源泉はまさに仕事であるため、夫婦の生活と仕事をどのように調和させていくかは重要な課題だ。ヘンリー・フォードが言うように、「家庭をマネジメントできないものは、仕事もマネジメントできない」のである。

共通の趣味があるというのが31%程度というのは、もう少し高いかなと思っていたが、好きなものを、好きな人と一緒に楽しめば、もっと楽しくなるはずだ。経験上、相手の好きなものを好きになることはとても大切だと実感している。もちろん全てが一致するというわけにはいかないものの、趣味において共通する点も十分に多い。ドイツ・ホーエンツォレルン城で挙式するくらいには世界・日本の歴史はお互い好きだし、りぼんやジャンプはじめとして漫画も多々共有可能だ。

容姿が好みであるというのも31%程度と、意外に優先順位が後ろの方なのも興味深い。良い、あるいは好みに合うにこしたことはないが、絶対的な条件でもないようだ。恋は下に心、愛は真ん中に心を書く。外見よりも、内面のハートが結婚においてはより重視されているのだと思いたい。

以上で結婚相手に求める条件について主要な点について述べてきた。では、結婚生活を送る上での不安要素についてはどうだろうか。上位3つは次のとおり。
「配偶者と心が通わなくなること・不安になること」 57.1%
「経済的に十分な生活ができるかどうか」56.5%
「配偶者の親族との付き合い」46.6%

配偶者と心が通わなくなることは、結婚以前に人間関係としても恐怖を覚える事項である。恋愛はその熱情の裏返しとして不安定さを内包している。恋愛のみならず、友情をも結婚の基盤として構築しておくのが良かろう。生活基盤の面では、結婚にあたり経済的な見通しが立っているかどうかが欠かせないのは言うまでもない。嫁姑問題は現代においても懸念要素である。夫がどのように立ち回って、嫁と母親を融和、あるいは適度な距離感を維持させるかが重要であろう。

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