馬車郎の私邸

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【観戦記】プロレスリング・ノア2016/11/3・11/23・12/2 後楽園ホール大会

昨年になりますが、たまってしまったので2016/11/3・11/23・12/2の3大会をまとめて感想を書きます。 11/3 ノア グローバルリーグ戦開幕戦。
エストビー社への事業譲渡に伴う新体制発足につき、選手一同と内田雅之新会長が堂々の挨拶、円陣。どこぞの傘の下に入る、風下に立つ団体ではない!との言い回しが含まれていたのは一言多いようにも思えたが、スポンサーたる親会社と上手く航海を続けてほしい。

第1試合モハメド・ヨネvs清宮海斗
ドロップキック、ランニングエルボーアタック、ボディスラムからトップロープからの華麗なミサイルキックで一転攻勢。片足型ドロップキック、ギロチンドロップも清宮はカウント2で返す。カウンタードロップキック、初公開と思われるジャーマンから、格上のヨネに逆エビ固め!

しかし、ヨネの強烈なエルボー、キックに悶絶。清宮のエルボーを全て受け止め、ハイキック、ラリアット、キン肉バスターでヨネ勝利。決め技まで出させたのは清宮は立派。キャリア一年とはやはり思えない。

第2試合 飯塚vs齋藤 この顔合わせは90年代前半の新日本……50前後とは思えない厚みの身体はやはり2人ともプロレスラーという感じがします。場外乱闘から開戦。齋藤・飯塚共に互いに鉄柵に叩きつけまくり元気な様子。飯塚が先制の椅子攻撃!ストンピングから首絞め!

放送席での乱闘から、飯塚がマイクコードを持ち出しての絞首刑という古典的な反則。しかし齋藤がキック、ラリアット、滞空式ブレーンバスター、正拳突き、チョークスラムも、飯塚が紐で首絞め、マンハッタンドロップ、アイアンフィンガーで飯塚快勝と、齋藤反則勝ち!

第3試合 マイバッハ谷口vsランス・アーチャー
谷口はレスリング仕込みの投げ技を得意にしていたが、マイバッハ化後パワーファイトのスタイルに転換してから、パワーで上回るK.E.Sを特に苦手にしているように見えます。本格派ヘビー級同士とあって注目したい一戦。

ダイビングショルダーで機先を制した谷口だったが場外ではアーチャーが圧倒。ストンピングの足をアキレス腱固めもこれはロープ。アーチャーが凄まじい音のハンマーブローを背中に連発、チンロック。谷口がエルボーでロープに押し込むも、アーチャーがタックルから執拗にフォール。

アーチャーがマウントからナックル連発、スリーパーに捕らえながら、谷口コールにシャラップ! 谷口はラリアット4連発からアーチャーの巨体を豪快ブレーンバスター!互いにチョークスラム狙いで譲らず。ロープワークの攻防をパワースラムで制した谷口がチョークスラム先制!

背中へのマイバッハプレスから、正調マイバッハプレスはかわされ、サイドからのタックルからアーチャーが超広角度チョークスラムもカウント2。トップロープ上で大技を狙いあい、一度降りて張り手からブラックアウトの一撃!大味ながらもヘビー級らしい一戦でした。

第4試合 アレハンドロ・サエスvsデイビーボーイ・スミスjr かつて留学生としてノア参戦していたサエスが凱旋出場。首投げとヘッドシザースの応酬、腕の取り合いから、サエスがスミスをヘッドロックへ。しかしスミスもダブルリストロック。序盤はシングルならではの渋いグラウンドの攻防。

スミスの強烈な打撃に、サエスは空中戦で逆襲。再びグラウンドに持ち込んだスミスが一転して場外戦へ誘導して逆水平チョップ、エルボー連発からマットを剥がしボディスラム!スミスペースから、サエスがスワンダイブドロップキックも、キチンシンクから捻り式バックドロップ被弾!

場外のスミスにエプロンからのシューティングスタープレス。スミスのオクラホマスタンピード狙いをサエスがスクールボーイ、 スミスのジャックナイフを逆さ押さえ込みで切り返しあい、スミスがパワースラム、サエスがDDT、トップロープからの大技自爆。

オクラホマスタンピードで勝ち誇るスミスがブルドックボムで仕留めようとした瞬間、最後の力を振り絞ったサエスが技ありの前方回転エビ固めで嬉しい金星。スミスはどうにもツメの甘さがあるけど、シングルでまだまだ観たい選手。

第5試合 鈴木みのるvs矢野
リーグ戦においては特に警戒すべき矢野をみのるが急襲。打撃と関節技でみのる優勢。しかし矢野がみのるの後ろ髪を執拗につかんで反撃も、打撃ラッシュとスリーパー。ゴッチ式は西永レフェリーをつかんで耐える。

みのる怒りのマウントでナックル連発をしのぎきり、タイチ乱入のドサクサに西永レフェリーをぶつけた隙に急所蹴りからTシャツで首を絞めながら丸め込んで3カウント。過去G1でも見せていたみのる攻略法がはまりちゃっかり矢野が1勝。

第6試合 ◯マサ北宮vs☓杉浦貴 
13分34秒サイトースープレックス→片エビ固め
シングル王座陥落も衰え知らずの杉浦貴が攻めて攻めて攻めまくる。若く登り調子で心身ともにタフネスを誇る北宮も、杉浦のエルボーを始めとする激しいエルボーやキックの前にグロッキー…

北宮は開始早々、エルボー、タックルでダウンを奪うと、場外でもエルボー連打。しかし、杉浦もパイプイスで背中を殴打し、リングに戻ってきたところへストンピング、サッカーボールキック、張り手、エルボー。北宮がショルダータックル、エルボー。エルボー合戦から杉浦がストンピング。

5分経過。北宮がブロックバスター、セントーン、ショルダー。杉浦はブレーンバスターをヒザで阻止すると、エルボーの打ち合いからキチンシンク、串刺しハイキック、ヒザ蹴り、コーナーに載せての雪崩式ブレーンバスター。しかし、北宮もブレーンバスターで反撃。両者ダウンとなる。杉浦がヒザ蹴りから左のラリアット。怒涛の攻めからさらに杉浦がコーナーに押し込んだ際、西永レフェリーに激突してしまい、失神。杉浦がイスを持ち込み、背中に振り下ろすが、北宮もターンバックルめがけてのジャーマンでお返し。ラリアット合戦から北宮が打ち勝つと、串刺しプレス、ラリアット。強引にブレーンバスターで投げ捨て、勝機に踏み込んで畳み掛け、スピアー、サイトースープレックスで杉浦から殊勲の3カウント!

第7試合
◯中嶋勝彦vsクワイエット・ストーム☓
13分42秒バーティカルスパイク→体固め
ロックアップからストームが逆水平チョップ。中嶋がハイキック。中嶋がコーナーに座ったところをストームがラリアットで場外へ落とすと、場外フェンスの上に座らせてのラリアット。リングに戻し、ボディースラムからエルボーの応酬となるも、ここでもストームが圧倒。さらにネックブリーカードロップを繰り出すが、中嶋も低空ドロップキック、串刺しハイキック、ミドルキック、ミサイルキック。カウント2。

ストームがノーザンライトスープレックス、クロスボディーからクロスフェースで絞め上げるも、中嶋が足でロープブレーク。ストームの逆水平チョップと中嶋のミドルキックの応酬から中嶋がキック3連発でたたみかけると、ストームもカウンターの逆水平チョップ。なおも打撃の攻防が続き相打ちに。

中嶋がハイキック、ストームがハーフネルソンスープレックス、フィッシャーマンバスターで逆襲。中嶋がカウンターのドロップキック、ランニングキック。ストームがジャーマン、ショートレンジラリアット。カウント2。中嶋はトラースキック3連発から顔面蹴りをブチ込むと、さらにランニングキックからのバーティカルスパイクでとどめの一撃。

ヘビーでの中嶋は受け中心の試合ながら、豊富な手数(足数)のキックを交えて、要所を少ない技でしめるスタイルを確立したように思えます。ストームも、梅田での初めて見た試合から良いと思ってたのですがやはり良い。今は怪我で欠場してますが復活してほしいです。

第8試合
◯丸藤正道VS☓潮崎豪
19分41秒ポールシフト式エメラルドフロウジョン→片エビ固め
逆水平チョップの打ち合いが早々に始まり、場外戦では丸藤の虎王が炸裂。しかし、潮崎も徐々にペースを取り戻し、ダイビングショルダー、バックエルボー、逆水平チョップと攻勢に出てフィッシャーマンバスターからさらに肩固めで捕獲。

丸藤がキック連発からドロップキックで場外へ落としてプランチャで追撃。リングに戻ったところへフロムコーナートゥコーナー。しかし、不知火は潮崎がこらえて手刀でカット。再びのチョップ合戦から丸藤がトラースキック、潮崎が袈裟斬りチョップで応戦。潮崎は再びの不知火を阻止すると、場外へ落としてノータッチトペ、リングではラリアットでなぎ倒すも、丸藤はゴーフラッシャーを切り返して阻止し、串刺し式の虎王がぐさりと決まり場内は驚愕の悲鳴。不知火は、カウント2で潮崎が返す。

潮崎がショートレンジラリアットで反撃、滞空式のブレーンバスターからゴーフラッシャー。しかし、これは丸藤がキックアウト。丸藤はラリアットをかわすと、死角からのトラースキックから切れ味抜群に決まり、虎王2連発。さらにポールシフト式エメラルドフロウジョンでは、さすがの潮崎も力尽き3カウント。

開幕戦から大熱戦、この2人はGHCの舞台では当たったことがないので、タイトルマッチ戦でもまた見たいし、きっといつか見せてくれるでしょう。

11/23グローバル・リーグ戦2016 最終戦

第6試合
GHCタッグ選手権試合60分1本勝負
矢野 通、 丸藤正道vs デイビーボーイ・スミスJr. 、ランス・アーチャー
17分30秒キラーボム→片エビ固め
※デイビーボーイ・スミスJr.&ランス・アーチャー組が第35代GHCタッグ選手権者に

おなじみの顔合わせですが、やはり手が合うようで思いの外好試合でした。矢野が特に頑張っていて、この日は全面に出ていました。パワーボム系の大技を喰らいまくりですが、自力でフォールをなども返しており、やはり矢野はあんなノリでも実力者だなと思いました。丸藤もさすがの動きで試合を盛り立てますが、矢野の大ダメージが祟り、勝負どころでK.E.Sが一枚上回りベルト奪還と相成りました。

K.E.SはGHCのタッグベルトが似合う試合をするチャンピオンだったと思います。直接的に介入があったのは、ベンジャミンが殴り込んだ、杉浦・田中組の弾丸ヤンキースとの防衛戦のみ。ロングランの防衛が難しいタッグベルトをめぐり、激しい試合をよく見せてくれました。特に、クリス・ヒーロー・コルト・カバナ組との試合が素晴らしかったです。森嶋猛や力皇猛が現役だったら、ド迫力のヘビー級ファイトをぜひ見てみたかったなと思います。

グローバル・リーグ戦2016 優勝決定戦 時間無制限1本勝負
鈴木みのる vs マサ北宮 35分15秒
ゴッチ式パイルドライバー→体固め
※鈴木がグローバル・リーグ戦2016優勝

北宮がまさかここまで飛躍してくれるとは私には嬉しい誤算でした。みのるも週プロのインタビューで飛車角(杉浦・丸藤を指している)だけだったのに、歩がどんどんと金に成りやがったと彼なりの表現で評していました。中嶋や北宮はずっとノアで戦い続けてきましたし、それをまたずっと見てきました。宮原だって今や全日本プロレスの立派な3冠王者です。元健介オフィス組の活躍は目覚ましいものがあります。

この試合の特徴は、北宮のタフネスとパワーにみのるが押されっぱなしだったことです。なかなか新鮮な光景。決め技のサイトースープレックスを放つまでにみのるを追い詰めましたが、乱入した鈴木軍がレフェリーを襲ってノーカウントといういつもの茶番。掟破りの逆パイルドライバーをも決めてみのるからいつ3カウントをとっても不思議ではない状態が長く続きました。このことははっきり言ってすごいです。1年前北宮がここまでのファイトを展開するとは誰が想像し得たでしょうか。

北宮は粘り腰のみのるの反撃に、身を震わせて耐え続けてきたものの、流石にスリーパーを長々と食らっていては意識は薄れ、伝家の宝刀ゴッチ式パイルドライバーの前に沈み、みのるがリーグ戦の覇者となりました。北宮の可能性を感じさせる大満足の試合であり、みのるもまた、介入さえ除けばGHC王者かのような試合ぶりで素晴らしかったです。

12/2 「ONE NIGHT CRUISE 2016 in KORAKUEN」
<第5試合 GHCジュニア・ヘビー級選手権試合>
[王者]○小峠篤司(15分42秒 キルスイッチ→片エビ固め)[挑戦者]●タイチ
※小峠は3度目の防衛に成功

この日は私がインストラクターをしていた後輩との観戦でした。アマレスをやっていた後輩は、タイチの凶器攻撃やセコンドの乱入に「これはいいんですか!?」と驚愕しきりでしたが、これも含めてプロレスなんだよと言うと何をどう納得したのか、何にせよ激しい戦いのリングに釘付けで凄まじい高さのラストライドが大流血の小峠に決まると声を上げていました。

試合は15分少々とは思えないほど濃密で、鈴木軍とノアジュニアの集大成の試合でした。小峠もタイチもそれぞれ奥の手の技こそ出さなかったものの、それでも攻防といい間合いといい2年間戦い続けてきたプロのプロレスでした。小峠は金丸からもフォールを取って2冠にもなり新たな一歩を踏み出しました。上背もタフさもあるのでヘビー級には向いているとも思います。原田は安定感がピカ1なのでノアジュニアをきっとこれからも引っ張ってくれることでしょう。見慣れた金丸はいるとなんだかんだでやっぱり安心感があるので、しれっとノアに残ってほしかったですが、新日本プロレスのレスラーとの辛味もそれはそれで見たい気もします。

GHCタッグ選手権試合前哨戦
潮崎 豪、◯マイバッハ谷口vs ランス・アーチャー 、☓デイビーボーイ・スミスJr.
10分54秒首固め ※第3試合へのランス・アーチャー乱入後、タッグマッチに変更

潮崎と谷口は、中嶋・北宮の台頭の裏に隠れてしまっているのが残念です。谷口はマイバッハ化した当初は良かったですが、型にはまると柔軟性がなくなって試合運びがイマイチになるのがどうにも……美人のお嫁さんを迎えてパパになり、齢も不惑。GHCのベルトを取れるくらい大爆発してほしいものです。厳しい声もあるのは誰もが潜在能力を認めるからこそです。

◯丸藤正道、マサ北宮 vs ☓飯塚高史 、杉浦 貴
11分24秒不知火→片エビ固め

鈴木軍の裏MVPはなんといっても飯塚さんでしょう。齢50にしてあのボディはトレーニングに余念がないことを十二分に示唆しています。ヒールレスラーを真面目にやりきっている様には頭が下がります。杉浦と丸藤は組んでよし戦ってよしですが、やはり今の陣容では特に向かい合って戦う方に魅力を感じます。

GHCヘビー級選手権試合60分1本勝負
(第28代選手権者)中嶋勝彦vs (挑戦者/鈴木軍)鈴木みのる
37分01秒バーティカルスパイク→エビ固め
第28代選手権者中嶋勝彦初防衛に成功

凄まじい大熱戦でした。こればっかりは現場で生観戦してもらう他に伝えるすべはありません。平日の後楽園でしたが、行って良かったです。双方おびただしい数のエルボーとキック、スープレックスに絞め技・関節技を繰り出し、双方心身ともに人知を超えたタフさをまざまざと観衆に見せつけました。一言で言うと、プロレスラーってすごいってことですね。

試合後杉浦がみのるにオリンピック予選スラムでダメ押ししたわけですが、この翌日ディファ有明で30分以上の激闘を杉浦と繰り広げるわけだから、みのるは2週間で30分超えの試合を3試合もしたことになります。別に介入さえなければ鈴木軍とノアのレスラーたちの戦いはいつだって面白いのです。そんな当たり前が見られなくなるのは、ノアファンのわたしにとっても惜しいことですが、リング外の事情はさておいて、リング内の試合こそがノアの本質。2年間の鈴木軍のレスラーたちの継続参戦を経て、劇薬を飲み干したノアがどのように未来を切り開いていくか楽しみです。
感想:「2009年6月13日からの三沢光晴」長谷川 晶一著、主婦の友社
「ドンマイドンマイッ!」三沢光晴、ミシマ社
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