馬車郎の私邸

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「ひよ恋」第5巻、雪丸もえ、集英社

_SL500_AA300_「ひよ恋」もいよいよ5巻となり、りぼんの顔として定着してきた感がある。表紙になるサイクルもやや早めで、昨年は1,2,5,9,11,12月号の表紙を飾り、1年の半分が「ひよ恋」の表紙になっていた。作者を育てようという編集部の過保護気味の(?)親心が垣間見えて、新人から連載作家へと卵が孵るように、新エースが誕生したことは、古参の読者として嬉しく思う。

_SL500_AA300_本編はというと、結心の幼なじみ妃との関わり合いが一段落して、ある種転換点になるのかと思いきや、意外と「一歩進んで二歩下がる」的な展開は今まで通り。しかし、そんな展開の中にも「一歩進んで…」の部分はあるのであり、二人でてるてる坊主を作ってから、相合傘で下校し、雨が晴れて虹がかかる情景は、なんとも清々しくて良い。一緒に帰った程度で、やたら幸せそうなひよりの様子は見ていて微笑ましい。1

で、そこから何か進展するのかと思ったら、「夏休み一緒に遊ぼうって言う」が最大限であり、全盛期の水沢めぐみ先生の作品を彷彿とさせるじらしっぷり。親友の律花ならずとも、先に進めないよ?と一言申したいところだ。
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妃は結心の第二ボタンを託して去ったが、もう一人の恋敵松島さんは健在。主人公の恋敵でありながら、如才なく振る舞い、ひよりを敵視するどころか思いやる余裕さえ持っている。なかなかこういうキャラは珍しいので、自分としては気になる。友達の好きな人と、友達関係維持の両方を追い求めてはたして成功するのであろうか?それに加えて、松島さんと違って結心に上手くアプローチできないひよりを揶揄するような挑発的なことを言う一方で、動揺しカップを取り落としたひよりのことをかばって自ら片付けるそつのなさ。この恐るべき恋敵・松島さんにひよりは勝てるのだろうか? ひよりも読者もそう思う中、5巻は終わってしまうので、ここから一体、あの内気なひよりがどう盛り返すのか次の展開が気になるところだ。

ところで、先日「HIGH SCORE」のアニメ化について言及したが、もう少し「ひよ恋」の原作がたまったら、頃合いを見てアニメ化してみるのも一興だと思う。発行部数が217500部になってしまった今、使える手段はすべて使うにこしたことはない。以前付録のDVDについてたオリジナルアニメのキャストもそのままアニメ化したとしたら、ひよりを演じている竹達彩奈さんの本性を知っていると、ギャップが凄くて非常に面白く見れるだろう。

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