馬車郎の私邸

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「ちとせetc.」第4巻、吉住渉、集英社

エッセイ目次
本のレビュー
マンガ感想


吉住渉先生の45冊目のコミックスです。
5行でまとめるこれまでのあらすじ:
ちとせは、幸翔(ゆきと)との一夏の恋から、彼を追い、小説家の兄を頼り沖縄から上京。しかし、幸翔には清綾という長年付き合っている彼女がいた。そこで、幸翔は彼氏として赤石駿をちとせにあてがった。肉体関係を要求する駿に、当初は困惑したちとせだったが、しだいにいい雰囲気に。だが、幸翔はちとせに告白し、清綾とは別れると宣言。清綾は直接ちとせに幸翔を奪らないでと訴える…!

吉住渉「ちとせetc.」1~4話
「ちとせetc.」第3巻、吉住渉、集英社

幸翔と清綾が付き合う背景に、人ひとり死んでいるという重い背景があることが発覚して、衝撃をうけるちとせ。一転して、幸翔と付き合うわけにはいかないと思ってしまうのも無理からぬこと。こういう場合は、死者の事を考えて付き合い続けるべきなのかどうか…難しいところです。怨霊を鎮魂するという意味でも、現実の人間関係をどうするかという意味でも。

その一方で、巻き込まれてしまった駿にとっては、「小学生の時のこと引きずって…はた迷惑なカップルだぜ。まぁ、死んだ友人絡みなら頑なにもなるか」と言いたくもなるもの。ちとせは、清綾と、その死んだ友人への負い目から、幸翔をあきらめ、なんとか駿を好きになってみようという気配に。

その様子に危機感を抱いた幸翔は、駿に直談判。「友達から女奪る気かよ」と言われるのは、…まあ当然といえば当然。自分で紹介しておきながら、やっぱり欲しくなったという理由で巻き上げようというのだから、男というものはなんて勝手なのだろう。駿も当初の行動を見ると勝手ではあるけど、3巻以降では評価をあげつつある。
ああ天よ、もし男が心変わりしなかったなら、完璧なのに!(シェイクスピア「ベローナの二紳士」)

結局、ちとせは自分が駿と付き合うことが最適解であるという認識を強め、ちゃんと付きあおうと決心。さてこれで、一段落付き合うと思いきや。ちとせの兄と幸翔の姉が付き合いだすという衝撃展開の後、幸翔と清綾が罪悪感を感じることはないのだと説明。ということは…カオスな急展開は必至!

一方その頃、ちとせと駿は温泉旅館に来ていた。ここでの一連の駿の心の声には、吉住先生の男性のへのイメージが投影されているのかと思うと面白い(笑)ちとせと駿のやりとりも、なんだか可愛らしく、2巻の時のエロティックさとはうってかわってコミカルでした。

この局面で、幸翔と清綾が来襲(!!!)
なんという超展開…!駿がここは大暴れして、すわ今度は野郎同士の修羅場かと思いきや。
まさかの四者面談ですんなり事情を納得するちとせと清綾でした。

そして…ちとせと幸翔に泊まっていけと、粋な計らい(?)をする駿。話が余計ややこしいことにwwwここで、ちとせは幸翔と駿が泊まればいいじゃんと言うが、それはBL展開になりかねんw

さらに、駿が清綾をちとせの代わりにもらっていくぜ宣言。伏線はあったとはいえ、切り替えはえぇよ。お前ついさっき、ヤろうとしてたばっかりじゃねぇかwもう、わけがわからないよ。誰か吉住先生を止めてくれ(笑)

思えば、このスワッピング。ママレード・ボーイと、最初期課長 島耕作を思い出してしまった。

マーガレットに来てから、吉住先生がいい意味で暴走しててよかったです。コーラスで連載してた時よりもずっと生き生きとしてますね。できればりぼんで読みたかったけど、この内容はりぼんでは無理だね(笑)ああ、早く続きが読みたい。