馬車郎の私邸

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種村有菜「桜姫華伝」第6巻、集英社

先月の5巻に続き、2か月連続の単行本刊行。種村先生は、モンハンの後はときメモGS3にはまってるそうで、恐るべき馬力です。

この巻は朝霧と右京の対決。小人の朝霧の正体は、前々から伏線めいたセリフが散見されましたが、いよいよ明らかに。対面した右京は「もうお前など恋人など何でもない!!村を一瞬で破壊した狡猾な雪女よ!!」20090713
「な、なんだってー!!」
ここまで可愛いマスコット的存在だった朝霧ですが、真の姿に戻り、右京のセリフに「鬱陶しい男…」と黒い微笑みさえ浮かべてみせる。驚く面々に心を痛めながらも、1ページぶち抜きで「もう愛していないから!私はあなたを殺せるわよ!!」とビックリマークをくっつけて、ポージングを取るに至っては、茫然です。どんでん返しのうまさが光る種村先生…得意のポエムっぽいモノローグも相変わらず健在だ!!
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朝霧と右京の故郷の村は雪女の住処…
馴れ初めの話は安心してみていたけれども、人身御供の話が出てきてからは雲行きが怪しくなってきた…生贄に選ばれた朝霧を嫉妬に駆られた女友達が、押っ取り刀で「二人どもここで葬り去ってやるわ…!!」と立ちはだかる。こんな今時少年漫画でも見ないようなセリフが不思議と様になるのが、けれん味たっぷりの種村漫画の面白さだ。
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そして右京の助力を得るため、生贄になるべくたどりついた朝霧が見た"神"の姿とは…
!!??
なんぞこれ…?
なんかベルセルクに出てきそうです(笑)
そのベルセルクですが、最近はちゃんと連載が復活したみたいで、「なんと村人はみな触手!」という、いや~な展開となっております。それはさておき、この後に対句。詩的ながらもおぞましい。
「紙をおくれ…銀の光を取り戻すため… 目をおくれ…ここはまだ仄暗い…」続くセリフは 「ははは痴れ者!!」
ファンタジーには大げさな言葉遣いがよく似合う。
およそ少女漫画らしからぬ素敵な種村節でした。

バトル突入→回想突入で因縁説明→バトル再開という、少年漫画的フォーマットがきっちりはまって面白くなってきた桜姫華伝。明快で思い切った展開が、切れ味鋭く決まっている。続きが楽しみです。

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