馬車郎の私邸

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 「キャラかストーリーか、それが問題だ」byシェイクスピア

一言コメント:
2年たっても状況は全く改善の兆しなし。

根本がハーレムでありBLがメインの美少女美男子アニメばかりがやたらと増えている。
リスクが少なく短期的な利益ををとるやり方としては現状に即しているのだろうが、そればかりあふれかえったら、全体としてアニメはただ萌えを抽出するための動画になってしまう。
感動や面白みはどこへ?

また、Youtubeやニコニコ動画といったものも出てきたのに、基本的には、利益率の高いDVDで販売し制作費を回収するシステムからまだ抜け出せていないということも問題だろう。

中身の充実と同時に、どう売るかというアニメのビジネスモデル、課題は残されたままだ。

2006年10月16日23:57
WSMKでは、CONTI先輩と初めて話をした。漫画の鑑賞技法について論じ合った。自分は、キャラにばかりこだわった見方は良くないのでは、と提言した。ストーリーとキャラクターのバランスが重要である。今のキャラ偏重の風潮はいかがなものか、と。

その一方で氏は、キャラがストーリーを創るのだ、と主張した。実際に漫画を書き集英社に持ち込む方だから、これは作者の側からの見方といえよう。

はじめにキャラありきなのか、それともストーリーありきなのか、非常に難しい命題である。それは、卵とにわとり、どちらが先であったかを考えるのと同様に結論が出るのかさえわからない問題だ。

結局、ディベートの末、以下のような内容に落ち着いた。
要点を箇条書きにします。(「日高義樹のワシントン・リポート」風)

・キャラとストーリーは車の両輪のごとき関係にあるが、これを両立させるのは漫画家にとって至難の業である。

・出版社は利益を出すことを目的とするので、高みを目指して失敗する作品よりも、キャラだけが良くそれなりに人気の出る作品を必要としている。

・今のアニメーションは商業主義にとらわれ、短期的な利益を追求するあまり、放映数が昔に比べはるかに増えたばかりか、1クール及び2クールの作品が主流となっている。量が増え、質が低下している。

・アニメ化あるいは、ドラマ化した漫画が非常に多いため、漫画原作の使い捨てともいうべき現状がある。


このような討論の後で、しばしば話題となっていると思しきBL、の本質とは何であるかを自分は知らないので質問した。

そして、CONTI先輩から「BoysLove概論」の講義を受けた。、おぼろげながらわかったような気もしないでもない。とはいえ、実物をまったく見ていないので、耳学問だから、価値判断は保留されるべきであろう。即断と偏見は良くないと、デカルトも言っている。

風林火残念 2006年10月17日 00:34
ちょうど今日マイミクの子のところで少々そのような話題が
出ていたよ。概ね内容は一緒だった。

・キャラは美味しいけど脚本とか演出とかが
 軽視されている作品は増加傾向にある。

・正直それらを見ているオタクの立場からすると
 アイドルがすきだからその出演するドラマを見るのと
 同じような感覚で漫画やアニメを見ていることも多い。
 そして以前(具体的には手塚治虫の時代くらいだろうか)より
 コンテンツビジネス・キャラクター商品ははるかに増えた。
 つまり昔よりもオタクは商品に金を出し、
 キャラクターがお金になりやすい。

・加えていまの時代の感覚として
 長期にわたってじっくり楽しめるものよりも
 短期的に楽しみを感じたい、次々に新しいものを
 摂取したいという意見の方が多数派を占めているのも
 低クオリティ作品の増加の理由の一つかもしれない。
 (こういう感覚を作っているのはなるべく沢山早く物を売りたい
 商業主義なんだろうけど。)

コメントに長文で失礼。
つまり乗せられちゃう奴がお金を出し、味を占めた
製作側が調子に乗ってますますクオリティ下げる、と;
あんまり好ましくない風潮だねえ…

BoysLove概論…
…世の中…知らないほうがいいこともあるとおもうよセニョール…

まありんこん♪ 2006年10月17日 00:35
初めに大きな幹となるストーリーが必要ですね…。
その上でキャラがどう演じていくか………

小さな枝葉の部分においては、個性あるキャラがストーリーを作っていく場合もあります。
むしろ、そんなキャラの方が読者の心に強く残るでしょうね。

あながち、先輩のおっしゃる事は間違いではないと思いますよ♪

CONTI 2006年10月17日 00:49
俺のBL観はちょっとズレてるかもしれないから
正しく理解するには他のサークル員の話を聞きながら理解を深めていく方が良いかもしれません。
多分1~2年いれば、自然と何となく分かってくるような気がします。

漫画についてはまたお話しましょう。
今日はとても楽しかったです。

Ninomy 2006年10月17日 01:12
真夜さん>
アニメ、漫画、ドラマは「商品」であると同時に「作品」でもあります。資本主義的な価値観ばかりを信奉するなら、作品としての価値は失われていき、商品としての価値に偏向していくでしょう。お金儲けと、作品を大切にしようという美意識や倫理観、の狭間で揺れる製作側のためにも、消費者の態度が問われていますね。

思えば、こんにちのコンテンツ産業の現状は、ときメモの功罪の罪の部分かもしれないです。テニプリの商法はときメモの商法の模倣ですから.....大量の歌(こっちはまだ良い)と極めて大量のキャラクターグッズ(こっちのほうが問題)の販売。ときメモに関して自分は新参のファンですから、昔のことは知りません。なので、様々な資料にあたって調べてみたら、何でもありか!というくらいいろんなものがありました。少なくともテニプリに匹敵するか、それ以上です。この稀有な成功例で、キャラクタービジネスのいわば定跡が確立されてしまったことは、功罪両面あるでしょうね。

乗せられちゃうヤツというのは、そんなに多くはないと思います。少しでも理性があれば、そう簡単にだまされるものでもありません。ファンはむしろ、そのカテゴリーの存続を求めるがゆえに、たとえ無意味なグッズでさえ、買うのです。あえて、乗る、わけです。これはむしろ、寄付金というか、出資に近い感覚かもしれません。問題が販売側がその消費者の態度を真に受けるか、それとも確信犯として消費者を適度に搾取しながら次の商品展開をするか、です。どちらもたちが悪い。f^^;新規参入の会社は真に受ける可能性が高そうですし、老舗の会社は「農民から税をたっぷりとるには、生かさず殺さず」と思ってるでしょうね。

BoysLove概論…
…世の中…まだまだ知らないことがたくさんアリマース、セニョリータ…

まありんこん♪さん>もちろん、そうですね。しかし、キャラとストーリーは主とか従の関係ではなく、相互的、相乗的なものだと思われます。一方的なものではなく、お互いがお互いを規定しあう関係にあるといえるでしょう。

CONTIさん>どうも、こちらこそ。

まありんこん♪ 2006年10月17日 01:38
>キャラとストーリーは主とか従の関係ではなく、相互的、相乗的なものだと思われます。
その通りです。
どんなに優れたストーリーでも、演じるキャラに何らかの魅力がなければ作品としては面白みの欠ける物になってしまうでしょう。
逆にキャラばかりが光っていても、ストーリーが面白くなければ薄っぺらな作品になってしまいます。

大きな幹の部分と小さな枝葉の部分、これらがうまくかみ合ってこそ面白くて厚みのある作品になっていくのです。

そういう意味では幹となるストーリーが重要なのは当然の事であると共に、枝葉のストーリーを作り上げるほどの魅力あるキャラも重要なのです。

ちなみにコンテンツ産業の先駆けはサンリオやディズニーの方が古いでしょうし、昔のアニメでもその傾向はありました。
しかし、大規模に商業ベースとして扱われた点では『ときメモ』の功罪は確かに大きいでしょうね…。

アニメ業界やゲーム業界の製作現場から考えると、キャラクター関連商品から得る資金も重要なのは仕方のない事でしょう。

ただ、商品化のためだけに必要のないツールをキャラに持たせたり、原作を捻じ曲げてしまうのは、これはいかがな物かと思います。
商業主義に走って、作品の本来の良さを壊してはいけません。